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短歌

オムレツを食べたいような思い出がデパートでふと傍を駆け抜け

目の前で餃子がロックを叫んでるホットプレートで油が跳ねる

住む町が垢抜けるたび夏の夜のかえるの歌が遠ざかってく

葉の下をハサミムシらが去っていくおまえの母の話を聞かせて

カマキリのひき逃げがあった夏休み車道で蟻が死体を運ぶ

幅広の道路の上に立っている道もわからぬ不安な足が

真っ白い光が強く射していて、とにかく白い道路だったよ

雨音が鳥の鳴き声を消す朝は起きることすらすごく憂鬱

雨粒がシャワーみたいに熱ければ傘もささずにバレエを踊ろう

しぼれば水が出る水が出る白いTシャツは蒸し暑さに負けて

Tシャツの袖から伸びる白い腕わたし以外に染められないで

夕飯の献立と人生は迷う頻度が少し似ている

アメーバの迷路みたいに私にもゴールがひとつあればいいのに

永久に子供でいたいと言いながら袴の柄を選別している
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いぇあ