DNアイドルパロ!
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~お気に入りのファンレター~
「相変わらずの量だな…」
何箱か開け終えたが、目の前の山が中々小さくならない。ニア宛のファンレターや差し入れの仕分けは私含め、何人かのスタッフで行っている。攻撃的な内容のある手紙や不快に感じるような贈り物を省くために中身を軽く確認するので、ニアが決めた信頼のできるスタッフしかこの作業に参加できないようになっている。そのため人手がいつも足りない作業現場だ。マネージャーとしてファンたちのニアへの応援の気持ちはありがたいがきちんとマナーを守って応援して欲しいものだ。そうしたらこんな選別みたいな作業しなくてもいいのに…なんて思うが、愛の表現方法は様々だし私の言える立場でもないなと自己完結するのがいつも流れ。
「お疲れ様です。差し入れ持ってきました」
「ニア!」
スタッフ一同がお疲れ様ですと言う中、私はニアの側に駆け寄る。
「休んでなくて大丈夫?この後のスケジュールあまり休憩時間がないよ?」
「確かにキツいですが…差し入れくらい、いいでしょう?」
ニアはそう言い、少し困った顔をする。歳上の方におねだりしたりする時のニアの得意技だ。私自身その顔に弱く、まぁ差し入れくらいならと納得した自分もいたのでニアと一緒に差し入れを配る手伝いをした。ニアが用意した差し入れはシュークリームだった。皆に軽く休憩言い渡し、各々が軽く談笑し始める。ニアが部屋の隅っこに座り込むのを見て、私も隣に座っていただいたシュークリームに齧り付く。疲れた身体に甘いクリームが染み渡る…美味しいものを身体が欲してるこのタイミングで食べるのが最高なんだよね…深夜のポテチみたいな…!
「えり姉、ずいぶんと美味しそうに食べますね」
「え?あ、顔に出てた?あはは恥ずかしいな〜」
顔が少しとろけてたのを見られてたことに気づき、恥ずかしさで自分の頬を引っ張る。
「そういえば今回も届いてましたか?」
「ん?何が?」
「いつもの白い封筒です。」
「あー!それね!うんうん、あったよ。取ってこようか?」
「はい。お願いします。」
通り際にテーブルの上からウェットティッシュを一枚取り、シュークリームで汚れた手を拭きながら手紙の仕分けボックスに向かう。白い封筒というのはニアの初ライブの時から必ず差し入れに届く手紙のことだ。ニアはこの差し入れを気に入ってるようで、回収の際は一番最初にそれを指名してくる。そしてこれはニアに内緒だが、その手紙は実は私が書いてるものだ。恥ずかしいから絶対に言わないけど…
「あったあった。多分これだよ。」
「ありがとうございます。」
食い気味に受け取るニアの行動に笑みが溢れる。他のファンに知られたら嫉妬されるだろうな…
ニアは手紙を読み終えるとちょいちょいと屈むように手仕草をし、何かを言いたそうだったので耳を傾ける。
「この手紙の差出人、やっぱりえり姉だったんですね」
「え!?」
「声が大きいです」
唇を突き出し、ニアはムッと子供らしい拗ねた表情を見せてくる。そしてハッと周りを見渡すとスタッフが心配そうに私達のことを見ていた。ごめんごめん何でもないと笑いながら言うと、少しずつさっきまでの空気が戻ってきた。大声を出したこととバレたことの恥ずかしさにやっと自分でも落ち着いてきてころにニアが口を開く。
「前に仕事でホテルに一緒に泊まっていた時にえり姉のバッグの中に同じ封筒を見つけました。」
「勝手に私のバッグの中見たの!?」
「はい。すみません。あまりにも暇だったので。つい」
すみませんなんて言ってるがニアの声から反省の色は全く感じられなかった。自分のバッグに無防備に入れてたこととニアの行動に呆れて額に手を当てる。
「まぁ、その時に封筒に私しか気付かないような跡を付けていたわけです。」
「なるほどね…」
「それでも何となく最初の方から気づいてましたが」
え!?と言いそうになったが、今日言いすぎてることに気付き、開きかけた口を閉じて言葉を飲み込む。
「え、って言わないんですか?」
と、ニアがニヤリとバカにしてる顔で微笑む。思い通りになってたまるか!とニアの両頬を引っ張る。うわ…すべすべのぷにぷに…
「はなしいぇくだふゃい」
ニアの声にハッと我に帰る。いけない…このぷにぷにな頬っぺたには人間をダメにするやつだ…!ニアを叱るつもりが逆に飲みこれそうになっていた…
「えり姉、さっきから表情コロコロ変えて何考えてるんですか」
今度は私が引っ張った頬をさすりながらジト目で見つめてくる。あなたの頬っぺたを堪能してましたなんて言えるはずがなく、そろそろ作業に戻ろうかな〜と話題を逸らす。ニアはそんな私の態度を見て軽くため息を吐くとそうですねと立ち上がり、皆さんお邪魔しました、と部屋から出て行こうとする。しかし扉の近くまで行くと皆に聞こえるような大きな声で、
「手紙、また楽しみにしてますよ。えり姉♪」
とアイドルらしくウィンクまでして部屋を後にする。
「手紙って例のあの?」
「あの手紙ってえりさんが出してたんですか!?」
「仲が良いですね〜」
スタッフの皆に囲まれて恥ずかしさで手で顔を覆い、縮こまる。
「ハルちゃん助けて…」
しっかり者の彼女ならこの状況から助けてくれるだろう。
「皆さん、えりさんがニアに秘密をバラされて恥ずかしがっているんですよ。そっとしておいてあげてください。それより作業に戻りましょう」
私の周りから人が遠ざかっていくのを感じ、手を下ろすが、相変わらず顔は赤い。
「そこまで言う必要あった…?」
「ふふ、ごめんなさい。面白くて、つい」
「もう…」
「それと、ニアにえりさんが物を隠してそうな場所を聞かれた時に何気にバッグに入ってるかもって教えたの私。」
「ハルちゃんー!?」
「後で奢るから許してよ。とりあえずこの作業を終わらせましょう。」
すぐに仕事モードになるクールなハルちゃんに絶対だよと呟き、私も作業に戻った。
「相変わらずの量だな…」
何箱か開け終えたが、目の前の山が中々小さくならない。ニア宛のファンレターや差し入れの仕分けは私含め、何人かのスタッフで行っている。攻撃的な内容のある手紙や不快に感じるような贈り物を省くために中身を軽く確認するので、ニアが決めた信頼のできるスタッフしかこの作業に参加できないようになっている。そのため人手がいつも足りない作業現場だ。マネージャーとしてファンたちのニアへの応援の気持ちはありがたいがきちんとマナーを守って応援して欲しいものだ。そうしたらこんな選別みたいな作業しなくてもいいのに…なんて思うが、愛の表現方法は様々だし私の言える立場でもないなと自己完結するのがいつも流れ。
「お疲れ様です。差し入れ持ってきました」
「ニア!」
スタッフ一同がお疲れ様ですと言う中、私はニアの側に駆け寄る。
「休んでなくて大丈夫?この後のスケジュールあまり休憩時間がないよ?」
「確かにキツいですが…差し入れくらい、いいでしょう?」
ニアはそう言い、少し困った顔をする。歳上の方におねだりしたりする時のニアの得意技だ。私自身その顔に弱く、まぁ差し入れくらいならと納得した自分もいたのでニアと一緒に差し入れを配る手伝いをした。ニアが用意した差し入れはシュークリームだった。皆に軽く休憩言い渡し、各々が軽く談笑し始める。ニアが部屋の隅っこに座り込むのを見て、私も隣に座っていただいたシュークリームに齧り付く。疲れた身体に甘いクリームが染み渡る…美味しいものを身体が欲してるこのタイミングで食べるのが最高なんだよね…深夜のポテチみたいな…!
「えり姉、ずいぶんと美味しそうに食べますね」
「え?あ、顔に出てた?あはは恥ずかしいな〜」
顔が少しとろけてたのを見られてたことに気づき、恥ずかしさで自分の頬を引っ張る。
「そういえば今回も届いてましたか?」
「ん?何が?」
「いつもの白い封筒です。」
「あー!それね!うんうん、あったよ。取ってこようか?」
「はい。お願いします。」
通り際にテーブルの上からウェットティッシュを一枚取り、シュークリームで汚れた手を拭きながら手紙の仕分けボックスに向かう。白い封筒というのはニアの初ライブの時から必ず差し入れに届く手紙のことだ。ニアはこの差し入れを気に入ってるようで、回収の際は一番最初にそれを指名してくる。そしてこれはニアに内緒だが、その手紙は実は私が書いてるものだ。恥ずかしいから絶対に言わないけど…
「あったあった。多分これだよ。」
「ありがとうございます。」
食い気味に受け取るニアの行動に笑みが溢れる。他のファンに知られたら嫉妬されるだろうな…
ニアは手紙を読み終えるとちょいちょいと屈むように手仕草をし、何かを言いたそうだったので耳を傾ける。
「この手紙の差出人、やっぱりえり姉だったんですね」
「え!?」
「声が大きいです」
唇を突き出し、ニアはムッと子供らしい拗ねた表情を見せてくる。そしてハッと周りを見渡すとスタッフが心配そうに私達のことを見ていた。ごめんごめん何でもないと笑いながら言うと、少しずつさっきまでの空気が戻ってきた。大声を出したこととバレたことの恥ずかしさにやっと自分でも落ち着いてきてころにニアが口を開く。
「前に仕事でホテルに一緒に泊まっていた時にえり姉のバッグの中に同じ封筒を見つけました。」
「勝手に私のバッグの中見たの!?」
「はい。すみません。あまりにも暇だったので。つい」
すみませんなんて言ってるがニアの声から反省の色は全く感じられなかった。自分のバッグに無防備に入れてたこととニアの行動に呆れて額に手を当てる。
「まぁ、その時に封筒に私しか気付かないような跡を付けていたわけです。」
「なるほどね…」
「それでも何となく最初の方から気づいてましたが」
え!?と言いそうになったが、今日言いすぎてることに気付き、開きかけた口を閉じて言葉を飲み込む。
「え、って言わないんですか?」
と、ニアがニヤリとバカにしてる顔で微笑む。思い通りになってたまるか!とニアの両頬を引っ張る。うわ…すべすべのぷにぷに…
「はなしいぇくだふゃい」
ニアの声にハッと我に帰る。いけない…このぷにぷにな頬っぺたには人間をダメにするやつだ…!ニアを叱るつもりが逆に飲みこれそうになっていた…
「えり姉、さっきから表情コロコロ変えて何考えてるんですか」
今度は私が引っ張った頬をさすりながらジト目で見つめてくる。あなたの頬っぺたを堪能してましたなんて言えるはずがなく、そろそろ作業に戻ろうかな〜と話題を逸らす。ニアはそんな私の態度を見て軽くため息を吐くとそうですねと立ち上がり、皆さんお邪魔しました、と部屋から出て行こうとする。しかし扉の近くまで行くと皆に聞こえるような大きな声で、
「手紙、また楽しみにしてますよ。えり姉♪」
とアイドルらしくウィンクまでして部屋を後にする。
「手紙って例のあの?」
「あの手紙ってえりさんが出してたんですか!?」
「仲が良いですね〜」
スタッフの皆に囲まれて恥ずかしさで手で顔を覆い、縮こまる。
「ハルちゃん助けて…」
しっかり者の彼女ならこの状況から助けてくれるだろう。
「皆さん、えりさんがニアに秘密をバラされて恥ずかしがっているんですよ。そっとしておいてあげてください。それより作業に戻りましょう」
私の周りから人が遠ざかっていくのを感じ、手を下ろすが、相変わらず顔は赤い。
「そこまで言う必要あった…?」
「ふふ、ごめんなさい。面白くて、つい」
「もう…」
「それと、ニアにえりさんが物を隠してそうな場所を聞かれた時に何気にバッグに入ってるかもって教えたの私。」
「ハルちゃんー!?」
「後で奢るから許してよ。とりあえずこの作業を終わらせましょう。」
すぐに仕事モードになるクールなハルちゃんに絶対だよと呟き、私も作業に戻った。
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