出会いと戦いの始まり
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後継者試験は、思っていたよりも長期戦になった。
くじ引きのあとは、ゲーム。おばあちゃんのゲームコレクションを使って、霊力の高さを競う。
第三次審査は、寺を離れたところにある魔性の森を走り抜けるレース。
その間、人使いの荒いおばあちゃんは、あたしにゲームマシーンを運ばせたり、後片付けさせたり、みんなの誘導役をさせたり、容赦なくこきつかった。
三次審査で1位になったのが、桑原和真くんというやはりリーゼントの男の子。
彼は、幽助くんの不良仲間らしい。幽助くんが紹介してくれたんだけど、挨拶したらいきなり手を握られてデートを申しこんできたので、ちょっとびっくりしたけど、丁重にお断りした。
幽助くんは、三次審査では、森をまっすぐに突っ切るという無謀な手段に出て、周りに遅れをとったものの途中にいたコウモリ使いを蹴散らして、たどりついてきた。
コウモリ使いはそれなりの使い手なのに…やっぱり、彼はただ者じゃない。
そして、第四次審査からは、ついに実戦になった。
残った8人が、普段、おばあちゃんとあたしが修業に使っている闘技場で一人になるまで戦うことになった。
おばあちゃんは、ぼちぼちあたしは帰ってもいいいと言ったのだけど、あたしはそのまま残ることにした。
一つは仲よくなった幽助くんと桑原くんが気がかりだったこと。
もう一つは…何か無性に嫌な気配を感じていたからだ。
森から闘技場に向かうときに気が付いた。まるで獲物を突け狙う猛獣ににらまれているような、そんな気配。
たぶん、よからぬ妖怪がこの中に潜んでいるのかもしれない…
そんな気がして、あたしは試験を今しばらく見守ることにした。
試合が始まったが、真っ暗な中での戦いで、候補者たちが何をしているかわからない。
暗闇の中から勝者が戻ってくるのを待つしかない…
と、振り返ると、幽助くんと桑原くんがいなくなっていた。
「どうしたんだろう。もうすぐ試合なのに…」
闘技場を出て二人がいないか周りを見渡すと、聞こえてきた声は…
「あの中の一人に乱童っていうおそろしい妖怪が化けているらしい。そいつの手にあのばあさんの奥義が渡らないようにするのが、俺の仕事だ」
そう言っていたのは幽助くん。そばに桑原くんと、髪をポニーテールにした女の子がいた。
「いま、なんて言った?」
あたしは思わず大声を出して詰め寄った。
「聞かれちまったか」と幽助くん。あたしは、女の子の方を見た。
「あなた…人間じゃないわね。霊界の気配がする」
「さすが幻海師範のお弟子さんだね。あたしは霊界案内人のぼたん」
ぼたんと名乗った彼女は、屈託のない微笑みを見せる。
「ずっと嫌な気配がしてたけど…霊界が介入してくるってことは、おばあちゃんを狙っている妖怪は相当たちが悪い奴だってことね」
「あたり。奥義破りを専門にしている、今まで99人の奥義を奪い取ってきた好戦妖怪さ」
ぼたんの話を聞いて、ため息をつくしかなかった。
「おばあちゃん、だから試験なんて反対したのに…」
「まあ、そう心配するなよ。乱童を阻止するために俺が来てるんだ。ばあさんの奥義を悪い奴らに好きにはさせねえから」
幽助くんが、あたしの肩を叩く。気持ちはうれしかったけれど、不安はぬぐえない。
「おまえら、試合を放棄するつもりか! 失格でよければそこにいろ」
見ると、闘技場の前でおばあちゃんが怒った顔で立っていた。
幽助くんたちは、そりゃねえぜと声を上げながら、闘技場に戻っていった。
あたしも後ろからそれを追う。
正直、妖怪と戦うことは考えたくなかった。でも、おばあちゃんの奥義を悪い妖怪に渡すわけにはいかない。
何かあったら、戦うしかない。そう言い聞かせてあたしは闘技場の中に再び入った。
くじ引きのあとは、ゲーム。おばあちゃんのゲームコレクションを使って、霊力の高さを競う。
第三次審査は、寺を離れたところにある魔性の森を走り抜けるレース。
その間、人使いの荒いおばあちゃんは、あたしにゲームマシーンを運ばせたり、後片付けさせたり、みんなの誘導役をさせたり、容赦なくこきつかった。
三次審査で1位になったのが、桑原和真くんというやはりリーゼントの男の子。
彼は、幽助くんの不良仲間らしい。幽助くんが紹介してくれたんだけど、挨拶したらいきなり手を握られてデートを申しこんできたので、ちょっとびっくりしたけど、丁重にお断りした。
幽助くんは、三次審査では、森をまっすぐに突っ切るという無謀な手段に出て、周りに遅れをとったものの途中にいたコウモリ使いを蹴散らして、たどりついてきた。
コウモリ使いはそれなりの使い手なのに…やっぱり、彼はただ者じゃない。
そして、第四次審査からは、ついに実戦になった。
残った8人が、普段、おばあちゃんとあたしが修業に使っている闘技場で一人になるまで戦うことになった。
おばあちゃんは、ぼちぼちあたしは帰ってもいいいと言ったのだけど、あたしはそのまま残ることにした。
一つは仲よくなった幽助くんと桑原くんが気がかりだったこと。
もう一つは…何か無性に嫌な気配を感じていたからだ。
森から闘技場に向かうときに気が付いた。まるで獲物を突け狙う猛獣ににらまれているような、そんな気配。
たぶん、よからぬ妖怪がこの中に潜んでいるのかもしれない…
そんな気がして、あたしは試験を今しばらく見守ることにした。
試合が始まったが、真っ暗な中での戦いで、候補者たちが何をしているかわからない。
暗闇の中から勝者が戻ってくるのを待つしかない…
と、振り返ると、幽助くんと桑原くんがいなくなっていた。
「どうしたんだろう。もうすぐ試合なのに…」
闘技場を出て二人がいないか周りを見渡すと、聞こえてきた声は…
「あの中の一人に乱童っていうおそろしい妖怪が化けているらしい。そいつの手にあのばあさんの奥義が渡らないようにするのが、俺の仕事だ」
そう言っていたのは幽助くん。そばに桑原くんと、髪をポニーテールにした女の子がいた。
「いま、なんて言った?」
あたしは思わず大声を出して詰め寄った。
「聞かれちまったか」と幽助くん。あたしは、女の子の方を見た。
「あなた…人間じゃないわね。霊界の気配がする」
「さすが幻海師範のお弟子さんだね。あたしは霊界案内人のぼたん」
ぼたんと名乗った彼女は、屈託のない微笑みを見せる。
「ずっと嫌な気配がしてたけど…霊界が介入してくるってことは、おばあちゃんを狙っている妖怪は相当たちが悪い奴だってことね」
「あたり。奥義破りを専門にしている、今まで99人の奥義を奪い取ってきた好戦妖怪さ」
ぼたんの話を聞いて、ため息をつくしかなかった。
「おばあちゃん、だから試験なんて反対したのに…」
「まあ、そう心配するなよ。乱童を阻止するために俺が来てるんだ。ばあさんの奥義を悪い奴らに好きにはさせねえから」
幽助くんが、あたしの肩を叩く。気持ちはうれしかったけれど、不安はぬぐえない。
「おまえら、試合を放棄するつもりか! 失格でよければそこにいろ」
見ると、闘技場の前でおばあちゃんが怒った顔で立っていた。
幽助くんたちは、そりゃねえぜと声を上げながら、闘技場に戻っていった。
あたしも後ろからそれを追う。
正直、妖怪と戦うことは考えたくなかった。でも、おばあちゃんの奥義を悪い妖怪に渡すわけにはいかない。
何かあったら、戦うしかない。そう言い聞かせてあたしは闘技場の中に再び入った。