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蔵馬とつれだって、スーパーに来た。
お肉のコーナーで、すき焼き用のお肉を見つけたあたしは多めに手にとった。
『こんなに買うの?』
蔵馬は驚いている。
『幽助くん、たぶん相当へばっていると思うから、すき焼きで体力つけてもらおうと思って。それにお客様もいるし』
『お客様って、もしかして俺のこと?』
『そう。すき焼きたくさん用意するから、ぜひ食べていって』
あたしがそう言うと、蔵馬は一瞬戸惑った顔をしたけど、すぐ『それじゃ、遠慮なく』と笑顔になった。
お肉に続いて、野菜や卵も買い込んで、あたしたちはスーパーをあとにした。
『うーん、買いすぎちゃったかも』
おばあちゃんと幽助くんに、どっさり食べさせようとはりきったけど、自分で買った買い物袋の重さに、さすがに唸ってしまった。
すると、蔵馬があたしの持つ袋をさっと取り上げた。
『持ちますよ』
そんな、とあたしが言うのも聞かず、蔵馬はそのまま歩きだしていく。
ほんと、つくづく紳士だなあと思いながら、あたしは彼のあとをおいかけた。
✳︎
蔵馬に荷物を持ってもらい、街からバスを乗り継いで、ようやく寺についた。
『ここが幻海師範の道場なんですね』
感心したようにあちこちを見る蔵馬。
あたしは、道場の方が気になっていた。おばあちゃんと幽助くんは、おそらくそっちだろう。
『幽助くん、死にかけてないといいけど…』
すこしひやひやしながら、あたしたちは道場のへ向かい、入ろうとすると…
『ちくしょう!もう一回だ、ばあさん!』
いきなり、威勢のいい声がして、驚いてしまった。
恐々しながら、道場に入ると、おばあちゃんと幽助くんがにらみあってる。
胴着姿の幽助くんは、かなり傷だらけで、ここまで相当しごかれたのがうかがえた。
ボロボロになった幽助くんに対して、おばあちゃんはわりと涼しい顔をしていたが、そのときおばあちゃんがあたしたちに気づいた。
『なんだ、かえで。帰ってきたのか。しかも、男連れで、そいつは彼氏か』
『だっ、彼氏って…!』
おばあちゃんの言葉に思わず狼狽してしまうあたし。しかし、蔵馬はいたって落ち着いて挨拶する。
『はじめまして、幻海師範。かえでさんの稽古の相手をしている蔵馬といいます』
『よおお、蔵馬!久しぶりだな!』
幽助くんは蔵馬を見て嬉しそうに手を振る。
おばあちゃんは、幽助くんのほうに向き直った。
『悪いが、こいつの特訓がまだ残ってるんで、あんたたちは、勝手にやってくれるかい』
『わかってます。でも、今日は夕飯作るから、ちゃんと食べてよね』
『おお、今日はかえでの飯か?やったぜ。ばあさんの飯ときたら…』
はしゃぐ幽助くんに、おばあちゃんがスコーンと飛び蹴りをくらわす。
『バカ言ってないで、とっとと続きをやんな』
『いってえ…このくそババア、よしいくぞ!』
見合って、二人は修行を再開しはじめたので、あたしと蔵馬は道場をあとにした。
『修行は…とりあえず順調みたいだね』
蔵馬の言葉にあたしもうなずく。確かにボロボロにはなっているけど、おばあちゃんの人並み外れたスパルタ訓練で、早々に根を上げた人もこれまで何人か見てきたので、それに比べたら、彼はまだ余力すらあるのが見てとれた。修行にはなんとかついていけてるのだろう。
あの調子じゃ、夕方までかかりそうだから、こっちはこっちですき焼きの準備でもして、待ってたほうがよさそうだ。
『とりあえず家のほうに来て。お茶でも入れるから』
あたしは、蔵馬を母屋のほうに案内していった。
お肉のコーナーで、すき焼き用のお肉を見つけたあたしは多めに手にとった。
『こんなに買うの?』
蔵馬は驚いている。
『幽助くん、たぶん相当へばっていると思うから、すき焼きで体力つけてもらおうと思って。それにお客様もいるし』
『お客様って、もしかして俺のこと?』
『そう。すき焼きたくさん用意するから、ぜひ食べていって』
あたしがそう言うと、蔵馬は一瞬戸惑った顔をしたけど、すぐ『それじゃ、遠慮なく』と笑顔になった。
お肉に続いて、野菜や卵も買い込んで、あたしたちはスーパーをあとにした。
『うーん、買いすぎちゃったかも』
おばあちゃんと幽助くんに、どっさり食べさせようとはりきったけど、自分で買った買い物袋の重さに、さすがに唸ってしまった。
すると、蔵馬があたしの持つ袋をさっと取り上げた。
『持ちますよ』
そんな、とあたしが言うのも聞かず、蔵馬はそのまま歩きだしていく。
ほんと、つくづく紳士だなあと思いながら、あたしは彼のあとをおいかけた。
✳︎
蔵馬に荷物を持ってもらい、街からバスを乗り継いで、ようやく寺についた。
『ここが幻海師範の道場なんですね』
感心したようにあちこちを見る蔵馬。
あたしは、道場の方が気になっていた。おばあちゃんと幽助くんは、おそらくそっちだろう。
『幽助くん、死にかけてないといいけど…』
すこしひやひやしながら、あたしたちは道場のへ向かい、入ろうとすると…
『ちくしょう!もう一回だ、ばあさん!』
いきなり、威勢のいい声がして、驚いてしまった。
恐々しながら、道場に入ると、おばあちゃんと幽助くんがにらみあってる。
胴着姿の幽助くんは、かなり傷だらけで、ここまで相当しごかれたのがうかがえた。
ボロボロになった幽助くんに対して、おばあちゃんはわりと涼しい顔をしていたが、そのときおばあちゃんがあたしたちに気づいた。
『なんだ、かえで。帰ってきたのか。しかも、男連れで、そいつは彼氏か』
『だっ、彼氏って…!』
おばあちゃんの言葉に思わず狼狽してしまうあたし。しかし、蔵馬はいたって落ち着いて挨拶する。
『はじめまして、幻海師範。かえでさんの稽古の相手をしている蔵馬といいます』
『よおお、蔵馬!久しぶりだな!』
幽助くんは蔵馬を見て嬉しそうに手を振る。
おばあちゃんは、幽助くんのほうに向き直った。
『悪いが、こいつの特訓がまだ残ってるんで、あんたたちは、勝手にやってくれるかい』
『わかってます。でも、今日は夕飯作るから、ちゃんと食べてよね』
『おお、今日はかえでの飯か?やったぜ。ばあさんの飯ときたら…』
はしゃぐ幽助くんに、おばあちゃんがスコーンと飛び蹴りをくらわす。
『バカ言ってないで、とっとと続きをやんな』
『いってえ…このくそババア、よしいくぞ!』
見合って、二人は修行を再開しはじめたので、あたしと蔵馬は道場をあとにした。
『修行は…とりあえず順調みたいだね』
蔵馬の言葉にあたしもうなずく。確かにボロボロにはなっているけど、おばあちゃんの人並み外れたスパルタ訓練で、早々に根を上げた人もこれまで何人か見てきたので、それに比べたら、彼はまだ余力すらあるのが見てとれた。修行にはなんとかついていけてるのだろう。
あの調子じゃ、夕方までかかりそうだから、こっちはこっちですき焼きの準備でもして、待ってたほうがよさそうだ。
『とりあえず家のほうに来て。お茶でも入れるから』
あたしは、蔵馬を母屋のほうに案内していった。