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四天×光

 ワイは遠山金太郎。小学6年生になった。
 近所の幼なじみの財前光は、中学生になった。
 光の部屋には新しい制服が掛けられてる。家が近くやからそこにしたって言うとった。

「なあなあ、光ぅ。耳に付けとんの何?」
「んー、ピアス」
「耳に穴開けたん?」
「まあな」

 中学生になってから髪の毛をツンツンにして。
 耳に穴開けて。
 ワイよりちょっと大人になった、光。
 あんまり笑わんくなった。髪の毛みたいにツンツンして。

「ワイもちゅーがっこう行きたいー」
「あと一年待ち」

 なんで同い年やないんやろう。
 光と一緒の制服着て、登校して、帰って、たこ焼き食べたいのに。

 それなのに、まるで知らん人間みたいになった。
 心がぽっかり空いた気がして、ズキズキした。
 なんかの病気なんやろうかって心配した。

「なんや最近ズキズキするんや」

 光のにーちゃんは、そんなワイをおもろそうに笑った。

「ズキズキの正体が解るとええな」

 頭を撫でられて、ニッコリ笑って、そう言った。
 それから、全然光は一緒におってくれなくて、めっちゃ寂しかった。
 光は優しいけど、素っ気ない。
 全部中学生になったからや。

 小学校から帰っても、ずっと寂しい。
 ズキズキが止まらへん、苦しくて、寂しい。
 
「光っ……、光がおらんと、痛いわぁ」


 光がおって欲しい、ワイの隣に一緒におって、笑って、たこ焼き食べて。

「金ちゃん?」

 放課後の公園。ワイは胸がズキズキして苦しくてうずくまって泣いてた。
 そこに同じく放課後の帰りの光が通りかかった。
 めっちゃ驚いた顔をしとる。

「何しとるん? お腹でも痛くなったん?」
「ひかるっ、ひかるぅぅう~」
「な、なに?」

 思いっきり抱きついて、絶対に放さないようにぎゅうぎゅうしがみついて泣いた。

「光がおらんと、ワイ、おかしなってしまう。何でワイと光同い年やないんやろう? 意地悪や、神様なんてイジワルや~!!」
「落ち着きなって、おかしなるって、金ちゃんはなんもおかしないやろ?」
「光がおらんとアカンねん、くっついてないと苦しゅうて胸が痛くて、ぎゅーってしたい」
「金ちゃん」

 目が合う、光の顔がめっちゃ近くにあって、そのままワイは光にチューをする。
 ビックリするくらい、光とチューをしたら、何もかもが解決すると思って、そのまま力づくてちゅーをしまくった。
 公園で何やってるんやろう、そう思われるかもしれん。
 光を倒して、上に乗ってチューを続けた。

 けど、どんと倒されて、光は立ち上がって、顔が真っ赤やった。
 光は唇を押さえて、顔を茹で蛸みたいに真っ赤にさせている。

「なに、しとんねん」
「チューしたら、苦しゅうなくなったもん、もっとチューしたいもん」
「アホかっ!! そ、そんなもんっ、好きな奴にしたらええやろ!!」
「光が好きや! チューしよ、もっとチュー仰山しよっ!!」
「アホかっ、金ちゃんの……アホっ」

 ボロボロ泣いてる光はめっちゃ可愛かった。
 ペロリと涙を舐める。

「しょっぱい」
「おまっ、ええ加減にせーよ」
「光と一緒に降りたい、ずっと一緒におる。絶対ワイ、光を追いかけるからな!!」
「勝手にせいっ」
 
 逃げるように走り去っていくのを呆然と眺めた。
 光とのチューはめっちゃ気持ち良かった。
 チューすれば解決すると思ったのに。
 逃げられて、また痛くなる。

「ワイ、光の事好きやもん」

 これが恋と気づくのはいつのことになるやろうか。
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