半分人間の妖狐と半妖の少女
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どれくらい走ったかもう覚えていないくらいへとへとになって、やっと初日の修行は終わった。
疲れた…二人のスピードがすごすぎて、圧倒されてしまった。
こんなんで明日からもちゃんとやっていけるのかな…
.
『大丈夫かい?』
手を差し出してくれたのは、蔵馬。
『正直驚いたよ。ここまでついてこれるなんてね』
笑顔で話しかけてくる蔵馬に、あたしは不覚ながら少し見とれてしまった。
なんか…この人モテるんだろうな。かっこいいし、しかも笑顔が優しいとか、反則っしょ。
『調子に乗るな』
ポワンとしかけたあたしに、すかさず釘をさしてきたのは、飛影。
『確かに思っていたよりは、基礎体力はあるらしいな。そこは認めてやる。だが、この程度で、息切れしてるようじゃ、明日からが思いやられるな』
はー、やっぱりこの人とは仲よくなれる気はしないわ。
とはいってもなあ…見過ごしたくもないので。やるしかないか。
だいぶ、呼吸も整ったので、あたしは意を決して飛影の目を見た。
『腕を出して』
『なんだ、俺に指図する気か』
ムッとする飛影におかまいなしにあたしは続ける。
『腕見せてって言ってるの。出さないならこっちから勝手に触るわよ?』
あたしは半ば強引に飛影の腕をつかんだ。いきなりで驚いた飛影、腕を動かしてあたしから離れようとしたが、その瞬間、うっと顔をしかめた。
『ほら、やっぱり。腕、痛めてるんでしょ。走ってるとき、何度か腕を庇ってるのわかったもの』
『…それが貴様と何の関係がある』
あたしは、飛影の腕を両手でつかむと、手に気を集中させる。
飛影は驚いた顔をした。痛みが癒えていくのが彼もわかったのだろう。
「…痛いのが楽になったでしょ。たぶん、これで回復も早まると思う」
飛影はだまってこっちを見ている。お礼の一つも言えないか。まあ、しょうがない。
「癒しの術か…見事なものだ」
感心したようにいう蔵馬に、あたしは向きなおる。
「次はあなた。身体を痛めているんでしょ?」
そのまま、あたしは蔵馬にも治癒の術を施そうと手を伸ばしたが、
「待て」
飛影の言葉にさえぎられた。
「この治癒の術は、人間ごときができるものじゃない。最初に張っていた結界も人間にしては強硬すぎると思っていたが…」
ああ…ばれた。それはそうか。
飛影は言葉をつづけた。
「貴様、人間ではなく妖怪だな?」
疲れた…二人のスピードがすごすぎて、圧倒されてしまった。
こんなんで明日からもちゃんとやっていけるのかな…
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『大丈夫かい?』
手を差し出してくれたのは、蔵馬。
『正直驚いたよ。ここまでついてこれるなんてね』
笑顔で話しかけてくる蔵馬に、あたしは不覚ながら少し見とれてしまった。
なんか…この人モテるんだろうな。かっこいいし、しかも笑顔が優しいとか、反則っしょ。
『調子に乗るな』
ポワンとしかけたあたしに、すかさず釘をさしてきたのは、飛影。
『確かに思っていたよりは、基礎体力はあるらしいな。そこは認めてやる。だが、この程度で、息切れしてるようじゃ、明日からが思いやられるな』
はー、やっぱりこの人とは仲よくなれる気はしないわ。
とはいってもなあ…見過ごしたくもないので。やるしかないか。
だいぶ、呼吸も整ったので、あたしは意を決して飛影の目を見た。
『腕を出して』
『なんだ、俺に指図する気か』
ムッとする飛影におかまいなしにあたしは続ける。
『腕見せてって言ってるの。出さないならこっちから勝手に触るわよ?』
あたしは半ば強引に飛影の腕をつかんだ。いきなりで驚いた飛影、腕を動かしてあたしから離れようとしたが、その瞬間、うっと顔をしかめた。
『ほら、やっぱり。腕、痛めてるんでしょ。走ってるとき、何度か腕を庇ってるのわかったもの』
『…それが貴様と何の関係がある』
あたしは、飛影の腕を両手でつかむと、手に気を集中させる。
飛影は驚いた顔をした。痛みが癒えていくのが彼もわかったのだろう。
「…痛いのが楽になったでしょ。たぶん、これで回復も早まると思う」
飛影はだまってこっちを見ている。お礼の一つも言えないか。まあ、しょうがない。
「癒しの術か…見事なものだ」
感心したようにいう蔵馬に、あたしは向きなおる。
「次はあなた。身体を痛めているんでしょ?」
そのまま、あたしは蔵馬にも治癒の術を施そうと手を伸ばしたが、
「待て」
飛影の言葉にさえぎられた。
「この治癒の術は、人間ごときができるものじゃない。最初に張っていた結界も人間にしては強硬すぎると思っていたが…」
ああ…ばれた。それはそうか。
飛影は言葉をつづけた。
「貴様、人間ではなく妖怪だな?」