えー、えー、今日は死ぬ日………

えっと、確か…実力を試すテストが終わって、そして兄さんと家に帰る途中に自転車に跳ねられたんだった…

それで頭を強く打ち付けて…そして、腕に激痛が……もしかして、あの時の痛みはこの記憶を思い出すために？

そう考え込んでいると…持っているスマホがなった。

「おいっ!!おせーじゃねぇか!!!早くしろ！し、師匠の圧がすげぇーんだ！これじゃ、テストの時死ぬぞ!!」

おぉぉぉぉ！こ、声がやばいっ！うっっっるさっ!!死ぬっていくら師匠でも………しそうだわw

『ふぅ、着いた……』

絶対怒られる……てかここから黒いオーラが…
私は目が良い、てっ言うわけじゃないけど…オーラが見える特殊な体質で、結構それで人を判断している。オーラでその人がどんな性格をしているか、今どんな感情か、とかが分かる。

それにしても、息切れしてないな…私、もしかしたら凄く強い？？
思い出したばかりか、記憶が曖昧だ…空手はやり方は覚えているけど、やってみないと分からない…テストでしょ？出来るかな、めちゃくちゃ不安だ～

はぁ、深呼吸…深呼吸……

？「おい…」

『ひょえっっ!!』

あ、やばっ驚いて変な声を出してしまった💧
師匠だ、え？なんで無表情？いつも怒るときはめちゃめちゃ怖い顔をしてるのにっ！逆に怖いよ!!

師「なにか言うことは…？？」

『あー、えっと…遅れてすみませんでした？』

師「はぁ、お前って奴は……」

……何だろう？いつもと違う、もしかしたら私の変化に気付いてる？師匠なら、気付いてそうだ…
師匠はどんなに些細なことにも気付いてくれる。それは凄いことだ、だけど…この事を言ったらきっと頭がおかしくなったんじゃないかと思うだろうか。

そんな不安を抱えながらテストが始まった…

　　　　　“ダン、ダン、ダァン”

拳が交わる音が聞こえる、兄さんはあまり考えずに感覚で戦うタイプだ。単純な行動だから、師匠はすらりと避け、腹部に一撃を入れる。兄さんの体勢が崩れた…

「っ……」グッ！

おぉ！耐えた!!凄い凄い！でも、耐えても体が傾いている状態だから……負けちゃうかな？

　　　　　　　　　“ブン!!”

うわっ！師匠が手加減なしに兄さんに…少しは手加減してよねって、そっか今テストだった…

「ふんぬ!!」ダン、トッ

え、兄さん凄っ！身体能力半端ない!!師匠が攻撃してきた時にそれを喰らわないように宙返りして避けるだなんてっ！

師「ほぉ…だが、まだまだだな。」フッ

師匠がその言葉を言ったと同時に兄さんはぶっ飛ばされた…

あぁ～、やっぱり勝てなかったかー、相変わらず化け物並みだなぁ…

「うぅ……くそっ！師匠、強すぎんだよ！馬鹿!!」

兄さん、可哀想…

師「次はお前だそ。」

うわー、始まるっていうのにまだ感覚が分からないんだよ～さっき、見てて怖いんだよ～💧

「では、はじめっ！」

兄さん、仇は必ず取るからね!!([兄]死んでねぇよ…)

さっきの戦いを見て分かった、師匠は攻撃をする時オーラの色が少し変わる。闘気の色はオレンジ色だ、攻撃する時少しオレンジが濃くなる。でも、それが分かっていても何処に攻撃がくるか分からない…

　　　　　　　　“ドンッ”

『え、っ……速っ!!』バッ

師「やはり避けるか…」

よ、避けれた💦無表情で、ものすごいスピードで殴りかかって…拳が顔にくる直前に、避けた。
攻撃する時、ほんの僅かだけど、気道が見えた…
でも、あれでなんとなく分かってきた、兄さんが攻撃した時、師匠はこの気道を見ていたんだ。気を見るってこと…そしたら何処に攻撃してくるか、が分かる！

よく、相手の体を見て…気が一番薄くなっている所が弱点…人間には必ず、一番脆い所がある。兄さんの場合は腹部だった…私の場合は、胸部だったかな？師匠は、今見てみると…足？かな。師匠が蹴りをしようとしている。よし、今だ！

『くっ！あぁ!!』ガッ、グンッ

蹴りを受け止めて、師匠の足を引っ張る。そして、グルリと一回転して…

『投げ飛ばすっ!!』

師「うぉ…グッ……」バンッ

師匠は受け身を取ったが、私の投げ飛ばしが強すぎて立ち上がれないそうだ…え、そんなに強いの？私……

師「ふぅ…俺の負けだ。」

え、え、マジで勝った！師匠に!!嬉しい!!!

「うぉぉぉぉ！すげぇじゃねぇか!!」

兄さんが喜びながらめちゃくちゃ背中を叩いてくる。痛い…

師「これでテストは終わりだ、そっちは帰ってお前はこい。」

あ、やっぱり呼ばれた。さっきの戦いで分かったのかなぁ…

あー、どうなるんだろう、不安だ～～💧