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なんでこうなっているのか、私はまだ鈍い頭で考えていた。
ここは私の部屋の私のベッドだし、昨日はひとりで寝たはず。
なのに、なんでバージルがここにいるのか。
お互いちゃんと服は着ているし、知らない間にそういう展開になっていた訳でもなさそうだ。
ただ彼は私を抱き締めて気持ち良さそうに安らかに眠っている。
完全に抱き枕にされているのが苛立たしくて、私は彼の鼻を強めに摘んだ。
規則正しかった呼吸が乱れ、苦しそうに咽せる。
「おはよう」
「エミリー…もう少し優しく起こせないのか」
にこやかに挨拶すると、彼はまだ軽く咽せたまま、身体を起こした。
眠る時の彼はいつも後ろに撫でつけている髪を下ろしていて、幼く見える。
正直それはちょっと可愛い。
「なんで私のベッドにいるのよ」
「エミリーと眠りたかったんだ」
にこりと効果音が聞こえそうな笑顔と直球な理由に、不覚にもときめいてしまう。
いや、ダメだ。
たとえ仮にも恋人とはいえ、いきなり無断でベッドに入ってくるなんて不法侵入にも程がある。
といいつつ、こういう展開は初めてではないから、怒らないべきなのか。
「寝たいなら寝たいって言えばいいじゃない…」
「言ったら嫌がって寝かせてくれないだろ」
確かに、私が彼と同じベッドにいるのは彼に抱かれた後くらいだ。
それ以外は邪魔だとか素直になれないとかで、一緒に寝ることなんてまずない。
だけど知らない間に、ひとが寝ている間に、勝手に入って来るのは色々な意味でやめてもらいたい。
私の心臓のためにも。
ちょっと嬉しいと思う自分が嫌で頭をぶんぶん振る。
「どうした?エミリー」
「いや、触らないで!」
彼は笑顔のままで私の身体を引き寄せて腰に手を回す。
後ろから抱き締められ、彼の体温が背中から伝わってくる。
なんで朝からこんな展開になってるんだろう。
「エミリーは柔らかくて抱き心地がいいな」
「あなた変態?」
「その変態が好きなのは誰だ?」
言い返された台詞に好きじゃないなんて即答できず、やっぱりバージルが好きなんだなと自分で思い知る。
最悪だ。
腕を振り解こうにも、彼は一応男だしおまけに人間じゃないしで、抵抗は諦めた。
それを良いことに、彼に横を向かされてキスされる。
朝なのに濃厚なそれに身体に自然と力が入り、回された彼の腕を掴んだ。
「ん…っ…ばか」
「痛」
私が手を抓るとバージルは唇を離して私を解放したので、すぐにベッドから立ち上がる。
「仕事はいいの?ボス」
「今朝はエミリーのために空けておいたから心配するな」
私のために空けておいたって?
別にこっちは心配なんてしていない。
だけど突然こんな風にされると戸惑ってしまう。
このひとは自分の都合で自由奔放に動くから困る。
彼はベッドから立ち上がって、私の方に近づいて来るものだから、思わず身構えてしまう。
壁際まで追い詰められ、また彼の腕の中に戻された。
「朝からこうするのは嫌か?」
「別に嫌じゃないけど…」
ほら、またこれでバージルのペース。
私の意思はどうなるのか。
彼は今そういう気分だから、それが朝だろうが夜だろうが関係ない。
さすが私のボス。
「エミリーが嬉しそうな顔してるから止まらなくなった」
短いキスを繰り返しながら、彼は私に言い訳のように囁く。
「私嬉しそうな顔なんてした?」
「今もしてる」
どこが?と思いながら、ちょうど鏡台の鏡に映った自分は微笑んでいた。
end.
ここは私の部屋の私のベッドだし、昨日はひとりで寝たはず。
なのに、なんでバージルがここにいるのか。
お互いちゃんと服は着ているし、知らない間にそういう展開になっていた訳でもなさそうだ。
ただ彼は私を抱き締めて気持ち良さそうに安らかに眠っている。
完全に抱き枕にされているのが苛立たしくて、私は彼の鼻を強めに摘んだ。
規則正しかった呼吸が乱れ、苦しそうに咽せる。
「おはよう」
「エミリー…もう少し優しく起こせないのか」
にこやかに挨拶すると、彼はまだ軽く咽せたまま、身体を起こした。
眠る時の彼はいつも後ろに撫でつけている髪を下ろしていて、幼く見える。
正直それはちょっと可愛い。
「なんで私のベッドにいるのよ」
「エミリーと眠りたかったんだ」
にこりと効果音が聞こえそうな笑顔と直球な理由に、不覚にもときめいてしまう。
いや、ダメだ。
たとえ仮にも恋人とはいえ、いきなり無断でベッドに入ってくるなんて不法侵入にも程がある。
といいつつ、こういう展開は初めてではないから、怒らないべきなのか。
「寝たいなら寝たいって言えばいいじゃない…」
「言ったら嫌がって寝かせてくれないだろ」
確かに、私が彼と同じベッドにいるのは彼に抱かれた後くらいだ。
それ以外は邪魔だとか素直になれないとかで、一緒に寝ることなんてまずない。
だけど知らない間に、ひとが寝ている間に、勝手に入って来るのは色々な意味でやめてもらいたい。
私の心臓のためにも。
ちょっと嬉しいと思う自分が嫌で頭をぶんぶん振る。
「どうした?エミリー」
「いや、触らないで!」
彼は笑顔のままで私の身体を引き寄せて腰に手を回す。
後ろから抱き締められ、彼の体温が背中から伝わってくる。
なんで朝からこんな展開になってるんだろう。
「エミリーは柔らかくて抱き心地がいいな」
「あなた変態?」
「その変態が好きなのは誰だ?」
言い返された台詞に好きじゃないなんて即答できず、やっぱりバージルが好きなんだなと自分で思い知る。
最悪だ。
腕を振り解こうにも、彼は一応男だしおまけに人間じゃないしで、抵抗は諦めた。
それを良いことに、彼に横を向かされてキスされる。
朝なのに濃厚なそれに身体に自然と力が入り、回された彼の腕を掴んだ。
「ん…っ…ばか」
「痛」
私が手を抓るとバージルは唇を離して私を解放したので、すぐにベッドから立ち上がる。
「仕事はいいの?ボス」
「今朝はエミリーのために空けておいたから心配するな」
私のために空けておいたって?
別にこっちは心配なんてしていない。
だけど突然こんな風にされると戸惑ってしまう。
このひとは自分の都合で自由奔放に動くから困る。
彼はベッドから立ち上がって、私の方に近づいて来るものだから、思わず身構えてしまう。
壁際まで追い詰められ、また彼の腕の中に戻された。
「朝からこうするのは嫌か?」
「別に嫌じゃないけど…」
ほら、またこれでバージルのペース。
私の意思はどうなるのか。
彼は今そういう気分だから、それが朝だろうが夜だろうが関係ない。
さすが私のボス。
「エミリーが嬉しそうな顔してるから止まらなくなった」
短いキスを繰り返しながら、彼は私に言い訳のように囁く。
「私嬉しそうな顔なんてした?」
「今もしてる」
どこが?と思いながら、ちょうど鏡台の鏡に映った自分は微笑んでいた。
end.