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その夜の移動中のことは、正直あまり覚えていない。
覚えているのは、あたしを抱きかかえた蔵馬が妖怪のスピードで移動していたこと。
落ちないよう必死で蔵馬の身体にしがみついていたこと。
お姫様抱っこをされているのが恥ずかしくて、蔵馬の顔をまともに見れなかったこと。
移動中、ときおり蔵馬は話しかけてきたけれど、ドキドキしっぱなしで頭がまわらず、空返事ばかり繰り返していた。
✳︎
ようやくマンションの前までたどりつき、蔵馬はあたしを下ろす。
『つかまってるのも、結構大変だったでしょう。お疲れ様』
『ううん、ありがとう。送ってくれて』
まだ、気持ちがふわふわしていたけれど、なんとか蔵馬にお礼を伝える。
すると、蔵馬があたしに一歩近づいてきた。
蔵馬は、あたしの頭に手をのせた。
『わかってると思うけど、明日からは、これまでより厳しい修行になる』
『覚悟はしてる』
『でも、君のことを必ず強くするよ。それに…守るから』
蔵馬は、あたしの頭を優しくなでて、そのあと、『おやすみ』と言って、去っていった。
蔵馬がいなくなったあと、マンションの自室に戻って、あたしはベッドに寝転がる。
なんだか、今日はいろいろなことがあったなあ。
蔵馬と買い物して、蔵馬に髪の色が変わった姿を見られて、蔵馬と料理してごはん食べて、そして、お姫様だっこでここまで来て。
気がつくと浮かんでくるのは蔵馬のことばかりで、あたしは一人で赤くなってしまった。
『もう…寝よ。明日も修行だし』
この日の蔵馬との触れ合いでいささか有頂天気味だったあたしは、蔵馬が残した言葉のことはさほど気にしていなかった。
『守るから』
蔵馬のこの言葉の意味をあたしが知るのは、このときからだいぶ時間がたってからのことだった。
覚えているのは、あたしを抱きかかえた蔵馬が妖怪のスピードで移動していたこと。
落ちないよう必死で蔵馬の身体にしがみついていたこと。
お姫様抱っこをされているのが恥ずかしくて、蔵馬の顔をまともに見れなかったこと。
移動中、ときおり蔵馬は話しかけてきたけれど、ドキドキしっぱなしで頭がまわらず、空返事ばかり繰り返していた。
✳︎
ようやくマンションの前までたどりつき、蔵馬はあたしを下ろす。
『つかまってるのも、結構大変だったでしょう。お疲れ様』
『ううん、ありがとう。送ってくれて』
まだ、気持ちがふわふわしていたけれど、なんとか蔵馬にお礼を伝える。
すると、蔵馬があたしに一歩近づいてきた。
蔵馬は、あたしの頭に手をのせた。
『わかってると思うけど、明日からは、これまでより厳しい修行になる』
『覚悟はしてる』
『でも、君のことを必ず強くするよ。それに…守るから』
蔵馬は、あたしの頭を優しくなでて、そのあと、『おやすみ』と言って、去っていった。
蔵馬がいなくなったあと、マンションの自室に戻って、あたしはベッドに寝転がる。
なんだか、今日はいろいろなことがあったなあ。
蔵馬と買い物して、蔵馬に髪の色が変わった姿を見られて、蔵馬と料理してごはん食べて、そして、お姫様だっこでここまで来て。
気がつくと浮かんでくるのは蔵馬のことばかりで、あたしは一人で赤くなってしまった。
『もう…寝よ。明日も修行だし』
この日の蔵馬との触れ合いでいささか有頂天気味だったあたしは、蔵馬が残した言葉のことはさほど気にしていなかった。
『守るから』
蔵馬のこの言葉の意味をあたしが知るのは、このときからだいぶ時間がたってからのことだった。