Charlotte
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早くエリの顔が見たい。
その一心で休む暇もなく到着したらすぐ依頼を終え、2,000キロの道のりを一気に帰って来た。
行く前のバージルの態度が少し気掛かりだったが、いくらなんでもそう急いでエリに手を出したりしないだろうと思っていた。
数日ぶりの我が家。
ぎりぎり昼食に間に合う時間帯、ダンテは事務所のドアを叩いた。
「エリ、ただいま!」
いつも出て来る筈の妹がいない。
帰宅を告げた室内には静寂が返ってくるのみ。
まさか…。
バージルがエリを攫ってどこかに?
いつかのバージルの台詞を思い出し、心臓がばくばく鼓動し始める。
いや、落ち着け。
まだ決まった訳じゃない。
そうだ、この時間ならエリがキッチンで昼食を作っているはず。
焦りつつ、とりあえずキッチンに急ぐ。
「…やっ…バージル」
近づく途中、聞こえてきたのはエリの声だ。
しかも、ただの話し声じゃない。
「だめだってば…」
少し艶を含んだ声。
これは、やばい。
俺のエリが。
俺のエリがバージルに…!?
ダンテはキッチンへと一気に踏み込んだ。
「バージルてめぇ…!」
エリとバージル、2人の視線がダンテへと注がれる。
見ればバージルが包丁を握って何かしら切っていた。
どうやら2人で昼食を作っているらしい。
さっきのは、俺の思い過ごしなんだろうか。
エリは何故か頬を赤くしたまま、微笑み掛ける。
「ダンテ…!ごめん、気づかなくて…お帰りなさい」
「…ああ、ただいま」
ちょっと違和感を感じながら、ダンテも返した。
今まで料理する時はエリひとりでキッチンにいた。
なんでいきなりバージルも?
それにエリは何故か顔が赤い。
「もうすぐご飯できるから待っててね!」
促されてそのままテーブルについた。
…おかしい。
自惚れかもしれないが、前まで帰宅したらもっと歓迎してくれたし、ハグも受け入れてくれた。
昨日の電話もどこか変だったし、焦っていたみたいだ。
やっぱり、バージルと何かあったのか?
昼食中は3人揃ってあまり会話がなかった。
エリはいつものようにダンテに依頼の話と労いの言葉を掛けてくれたが、途中途中でバージルを気にしていた。
「バージル」
「どうした」
エリが食器を洗っている間、ダンテが張本人を呼び止め、ソファに座らせる。
バージルはいっそ憎らしいくらい涼しい顔をしている。
「俺がいない間エリに何した?」
「何したとは」
「とぼけるなよ…!」
胸倉に掴み掛かりたくなる衝動をなんとか抑えながら、控えめに声を荒げる。
エリに見られたら、また無駄な心配を掛けさせるからだった。
ダンテが必死な形相で睨んでくるのを、バージルの青い瞳が捉えた。
「エリに想いを伝えた」
予想はしていたが、いくらなんでも展開が早すぎる。
この間自覚したばっかりで、もう口説きに掛かってるなんて信じられない。
俺が長年エリに悶々としてたのはなんだったんだよ…。
勝手な兄に少し呆れながら、聞いたエリの反応が気になる。
「…で、エリはなんて?」
「最初はだいぶ混乱していたが、満更でもないな」
バージルは口角を吊り上げて、得意気に笑った。
なんていうか先を越されてむかつくのと、エリに打ち明ける勇気が湧いてくるのと、複雑な気持ちだった。
「とりあえず、エリはバージルを選んだ訳じゃねぇんだな?」
バージルは答えなかったが、エリの今の返事はなんとなく想像できる。
家族思いで、やっと兄妹3人揃ったんだ。
エリは俺たち両方を大切に想っているだろう。
これ以上エリを追い詰めるのは心苦しいが、ダンテはすぐにでも想いを伝えたくなった。
ずっとくすぶっていた想い。
兄に先を越されて黙っていられる訳がない。
今夜だ。
今夜、エリに初めて打ち明ける。
一応俺はずっと、エリの近くで兄として成長を見守って来た。
突然男として好きだと言われたら、どういう顔をするだろうか。
どうか、受け入れてほしい。
祈るような気持ちで迎えた深夜。
エリが部屋にいるのを確認し、ドアをノックする。
返事はない。
もう寝てしまったのか…。
いつもなら諦めるが、今回ばかりはお構いなしにドアを開く。
もう、待てなかった。
ベッドが盛り上がっていて、エリが寝ているのがわかる。
お互いに成長し部屋に入ることなんてめったになく、エリの香りが染みた室内に、ちょっと緊張する。
相手が妹と言うだけでここまで初になれる自分に笑い、ベッドにゆっくり近づく。
「エリ」
丸まって幸せそうに眠っているエリの姿。
それだけの光景に胸が熱くなる。
この顔を守りたくて、今までずっと頑張ってきた。
ダンテはベッドの傍でしゃがみこんで、エリを眺めた。
「…ん…」
エリの吐息を感じる。
無防備すぎる。
いくら兄とはいえ、俺たちは血が繋がってない。
もしかしたら、襲われることだってあるかもしれないのに。
「ダン、テ…」
赤い唇が突然自分の名前を呼び、たとえ寝言だったとしても嬉しくなる。
バージルじゃなく、俺の夢を見てるのか?
「…バー…ジ、ル…」
舞い上がっていた気持ちもバージルの名前でたたき落とされる。
そうだ。
エリはこういうやつだ。
だけど、こういう家族思いで優しすぎるところにも惚れている。
「…」
バージルが抜け駆けして先に告白しやがったんだから、ちょっとくらいおいしい思いしてもいいはず。
可愛いエリは夢の中。
ちょっとくらい…。
ダンテは眠っているエリの頭の後ろに手を回すと、顔を近づけた。
「ん…」
唇を塞がれて、エリが苦しげな声を洩らす。
初めて味わう妹の本当の唇は、想像よりずっと柔らかい。
1回で終わらそうと思っていたのに、無理そうだ。
離した唇を、角度を変えてもう1度キスする。
止まらない。
やばいと思いながら、何度も短いキスを繰り返した。
end.
その一心で休む暇もなく到着したらすぐ依頼を終え、2,000キロの道のりを一気に帰って来た。
行く前のバージルの態度が少し気掛かりだったが、いくらなんでもそう急いでエリに手を出したりしないだろうと思っていた。
数日ぶりの我が家。
ぎりぎり昼食に間に合う時間帯、ダンテは事務所のドアを叩いた。
「エリ、ただいま!」
いつも出て来る筈の妹がいない。
帰宅を告げた室内には静寂が返ってくるのみ。
まさか…。
バージルがエリを攫ってどこかに?
いつかのバージルの台詞を思い出し、心臓がばくばく鼓動し始める。
いや、落ち着け。
まだ決まった訳じゃない。
そうだ、この時間ならエリがキッチンで昼食を作っているはず。
焦りつつ、とりあえずキッチンに急ぐ。
「…やっ…バージル」
近づく途中、聞こえてきたのはエリの声だ。
しかも、ただの話し声じゃない。
「だめだってば…」
少し艶を含んだ声。
これは、やばい。
俺のエリが。
俺のエリがバージルに…!?
ダンテはキッチンへと一気に踏み込んだ。
「バージルてめぇ…!」
エリとバージル、2人の視線がダンテへと注がれる。
見ればバージルが包丁を握って何かしら切っていた。
どうやら2人で昼食を作っているらしい。
さっきのは、俺の思い過ごしなんだろうか。
エリは何故か頬を赤くしたまま、微笑み掛ける。
「ダンテ…!ごめん、気づかなくて…お帰りなさい」
「…ああ、ただいま」
ちょっと違和感を感じながら、ダンテも返した。
今まで料理する時はエリひとりでキッチンにいた。
なんでいきなりバージルも?
それにエリは何故か顔が赤い。
「もうすぐご飯できるから待っててね!」
促されてそのままテーブルについた。
…おかしい。
自惚れかもしれないが、前まで帰宅したらもっと歓迎してくれたし、ハグも受け入れてくれた。
昨日の電話もどこか変だったし、焦っていたみたいだ。
やっぱり、バージルと何かあったのか?
昼食中は3人揃ってあまり会話がなかった。
エリはいつものようにダンテに依頼の話と労いの言葉を掛けてくれたが、途中途中でバージルを気にしていた。
「バージル」
「どうした」
エリが食器を洗っている間、ダンテが張本人を呼び止め、ソファに座らせる。
バージルはいっそ憎らしいくらい涼しい顔をしている。
「俺がいない間エリに何した?」
「何したとは」
「とぼけるなよ…!」
胸倉に掴み掛かりたくなる衝動をなんとか抑えながら、控えめに声を荒げる。
エリに見られたら、また無駄な心配を掛けさせるからだった。
ダンテが必死な形相で睨んでくるのを、バージルの青い瞳が捉えた。
「エリに想いを伝えた」
予想はしていたが、いくらなんでも展開が早すぎる。
この間自覚したばっかりで、もう口説きに掛かってるなんて信じられない。
俺が長年エリに悶々としてたのはなんだったんだよ…。
勝手な兄に少し呆れながら、聞いたエリの反応が気になる。
「…で、エリはなんて?」
「最初はだいぶ混乱していたが、満更でもないな」
バージルは口角を吊り上げて、得意気に笑った。
なんていうか先を越されてむかつくのと、エリに打ち明ける勇気が湧いてくるのと、複雑な気持ちだった。
「とりあえず、エリはバージルを選んだ訳じゃねぇんだな?」
バージルは答えなかったが、エリの今の返事はなんとなく想像できる。
家族思いで、やっと兄妹3人揃ったんだ。
エリは俺たち両方を大切に想っているだろう。
これ以上エリを追い詰めるのは心苦しいが、ダンテはすぐにでも想いを伝えたくなった。
ずっとくすぶっていた想い。
兄に先を越されて黙っていられる訳がない。
今夜だ。
今夜、エリに初めて打ち明ける。
一応俺はずっと、エリの近くで兄として成長を見守って来た。
突然男として好きだと言われたら、どういう顔をするだろうか。
どうか、受け入れてほしい。
祈るような気持ちで迎えた深夜。
エリが部屋にいるのを確認し、ドアをノックする。
返事はない。
もう寝てしまったのか…。
いつもなら諦めるが、今回ばかりはお構いなしにドアを開く。
もう、待てなかった。
ベッドが盛り上がっていて、エリが寝ているのがわかる。
お互いに成長し部屋に入ることなんてめったになく、エリの香りが染みた室内に、ちょっと緊張する。
相手が妹と言うだけでここまで初になれる自分に笑い、ベッドにゆっくり近づく。
「エリ」
丸まって幸せそうに眠っているエリの姿。
それだけの光景に胸が熱くなる。
この顔を守りたくて、今までずっと頑張ってきた。
ダンテはベッドの傍でしゃがみこんで、エリを眺めた。
「…ん…」
エリの吐息を感じる。
無防備すぎる。
いくら兄とはいえ、俺たちは血が繋がってない。
もしかしたら、襲われることだってあるかもしれないのに。
「ダン、テ…」
赤い唇が突然自分の名前を呼び、たとえ寝言だったとしても嬉しくなる。
バージルじゃなく、俺の夢を見てるのか?
「…バー…ジ、ル…」
舞い上がっていた気持ちもバージルの名前でたたき落とされる。
そうだ。
エリはこういうやつだ。
だけど、こういう家族思いで優しすぎるところにも惚れている。
「…」
バージルが抜け駆けして先に告白しやがったんだから、ちょっとくらいおいしい思いしてもいいはず。
可愛いエリは夢の中。
ちょっとくらい…。
ダンテは眠っているエリの頭の後ろに手を回すと、顔を近づけた。
「ん…」
唇を塞がれて、エリが苦しげな声を洩らす。
初めて味わう妹の本当の唇は、想像よりずっと柔らかい。
1回で終わらそうと思っていたのに、無理そうだ。
離した唇を、角度を変えてもう1度キスする。
止まらない。
やばいと思いながら、何度も短いキスを繰り返した。
end.