このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

短歌

水張った田んぼに君が手をひたす青ザリガニは姿を見せず

ザリガニを掴んで掲げるその腕(かいな)入道雲に君は照らされ

赤い三角しゃりりと齧り黒い種飛ばす夕方故郷の庭で

冷房に冷やされる君「まだちょっと暑いね」なんて。麦茶鳴る

川べりに魚を見つけ足濡らす取らぬ魚を追いかける午後

ジージーと鳴くセミがまだ遠いうちは風物詩だと笑いさえする

冷房をつけているのにすぐ溶けるアイスに翻弄される二人

雨の寒さも夏の熱には敗北か湿気ばかりが空気を濡らし

蚊の毒は熱に弱いと聞くけれど夏の暑さと共存している

肌に浮く赤い点々蚊の仕業嫉妬するほどバカじゃないけど

海型のプールで君を見間違うまるで人魚のようだったから

ギリギリになってあわてる宿題を高みの見物しているオマエ

蝉の音を頼りに木々に近付いて捉えた獲物ジージーと鳴く

君がくれた冷えピタのピタ握りしめお礼の言葉見失ってる

寝転がる君の腕とふとももにたしかに残る夏のあしあと

水筒が秒でカラカラ空になる飲んでも火照る日に焼けた肌

一口と言って半分持っていく返せ私のソフトクリーム

「逆らえば君のアイスの命はない」「すでに半分溶けて死んでる」

汗に混じり溶けだす君と棒アイス「諦めてエアコンつけようよ」

エアコンが冷やした快適空間であえて日差しの中に居座る
4/4ページ
いぇあ