Charlotte
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「看板?」
「そ。とうとう店名決まったぜ!」
3人でぎこちなく囲む朝食中、ダンテがにやりと笑ってエリに告げる。
今日、業者が事務所に看板を付けに来ると言う。
ここを借りてから、妹が越してきたり兄が世界の危機をもたらしたり、色々あったためかなり時間が経ったが、とうとう看板を掲げることができる。
エリも嬉しくなりながら、ダンテに店名を尋ねた。
「Devil May Cry」
それを聞いたエリは、自分の脳内ですぐ変換されたものを口にしてみる。
「悪魔も泣くことができる?」
その後に、しっかり2人の会話を聞いていたバージルも続く。
「悪魔でも泣くかもしれない」
最後にダンテが得意気に口を開く。
「悪魔も泣き出す」
それぞれ解釈に違いが出る店名も面白いなとエリは思った。
今までたくさんの悪魔と向き合って来たダンテが色々考えて付けた名前だし、ここには悪魔も泣き出すスパーダの息子が2人揃っている。
エリの左の椅子に座っていたバージルは、立ち上がって、食事の終わった皿を流しに運び始める。
「ふん、くだらんな」
「俺の店だから勝手にしていいだろ。誰かさんが魔界開いたおかげで、仕事増えそうだしな」
2人の掛け合いは相変わらずだ。
バージルはここの従業員ではないし、バージル自身がダンテの仕事をどう思っているかはわからない。
本心からくだらないと言っているのか、わざとダンテを馬鹿にした口振りをするのか。
そのままスポンジを手にしたバージルを見て、エリは口を開く。
「バージル、私が洗うからいいよ」
「いや、これくらいは俺がやる」
「そうだぜ、エリ。食っちゃ寝してるだけなんだから、それくらいやってもらわねぇとな」
ダンテがバージルの背中に視線をやりながら口角を上げると、泡の付いたスポンジが飛んできて頭に当たった。
「お前も大差ないだろう、ダンテ」
「てめぇ…っ」
「ちょ、ちょっと!」
さすがのエリもバージルの行動を止めに入ったが、彼は手が滑ったと言い訳にもならないようなことを言う。
その後結局、場を納めるためにエリが全ての食器を片付けることになった。
バージルは一緒にいるとすごく落ち着いて見えるのに、ダンテに対してだと偶に子どもみたいになる。
昔もそんな風だったかなと記憶を掘り返す。
2人揃って母親に怒られていることもあったし、今はちょっと喧嘩が多いだけで、いい傾向なのかもしれない。
エリは機嫌がよくなって、勢いに任せて洗濯や掃除と家事を続けた。
そしてお昼も過ぎた頃、玄関のドアを叩く音が響いた。
「はい」
看板の業者かと思い開いた先には、背が低くぽっちゃりした男性が立っていた。
彼はエリと顔を合わせるなり、何故か目を見開く。
「えっ!?ダンテは!?」
「エンツォ、お前か…」
やりとりを見ていたダンテがエリの横にやってきて、溜め息混じりに呟く。
なるほど、このひとがいつも話に聞いていたエンツォさんかとエリは納得する。
ダンテが嫌そうなのは、エンツォさんが来る=何か仕事を持ってきたということだから、だろうか。
前ダンテがエンツォさんの持ってくる仕事はろくでもないものばかりと言っていたのを思い出す。
「ダンテ!大変なんだよ…ってダンテが2人!?」
エンツォは事務所に一歩踏み込んでダンテに縋り付き、奥にいたバージルを見て叫ぶ。
「俺はダンテではない」
バージルはあからさまに嫌な顔をして否定した。
とりあえず、エンツォを事務所の中に引き入れて、エリとバージルについて簡単に説明する。
「しばらく会わないうちに賑やかになったんだな」
「まぁ一応めでたく一家全員揃ったな」
ダンテの横で、エリはにっこり笑ってみせた。
これからは兄妹3人お世話になるかもしれない。
挨拶もそこそこにエンツォが来た理由を尋ねれば、事務所の近くで悪魔が大量発生しているということだった。
詳しい場所を聞くと、どうやらテメンニグルが出現した跡地らしい。
あの事件から割とのんびりしていたし、運動不足にはちょうど良さそうだ。
ダンテが早々に準備を始めると、バージルも閻魔刀を持ち出した。
「俺も行く」
「えっバージルもかよ…!?」
「俺が行ったら何か支障があるのか」
「いや…ねぇけど」
まさか一緒に来るなんて意外過ぎた。
朝の話と同じで、絶対そんなことしないと思っていたのに。
「2人ともいってらっしゃい!気をつけてね」
笑顔の妹とまだ残っていたエンツォに留守を頼み、ダンテとバージルはお互い無言で出発した。
end.
「そ。とうとう店名決まったぜ!」
3人でぎこちなく囲む朝食中、ダンテがにやりと笑ってエリに告げる。
今日、業者が事務所に看板を付けに来ると言う。
ここを借りてから、妹が越してきたり兄が世界の危機をもたらしたり、色々あったためかなり時間が経ったが、とうとう看板を掲げることができる。
エリも嬉しくなりながら、ダンテに店名を尋ねた。
「Devil May Cry」
それを聞いたエリは、自分の脳内ですぐ変換されたものを口にしてみる。
「悪魔も泣くことができる?」
その後に、しっかり2人の会話を聞いていたバージルも続く。
「悪魔でも泣くかもしれない」
最後にダンテが得意気に口を開く。
「悪魔も泣き出す」
それぞれ解釈に違いが出る店名も面白いなとエリは思った。
今までたくさんの悪魔と向き合って来たダンテが色々考えて付けた名前だし、ここには悪魔も泣き出すスパーダの息子が2人揃っている。
エリの左の椅子に座っていたバージルは、立ち上がって、食事の終わった皿を流しに運び始める。
「ふん、くだらんな」
「俺の店だから勝手にしていいだろ。誰かさんが魔界開いたおかげで、仕事増えそうだしな」
2人の掛け合いは相変わらずだ。
バージルはここの従業員ではないし、バージル自身がダンテの仕事をどう思っているかはわからない。
本心からくだらないと言っているのか、わざとダンテを馬鹿にした口振りをするのか。
そのままスポンジを手にしたバージルを見て、エリは口を開く。
「バージル、私が洗うからいいよ」
「いや、これくらいは俺がやる」
「そうだぜ、エリ。食っちゃ寝してるだけなんだから、それくらいやってもらわねぇとな」
ダンテがバージルの背中に視線をやりながら口角を上げると、泡の付いたスポンジが飛んできて頭に当たった。
「お前も大差ないだろう、ダンテ」
「てめぇ…っ」
「ちょ、ちょっと!」
さすがのエリもバージルの行動を止めに入ったが、彼は手が滑ったと言い訳にもならないようなことを言う。
その後結局、場を納めるためにエリが全ての食器を片付けることになった。
バージルは一緒にいるとすごく落ち着いて見えるのに、ダンテに対してだと偶に子どもみたいになる。
昔もそんな風だったかなと記憶を掘り返す。
2人揃って母親に怒られていることもあったし、今はちょっと喧嘩が多いだけで、いい傾向なのかもしれない。
エリは機嫌がよくなって、勢いに任せて洗濯や掃除と家事を続けた。
そしてお昼も過ぎた頃、玄関のドアを叩く音が響いた。
「はい」
看板の業者かと思い開いた先には、背が低くぽっちゃりした男性が立っていた。
彼はエリと顔を合わせるなり、何故か目を見開く。
「えっ!?ダンテは!?」
「エンツォ、お前か…」
やりとりを見ていたダンテがエリの横にやってきて、溜め息混じりに呟く。
なるほど、このひとがいつも話に聞いていたエンツォさんかとエリは納得する。
ダンテが嫌そうなのは、エンツォさんが来る=何か仕事を持ってきたということだから、だろうか。
前ダンテがエンツォさんの持ってくる仕事はろくでもないものばかりと言っていたのを思い出す。
「ダンテ!大変なんだよ…ってダンテが2人!?」
エンツォは事務所に一歩踏み込んでダンテに縋り付き、奥にいたバージルを見て叫ぶ。
「俺はダンテではない」
バージルはあからさまに嫌な顔をして否定した。
とりあえず、エンツォを事務所の中に引き入れて、エリとバージルについて簡単に説明する。
「しばらく会わないうちに賑やかになったんだな」
「まぁ一応めでたく一家全員揃ったな」
ダンテの横で、エリはにっこり笑ってみせた。
これからは兄妹3人お世話になるかもしれない。
挨拶もそこそこにエンツォが来た理由を尋ねれば、事務所の近くで悪魔が大量発生しているということだった。
詳しい場所を聞くと、どうやらテメンニグルが出現した跡地らしい。
あの事件から割とのんびりしていたし、運動不足にはちょうど良さそうだ。
ダンテが早々に準備を始めると、バージルも閻魔刀を持ち出した。
「俺も行く」
「えっバージルもかよ…!?」
「俺が行ったら何か支障があるのか」
「いや…ねぇけど」
まさか一緒に来るなんて意外過ぎた。
朝の話と同じで、絶対そんなことしないと思っていたのに。
「2人ともいってらっしゃい!気をつけてね」
笑顔の妹とまだ残っていたエンツォに留守を頼み、ダンテとバージルはお互い無言で出発した。
end.