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姫魔神は今日も戯れない

姫「ねえ魔神様、私、以前に比べてだいぶ成長したでしょう?」
魔「人間の老化って早いよな」
姫「ええ。そのおかげで、こうしてあなたの隣にいても不自然じゃなくなりましたよ」
魔「今のお前なら姿くらい自由に変えられるから関係ないだろ」
姫「その私がこの姿を保っているんですもの、それも含めて嬉しいんです」
魔「あー、……そういうことか」
姫「魔神様は流されて誰でも眷属にしてしまいそうですから。せめてこの姿だけは保っていたいですね」
魔「そんなこと考えなくてもここには俺達以外来ないだろ…」
姫「そうですが…そもそも私の存在がイレギュラーですし」
魔「さすがのじいやもこれ以上眷属を増やそうとはしないだろうよ」
姫「まあ!最初から眷属化することが目的だったのですか?」
魔「否定はできないな。まあ先代が愛妻家だったし、眷属が何人もいるのはいい顔しないだろ」
姫「先代…一度でいいからお会いしたかったです。魔神様から数々の武勇伝を聞かされましたし、さぞ威厳のあるお方なのかと」
魔「おま、気づいて…」
姫「あっ」
魔「……いつから」
姫「いつ、ということはないんですが。あなたから聞いた話を反芻していたら矛盾点を見つけましたので、おそらくそういうことなのではと」
魔「なるほどな」
姫「わ、私はあの物語の主人公が誰であろうと気にしませんよ?あくまで語り部としてのあなたが魅力的だっただけなので」
魔「…そうか」
姫「そもそもそれで失望してたら今こうしてここにはいませんし」
魔「わかったから。少し黙ってくれ」
姫「…はい。書庫にでもいますので」

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