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夕食の後、おばあちゃんに呼ばれて、あたしと蔵馬は庭に出た。
『おばあちゃん、話って何?』
あたしが聞くと、背を向けていたおばあちゃんが振り返り、蔵馬のほうを見た。
『蔵馬、単刀直入に聞く。この一週間稽古の相手したならわかるだろう。今のかえでの強さで妖怪に太刀打ちできるか?』
おばあちゃんの突然の質問にまず蔵馬は驚いた顔をしたけど、すぐに落ち着いて話しだした。
『そうですね。さすが幻海師範のお弟子さんで、基礎体力や格闘能力はかなりのものです。霊光波動拳も使えるので、妖怪相手でも、弱い相手なら問題なく蹴散らせるでしょう。ただ…』
蔵馬は、一度口ごもって、あたしの方を見て、そして、改めて話しだした。
『本当に強い妖怪も中にはいる。そうした奴ら相手に、今のままではたぶん戦えない』
『それは…あたしが半妖だから?妖怪の力が薄いから?』
『違う』
恐る恐る聞いたあたしの問いかけを蔵馬ははっきり否定する。
『君の父親の妖怪はおそらくかなりの使い手だったんだろう。君は半妖のわりに潜在的な妖力はかなり高い。ただ…』
『ただ…?』
『妖力を戦いに生かしきれていない。それは、君が戦いを拒んでいるから』
痛いところをつかれて、あたしは黙るしかなかった。
『この一週間で、君が何度か妖力を使うときがあった。ただ、ほとんど結界や防御壁だったね。実際、きみは防御の術の見事な使い手だから、妖怪と対峙したとき簡単にやられることはまずないだろう。
けれど、それだけだと、本当に強いやつと会ったとき、勝つことはできない。そして…』
蔵馬は、ここでまたしばしためらったけど、言葉を続けた。
『いずれ、やられてしまう』
✳︎
『わかったかい』
何も言えずにいるあたしを見て、おばあちゃんが話しだす。
『あんたは、戦うときに無意識に相手を傷つけるのをこわがって、できるだけ戦わないですむように防御の技に固執しすぎてる。それは、自分でも重々わかってるだろう』
あたしは、だまるしかなかった。
するとおばあちゃんが近付いてきた。
『自分から好き好んで戦いを仕掛けるこたない。だけど、とっさのとき、守るか攻撃するかの判断をあやまると、それが命とりになる、正しい選択をできるようになるには攻撃力も正しく使う。それができるようにならなきゃいけないんだ。わかるな』
うつむきながら、あたしはうなずいた。
おばあちゃんは、蔵馬のほうに向きなおった。
『蔵馬。あたしはまだ幽助のやつをなんとかしないといけないので、引き続きこいつの訓練を頼みたい』
『わかりました』
おばあちゃんの言葉に蔵馬がうなずく
『そして、明日からは、妖力で戦う訓練を徹底的にやっとくれ。容赦はしなくていい』
『おばあちゃん、なにそれ…』
『甘ったれんじゃないよ。だいたいあんたが甘いから、本物の妖怪に頼み込んでまで鍛えざるをえなかったんだ。文句があるなら、とっとと本気をだして強くなりな』
『……はい』
観念してあたしがうなずくと、おばあちゃんは、母屋へ向かって歩き出し、振り向かずに言った。
『わかったら今日はもう遅いから、そろそろ帰りな』
『おばあちゃん、話って何?』
あたしが聞くと、背を向けていたおばあちゃんが振り返り、蔵馬のほうを見た。
『蔵馬、単刀直入に聞く。この一週間稽古の相手したならわかるだろう。今のかえでの強さで妖怪に太刀打ちできるか?』
おばあちゃんの突然の質問にまず蔵馬は驚いた顔をしたけど、すぐに落ち着いて話しだした。
『そうですね。さすが幻海師範のお弟子さんで、基礎体力や格闘能力はかなりのものです。霊光波動拳も使えるので、妖怪相手でも、弱い相手なら問題なく蹴散らせるでしょう。ただ…』
蔵馬は、一度口ごもって、あたしの方を見て、そして、改めて話しだした。
『本当に強い妖怪も中にはいる。そうした奴ら相手に、今のままではたぶん戦えない』
『それは…あたしが半妖だから?妖怪の力が薄いから?』
『違う』
恐る恐る聞いたあたしの問いかけを蔵馬ははっきり否定する。
『君の父親の妖怪はおそらくかなりの使い手だったんだろう。君は半妖のわりに潜在的な妖力はかなり高い。ただ…』
『ただ…?』
『妖力を戦いに生かしきれていない。それは、君が戦いを拒んでいるから』
痛いところをつかれて、あたしは黙るしかなかった。
『この一週間で、君が何度か妖力を使うときがあった。ただ、ほとんど結界や防御壁だったね。実際、きみは防御の術の見事な使い手だから、妖怪と対峙したとき簡単にやられることはまずないだろう。
けれど、それだけだと、本当に強いやつと会ったとき、勝つことはできない。そして…』
蔵馬は、ここでまたしばしためらったけど、言葉を続けた。
『いずれ、やられてしまう』
✳︎
『わかったかい』
何も言えずにいるあたしを見て、おばあちゃんが話しだす。
『あんたは、戦うときに無意識に相手を傷つけるのをこわがって、できるだけ戦わないですむように防御の技に固執しすぎてる。それは、自分でも重々わかってるだろう』
あたしは、だまるしかなかった。
するとおばあちゃんが近付いてきた。
『自分から好き好んで戦いを仕掛けるこたない。だけど、とっさのとき、守るか攻撃するかの判断をあやまると、それが命とりになる、正しい選択をできるようになるには攻撃力も正しく使う。それができるようにならなきゃいけないんだ。わかるな』
うつむきながら、あたしはうなずいた。
おばあちゃんは、蔵馬のほうに向きなおった。
『蔵馬。あたしはまだ幽助のやつをなんとかしないといけないので、引き続きこいつの訓練を頼みたい』
『わかりました』
おばあちゃんの言葉に蔵馬がうなずく
『そして、明日からは、妖力で戦う訓練を徹底的にやっとくれ。容赦はしなくていい』
『おばあちゃん、なにそれ…』
『甘ったれんじゃないよ。だいたいあんたが甘いから、本物の妖怪に頼み込んでまで鍛えざるをえなかったんだ。文句があるなら、とっとと本気をだして強くなりな』
『……はい』
観念してあたしがうなずくと、おばあちゃんは、母屋へ向かって歩き出し、振り向かずに言った。
『わかったら今日はもう遅いから、そろそろ帰りな』