出会いと戦いの始まり
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第四次審査は本当に長かった。
闘技場での戦いで勝ち上がったのは幽助くんと桑原くんをふくむ4人。おばあちゃんは彼らを近くの霊的な力が強い湿地へつれていき、そこで準決勝と決勝がおこなわれた。
変化が起きたのは、準決勝の第二試合。
桑原くんと戦った少林という少年。最初は弱そうだったのに、次第に本性をあらわにした。そう、彼が乱童だった。
最終的に乱童は桑原くんに身体を小さくする呪いをかけ、両腕の骨を粉々にしてしまった。
乱童が誰かわかった時点で、あたしはおばあちゃんに試合をやめるように言ったが聞き入れてはもらえず、桑原くんの手当てをするようにいわれた。
実際、桑原くんはすぐに手当てしないと危険な状況だったので、あたしは霊波動で彼の骨をくっつけながら、決勝戦を見守るしかなかった。
だけど、決勝戦、幽助くんはしぶとかった。
次々に技を繰り出す乱童に対して身体をボロボロにしながら対抗した。
そして……最終的には、勝機は彼に訪れた。
乱童が桑原くん同様に彼の身体を小さくしようとしたところ、誤ってその呪いを自分にかけてしまったのだ。すでに限界寸前だった幽助くんは、乱童の真上に倒れこんで、彼をノックアウトさせた。
幽助くんと乱童と力の差は拮抗していた。けれど、幽助くんのほうが勝利への執念が強かったのだと思う。
彼の戦いは衝撃だった。
ここまで勝利をあきらめず戦う人間がいるなんて。
しかも、妖怪相手に。
✳︎
『はい、これ』
寺の一室で幽助くんに、胴着と浴衣を渡す。
試合に勝利した幽助くんに、おばあちゃんは奥義を継承することを決めた。そして、霊光波動拳をマスターするため、彼はしばらくうちの寺に泊まりこむことになった。
「サンキュ、すまねえなあ。傷の手当までしてもらっちまって』
「気にしないで。霊光波動拳は、本来そういう使い方をするべき術だから」
恐縮する幽助くんに、あたしは笑顔で返す。
修行のためにここに泊まれといわれた時は、冗談じゃねえと抵抗した幽助くんだったけど、おばあちゃんが、まったく折れないので、ようやくあきらめたらしく、今は寺でくつろいでいる。
お風呂に入ってリーゼントがとれた幽助くんは、ごく普通の中学生の男の子に見える。妖怪乱童と激しい戦いを繰り広げたなんてとても思えない。
「それより、明日から大変だと思う。察しはつくと思うけど、おばあちゃんは基本容赦ってことを知らないから…まあ、覚悟しといてね」
「ああ、こうなったらもう乗りかかった船だ。ばあさんの奥義を継承するためにやってやらあ」
幽助くんは、にかっと笑ってみせた。
あたしは、「じゃ、明日からがんばってね」と言い残して、部屋をあとにした。
たぶん、修業が始まったら、あんな風に笑ってられないだろうな。おばあちゃんは人にも妖怪にも容赦ないから…
ま、彼の修行にはあたしもできるだけ協力しよう。大事な後継者だもんね。
幽助くんをフォローすると心に決めてその日、あたしは寝床についた。
次の日、その思いがまったくもってけちらされるとは夢にも思わずに…
闘技場での戦いで勝ち上がったのは幽助くんと桑原くんをふくむ4人。おばあちゃんは彼らを近くの霊的な力が強い湿地へつれていき、そこで準決勝と決勝がおこなわれた。
変化が起きたのは、準決勝の第二試合。
桑原くんと戦った少林という少年。最初は弱そうだったのに、次第に本性をあらわにした。そう、彼が乱童だった。
最終的に乱童は桑原くんに身体を小さくする呪いをかけ、両腕の骨を粉々にしてしまった。
乱童が誰かわかった時点で、あたしはおばあちゃんに試合をやめるように言ったが聞き入れてはもらえず、桑原くんの手当てをするようにいわれた。
実際、桑原くんはすぐに手当てしないと危険な状況だったので、あたしは霊波動で彼の骨をくっつけながら、決勝戦を見守るしかなかった。
だけど、決勝戦、幽助くんはしぶとかった。
次々に技を繰り出す乱童に対して身体をボロボロにしながら対抗した。
そして……最終的には、勝機は彼に訪れた。
乱童が桑原くん同様に彼の身体を小さくしようとしたところ、誤ってその呪いを自分にかけてしまったのだ。すでに限界寸前だった幽助くんは、乱童の真上に倒れこんで、彼をノックアウトさせた。
幽助くんと乱童と力の差は拮抗していた。けれど、幽助くんのほうが勝利への執念が強かったのだと思う。
彼の戦いは衝撃だった。
ここまで勝利をあきらめず戦う人間がいるなんて。
しかも、妖怪相手に。
✳︎
『はい、これ』
寺の一室で幽助くんに、胴着と浴衣を渡す。
試合に勝利した幽助くんに、おばあちゃんは奥義を継承することを決めた。そして、霊光波動拳をマスターするため、彼はしばらくうちの寺に泊まりこむことになった。
「サンキュ、すまねえなあ。傷の手当までしてもらっちまって』
「気にしないで。霊光波動拳は、本来そういう使い方をするべき術だから」
恐縮する幽助くんに、あたしは笑顔で返す。
修行のためにここに泊まれといわれた時は、冗談じゃねえと抵抗した幽助くんだったけど、おばあちゃんが、まったく折れないので、ようやくあきらめたらしく、今は寺でくつろいでいる。
お風呂に入ってリーゼントがとれた幽助くんは、ごく普通の中学生の男の子に見える。妖怪乱童と激しい戦いを繰り広げたなんてとても思えない。
「それより、明日から大変だと思う。察しはつくと思うけど、おばあちゃんは基本容赦ってことを知らないから…まあ、覚悟しといてね」
「ああ、こうなったらもう乗りかかった船だ。ばあさんの奥義を継承するためにやってやらあ」
幽助くんは、にかっと笑ってみせた。
あたしは、「じゃ、明日からがんばってね」と言い残して、部屋をあとにした。
たぶん、修業が始まったら、あんな風に笑ってられないだろうな。おばあちゃんは人にも妖怪にも容赦ないから…
ま、彼の修行にはあたしもできるだけ協力しよう。大事な後継者だもんね。
幽助くんをフォローすると心に決めてその日、あたしは寝床についた。
次の日、その思いがまったくもってけちらされるとは夢にも思わずに…