出会いと戦いの始まり
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ついに、日曜日。後継者試験の当日が来てしまった。
「う、うわ…なんなのよ、この人たち」
家の前にわんさか集まった屈強な男たちを見て、道着に着替えたあたしは、ただただあいた口がふさがらない。
霊光波動拳ってこんなに魅力的なの?
「かえで、あんたには審査が進んだら手伝ってもらうからね。とりあえず、身体動かしてあたためときな」
そう言って、おばあちゃんは、男たちの相手をするために出て行った。
あたしはとりあえず、家の中で準備運動をしながら、様子をうかがうことにした。
おばあちゃんは人間界では五本の指に入る霊能力者だ。悪質な妖怪が紛れ込んで襲ってきたとしても、そうそう簡単にやられることはない。
ただ、妖怪の中には狡猾な輩もいる。弱そうな姿に変装して油断させて近づいてくるような奴がいないともかぎらない。
いざとなったら、おばあちゃんの助太刀ができるようにと、あたしは臨戦態勢で、家の奥から試験を伺った。
最初の試験はくじ引き。
おばあちゃんにおしつけられて、あたしが散々夜なべして作ったあのくじである。
ただ、これはおばあちゃんが作った特殊な紙。一定以上の霊力を持った者が触れると色が変わる紙だ。
ところがくじの色が変わらなかった者たちが失格と知ったとき、何人かが怒り出した。
『おのれ、ババア、許さん!』
怒った男がおばあちゃんにつかみかかろうとした。
思わず、あたしは部屋から飛び出し…
『だめー!』
気がついたら、霊波動を打っていて、男たちは、遠くにすっとんでいた。
『触れてさえいないのに!』
『あの巨体が吹っ飛ばされた!?』
候補者たちがあっけにとられている。
あちゃー…まずいことをしたかな。
と、そのとき、後ろからスコーンとおばあちゃんに殴られた。
『このバカ、なに余計なことしてるんだよ。あんな奴ら、あたしが一睨みすりゃけちらせたのにさ』
『ごめんなさいー、おばあちゃんが心配でつい…』
『ふん、しょうがないね。じゃ、次の試験だ。ぼさっとしてないで、とっととついてきな』
おばあちゃんは歩き出し、他のみんなもゾロゾロついていくので、あたしもあとを追う。
『よっ、すげえなあ、あんた。今のが霊光波動拳か?』
いきなり後ろから、声をかけられた。振り返るとリーゼント頭の男の子。中学生くらいだろうか。
『う、うん…本当に基礎の基礎の波動拳だけど』
『かーっ、基礎であのでかいやつらに触れもせずのしちまうたあ、すごい技なんだな』
見た目はどう見ても不良なのに、笑顔が人懐こい彼に、あたしは不思議と親しみやすさを感じた。
『俺は浦飯幽助。あんた、あのばあさんの弟子か?』
『まあ…そんなとこ。あなたもおばあちゃんの奥義を継承したくて来たの?』
『いや、ちょいとワケありでここに来たんだが…霊光波動拳、あんたのアレ見たら、俺もマジで欲しくなってきたぜ』
そう言いながら彼の目つきが変わった。
笑っているけれど、眼光は鋭い。獲物を狙うかのような好戦的な光が宿り、一気に彼の霊力が高まったのを感じた。
浦飯幽助。ただ者じゃないかも…
「う、うわ…なんなのよ、この人たち」
家の前にわんさか集まった屈強な男たちを見て、道着に着替えたあたしは、ただただあいた口がふさがらない。
霊光波動拳ってこんなに魅力的なの?
「かえで、あんたには審査が進んだら手伝ってもらうからね。とりあえず、身体動かしてあたためときな」
そう言って、おばあちゃんは、男たちの相手をするために出て行った。
あたしはとりあえず、家の中で準備運動をしながら、様子をうかがうことにした。
おばあちゃんは人間界では五本の指に入る霊能力者だ。悪質な妖怪が紛れ込んで襲ってきたとしても、そうそう簡単にやられることはない。
ただ、妖怪の中には狡猾な輩もいる。弱そうな姿に変装して油断させて近づいてくるような奴がいないともかぎらない。
いざとなったら、おばあちゃんの助太刀ができるようにと、あたしは臨戦態勢で、家の奥から試験を伺った。
最初の試験はくじ引き。
おばあちゃんにおしつけられて、あたしが散々夜なべして作ったあのくじである。
ただ、これはおばあちゃんが作った特殊な紙。一定以上の霊力を持った者が触れると色が変わる紙だ。
ところがくじの色が変わらなかった者たちが失格と知ったとき、何人かが怒り出した。
『おのれ、ババア、許さん!』
怒った男がおばあちゃんにつかみかかろうとした。
思わず、あたしは部屋から飛び出し…
『だめー!』
気がついたら、霊波動を打っていて、男たちは、遠くにすっとんでいた。
『触れてさえいないのに!』
『あの巨体が吹っ飛ばされた!?』
候補者たちがあっけにとられている。
あちゃー…まずいことをしたかな。
と、そのとき、後ろからスコーンとおばあちゃんに殴られた。
『このバカ、なに余計なことしてるんだよ。あんな奴ら、あたしが一睨みすりゃけちらせたのにさ』
『ごめんなさいー、おばあちゃんが心配でつい…』
『ふん、しょうがないね。じゃ、次の試験だ。ぼさっとしてないで、とっととついてきな』
おばあちゃんは歩き出し、他のみんなもゾロゾロついていくので、あたしもあとを追う。
『よっ、すげえなあ、あんた。今のが霊光波動拳か?』
いきなり後ろから、声をかけられた。振り返るとリーゼント頭の男の子。中学生くらいだろうか。
『う、うん…本当に基礎の基礎の波動拳だけど』
『かーっ、基礎であのでかいやつらに触れもせずのしちまうたあ、すごい技なんだな』
見た目はどう見ても不良なのに、笑顔が人懐こい彼に、あたしは不思議と親しみやすさを感じた。
『俺は浦飯幽助。あんた、あのばあさんの弟子か?』
『まあ…そんなとこ。あなたもおばあちゃんの奥義を継承したくて来たの?』
『いや、ちょいとワケありでここに来たんだが…霊光波動拳、あんたのアレ見たら、俺もマジで欲しくなってきたぜ』
そう言いながら彼の目つきが変わった。
笑っているけれど、眼光は鋭い。獲物を狙うかのような好戦的な光が宿り、一気に彼の霊力が高まったのを感じた。
浦飯幽助。ただ者じゃないかも…