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幽助くんは相当疲れていたみたいで、食事のあとそのまま、ちゃぶ台のそばで寝てしまった。
蔵馬が幽助くんを部屋まで運んでくれてわその間にあたしは後片付けをして、ようやく帰ることになった。
おばあちゃんの『強くなるまで帰ってくんじゃないよ』というセリフに見送られながら、あたしと蔵馬は寺をあとにした。
『今日はありがとう。ごめんね、遅くなっちゃって』
『楽しかったですよ。かえでの手料理も食べれたしね』
蔵馬は相変わらず優しい笑顔で、こちらが恥ずかしくなることを言う。
『しかし、本当に遅くなって、バスはもう走ってませんよね』
『うん、だから…』
あたしが言いかけると、蔵馬は納得した顔になった。
『そうか。妖力を使って帰るしかないか』
あたしは、うなづいた。
実のところ、この人里離れた寺から街へ出るのは難儀なことで、街へ出るためにあたしは常日頃から妖力を使って移動していた。寺と学校の登下校などは、そうしないともはや無理だったからだ。
『妖力を解放すれば、常人の何倍ものスピードで移動できる。それはあなたもできるでしょ?
だから、おのおの自分のペースで走って帰れば…』
『いや、それはよくない』
蔵馬が首を振った。
『でも、それしか帰る方法は…』
『女性を夜中に一人で帰らせるわけにはいかない。俺が君を送る』
そういって蔵馬はあたしに近づいてきた。
『えーーっ!』
次の瞬間、あたしは大声をあげる。
だって、蔵馬に抱きかかえられていたから。
しかも…世に言う『お姫様抱っこ』の体制で。
慌てふためくあたしに、蔵馬はにっこり微笑んだ。
『しっかり俺につかまってて。ちゃんとうちまで送りますから』
蔵馬が幽助くんを部屋まで運んでくれてわその間にあたしは後片付けをして、ようやく帰ることになった。
おばあちゃんの『強くなるまで帰ってくんじゃないよ』というセリフに見送られながら、あたしと蔵馬は寺をあとにした。
『今日はありがとう。ごめんね、遅くなっちゃって』
『楽しかったですよ。かえでの手料理も食べれたしね』
蔵馬は相変わらず優しい笑顔で、こちらが恥ずかしくなることを言う。
『しかし、本当に遅くなって、バスはもう走ってませんよね』
『うん、だから…』
あたしが言いかけると、蔵馬は納得した顔になった。
『そうか。妖力を使って帰るしかないか』
あたしは、うなづいた。
実のところ、この人里離れた寺から街へ出るのは難儀なことで、街へ出るためにあたしは常日頃から妖力を使って移動していた。寺と学校の登下校などは、そうしないともはや無理だったからだ。
『妖力を解放すれば、常人の何倍ものスピードで移動できる。それはあなたもできるでしょ?
だから、おのおの自分のペースで走って帰れば…』
『いや、それはよくない』
蔵馬が首を振った。
『でも、それしか帰る方法は…』
『女性を夜中に一人で帰らせるわけにはいかない。俺が君を送る』
そういって蔵馬はあたしに近づいてきた。
『えーーっ!』
次の瞬間、あたしは大声をあげる。
だって、蔵馬に抱きかかえられていたから。
しかも…世に言う『お姫様抱っこ』の体制で。
慌てふためくあたしに、蔵馬はにっこり微笑んだ。
『しっかり俺につかまってて。ちゃんとうちまで送りますから』