Charlotte
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あの兄弟喧嘩から、バージルはエリの用心棒のようにいつも目の届くところでダンテを監視するようになった。
それこそ朝から晩までずっとだ。
「あ、ダンテ。おはよう」
「おはよう、エリ」
今日もダンテが起きてリビングに向かえば、エリの傍にはすでに起きていたバージルが控えていた。
エリに挨拶すると、バージルはにやりと口角を上げる。
「エリには指1本触れさせはしない」言葉ではなく視線で語る。
むかつくが、エリの手前見てみぬフリをする。
くそ、これじゃエリに近づけないし、触れねぇ…。
ていうか、バージルの野郎子どもっぽすぎ。
食事中もバージルの厳しい視線を感じながら過ごし、これから毎日これだったらどうしようとうんざりした。
でも、以前言っていたようにエリを攫って突然いなくなったりしないだけマシだろう。
それは、そんなことをしたらエリが泣いて騒ぐことが予想できるからか。
邪魔なものは斬り捨てるような男だが、エリに関しては子どもの頃と同じで愛情のようなものが残っているらしい。
ダンテが溜め息をついて事務所のデスクに座ると、バージルの目を盗んだエリが傍に寄ってくる。
「ダンテ!」
「エリ!どうした!?」
嬉しすぎて声のトーンが上がる。
やっぱりエリが頼ってくるのは俺なんだと胸が熱くなる。
ダンテはがたっと音を立てて椅子から立ち上がり、エリが腕を引っ張ってきた。
「…こっちこっち!来て」
連れ込まれたのはエリの部屋。
バージルが入って来ないようにドアにもたれるエリに、下心を隠しきれない。
エリ、やっと俺の気持ちに気づいてくれたんだな…。
「良かった…やっとダンテと2人になれた」
頬を染め上目遣いのエリ。
ダンテはその柔らかい手をそっと握った。
「俺も嬉しいぜ…エリ」
だが、熱い視線と手を払いのけ、エリは背伸びしてダンテの耳元に囁く。
「あのね、買い物ついて来て」
「…買い物?」
買い物だけなら、こんな2人っきりで艶っぽい雰囲気なんて出さず、バージルの前でも言えるはずなのでは。
ダンテは首を傾げた。
「シャルロット作ろうと思って」
「…それって」
「うん、バージルのために」
…だよな。
エリはこういうやつだ。
まぁ家族想いなところも好きなんだけど。
「せっかく3人揃ったんだから、お祝いしないと!」
バージルに内緒のサプライズパーティー。
あまり甘いものを食べないバージルも、特別な日のシャルロットだけは食べていた。
エリは輝く瞳で微笑む。
その顔も可愛くて、バージルに嫉妬もできず、買い物に同行することは決定した。
とりあえず、エリと2人になれるので役得といったところだろう。
「じゃあな、バージル」
「バージル、お留守番頼むね」
今度は前とは逆でエリを連れたダンテが、バージルに笑顔を見せつける。
彼の眉間には明らかなしわが刻まれた。
「どこへ行く?」
「えっ、スーパーだよ」
怒ってるのかなとエリは声を上擦らせて答えた。
でも、バージルの怒りの理由はわからず、おろおろしてしまう。
「大丈夫。すぐ戻ってくるぜ。お兄ちゃんは心配性だな」
ダンテはわざとらしくウインクし、エリの手を引っ張って外に出た。
「バージルなんで怒ってるんだろう…私何か悪いことしたかなぁ」
「気にすんなよ。エリは何もしてないぜ」
真剣に悩み始めるエリの手を握りながら、ダンテは先を歩いて行く。
自然と手を繋ぐ形になって、内心嬉しかった。
エリに言えばきっと恥ずかしがって振り解かれるから、黙っておく。
昔はよくこうやって手を繋いで歩いていたのにと懐かしく思って、まだ上の空のエリに視線を向け口角を上げる。
その時、道の段差につまづいたエリがバランスを崩した。
「わっ…」
「おっと」
ダンテはとっさに自分の方にエリの身体を引き寄せ、抱き留める。
「あぶねぇな。考え事してるからだ」
「ありがとうダンテ、…っ!」
至近距離で視線が合い、エリは顔を真っ赤にしてダンテの胸を押して離れた。
「ごめん!本当…ちゃんと気を付けて歩くね!」
目を合わせずに必死に笑って見せるエリ。
歩き方はぎこちない。
これは、ひょっとしたらひょっとするかも。
あの反応。
エリは俺を確実に男として見てる。
ダンテは内心小躍りしながら、早歩きでやり過ごそうとしているエリの後を追い掛けた。
「材料って何がいるんだ?」
スーパーにて。
買い物かごを持ったダンテがエリに尋ねる。
料理は勿論ケーキなんて食べるのが専門で、全くわからない。
「えっと…卵と薄力粉と、砂糖は買ってあるからいらないし…」
「エリに任せるぜ…俺はわからねぇ」
「あ、乗せるのはダンテの好きな苺にしようか」
「おっいいな」
エリが売り場を歩いていくのを、ダンテは横に並んで荷物持ちに徹した。
end.
それこそ朝から晩までずっとだ。
「あ、ダンテ。おはよう」
「おはよう、エリ」
今日もダンテが起きてリビングに向かえば、エリの傍にはすでに起きていたバージルが控えていた。
エリに挨拶すると、バージルはにやりと口角を上げる。
「エリには指1本触れさせはしない」言葉ではなく視線で語る。
むかつくが、エリの手前見てみぬフリをする。
くそ、これじゃエリに近づけないし、触れねぇ…。
ていうか、バージルの野郎子どもっぽすぎ。
食事中もバージルの厳しい視線を感じながら過ごし、これから毎日これだったらどうしようとうんざりした。
でも、以前言っていたようにエリを攫って突然いなくなったりしないだけマシだろう。
それは、そんなことをしたらエリが泣いて騒ぐことが予想できるからか。
邪魔なものは斬り捨てるような男だが、エリに関しては子どもの頃と同じで愛情のようなものが残っているらしい。
ダンテが溜め息をついて事務所のデスクに座ると、バージルの目を盗んだエリが傍に寄ってくる。
「ダンテ!」
「エリ!どうした!?」
嬉しすぎて声のトーンが上がる。
やっぱりエリが頼ってくるのは俺なんだと胸が熱くなる。
ダンテはがたっと音を立てて椅子から立ち上がり、エリが腕を引っ張ってきた。
「…こっちこっち!来て」
連れ込まれたのはエリの部屋。
バージルが入って来ないようにドアにもたれるエリに、下心を隠しきれない。
エリ、やっと俺の気持ちに気づいてくれたんだな…。
「良かった…やっとダンテと2人になれた」
頬を染め上目遣いのエリ。
ダンテはその柔らかい手をそっと握った。
「俺も嬉しいぜ…エリ」
だが、熱い視線と手を払いのけ、エリは背伸びしてダンテの耳元に囁く。
「あのね、買い物ついて来て」
「…買い物?」
買い物だけなら、こんな2人っきりで艶っぽい雰囲気なんて出さず、バージルの前でも言えるはずなのでは。
ダンテは首を傾げた。
「シャルロット作ろうと思って」
「…それって」
「うん、バージルのために」
…だよな。
エリはこういうやつだ。
まぁ家族想いなところも好きなんだけど。
「せっかく3人揃ったんだから、お祝いしないと!」
バージルに内緒のサプライズパーティー。
あまり甘いものを食べないバージルも、特別な日のシャルロットだけは食べていた。
エリは輝く瞳で微笑む。
その顔も可愛くて、バージルに嫉妬もできず、買い物に同行することは決定した。
とりあえず、エリと2人になれるので役得といったところだろう。
「じゃあな、バージル」
「バージル、お留守番頼むね」
今度は前とは逆でエリを連れたダンテが、バージルに笑顔を見せつける。
彼の眉間には明らかなしわが刻まれた。
「どこへ行く?」
「えっ、スーパーだよ」
怒ってるのかなとエリは声を上擦らせて答えた。
でも、バージルの怒りの理由はわからず、おろおろしてしまう。
「大丈夫。すぐ戻ってくるぜ。お兄ちゃんは心配性だな」
ダンテはわざとらしくウインクし、エリの手を引っ張って外に出た。
「バージルなんで怒ってるんだろう…私何か悪いことしたかなぁ」
「気にすんなよ。エリは何もしてないぜ」
真剣に悩み始めるエリの手を握りながら、ダンテは先を歩いて行く。
自然と手を繋ぐ形になって、内心嬉しかった。
エリに言えばきっと恥ずかしがって振り解かれるから、黙っておく。
昔はよくこうやって手を繋いで歩いていたのにと懐かしく思って、まだ上の空のエリに視線を向け口角を上げる。
その時、道の段差につまづいたエリがバランスを崩した。
「わっ…」
「おっと」
ダンテはとっさに自分の方にエリの身体を引き寄せ、抱き留める。
「あぶねぇな。考え事してるからだ」
「ありがとうダンテ、…っ!」
至近距離で視線が合い、エリは顔を真っ赤にしてダンテの胸を押して離れた。
「ごめん!本当…ちゃんと気を付けて歩くね!」
目を合わせずに必死に笑って見せるエリ。
歩き方はぎこちない。
これは、ひょっとしたらひょっとするかも。
あの反応。
エリは俺を確実に男として見てる。
ダンテは内心小躍りしながら、早歩きでやり過ごそうとしているエリの後を追い掛けた。
「材料って何がいるんだ?」
スーパーにて。
買い物かごを持ったダンテがエリに尋ねる。
料理は勿論ケーキなんて食べるのが専門で、全くわからない。
「えっと…卵と薄力粉と、砂糖は買ってあるからいらないし…」
「エリに任せるぜ…俺はわからねぇ」
「あ、乗せるのはダンテの好きな苺にしようか」
「おっいいな」
エリが売り場を歩いていくのを、ダンテは横に並んで荷物持ちに徹した。
end.