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かくれんぼ(ニア夢)

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~かくれんぼ~
(ニア視点)


かくれんぼは好きじゃない。見つからないと虚しいから。だから数え終わってもその場から動かずに一番最初の鬼に見つかる。そんなことを繰り返していたら当たり前のようにかくれんぼに誘われなくなった。私は別にそれでよかった。

「ニア〜!メロたちと一緒にかくれんぼしよ!」

「おい、えり姉!あいつ誘っても隠れないし意味ねーよ。やめとけ。」

周りの子供たちもそうだそうだとメロに同調する。

「メロの言う通りです。私に構わず皆さんでどうぞ。」

「え、ニアってもしかして隠れるの下手なの…?頭良いのに?」

ニヤニヤしながら口元にて手を当ててえり姉が煽ってくる。

「勘違いしないでください。そういう訳じゃないです。」

何挑発に乗っているんだ、私は。

「じゃあ証明して見せてよ。絶対に見つけるからさ。」

「では見つけられなかったら何か一つ言うことを聞いてもらいましょうか。」

「お!言ったね?皆、ニアもやる気みたいだぞー!時間制限は30分!60数えるから隠れて〜!」

普段えり姉にからかわれている分何かやり返したいと思ったからか、気付いたらあんなことを言っていた。一つ言うことを聞いてもらう…さて、どんなことをお願いしましょうか。自然と口角が上がったの気付き、口元を手で隠した。これは絶対に見つかる訳にはいきませんね。
自分のとっておきの隠れポイントにたどり着き、身を潜める。1人になりたい時にここに隠れる。未だに孤児院の人に見つかったことはない。ここでゆっくりお願いを考えるとしましょう。



ドタバタ、ワーワー、キャーキャー、かくれんぼのはずがいろんな声が遠くから聞こえてくる。どうやら結構の数がもうすでに捕まっており、捕まった何人かは近くを歩きながら喋っていた。その会話の内容からはあのメロが5分くらいで見つかった、えりさんってすごい、ニアは今回ちゃんと隠れてるんだねなどの内容だった。自称かくれんぼの天才のメロがすぐ捕まったことを知って小さく鼻で笑う。私がここで捕まらなければメロはすごく不機嫌になるだろうなと想像をして時間が過ぎるの待つ。
20分くらいは経った時だろうか、私が隠れている部屋にえり姉が入ってくる。部屋は真っ暗だったため、彼女は明かりをつけてキョロキョロとあたりを見渡す。そして、

「ここかな?」

山積みになった洗濯物の中を漁り出した。残念、それはフェイクです。

「あれ、おかしいな。じゃあここか!」

近くのクローゼットを開ける。それもフェイクです。そのクローゼットは少しだけ扉を開けてそれっぽく細工してみましたが見事に引っかかってくれるものですね。

えり姉、ニアのやつまだ見つかんねぇのかよ。」

突然メロが部屋の外からえり姉に話しかける。

「うーん、確かにここにいる気がするんだけどね…ていうかニアってかくれんぼ上手いんだね!なんでやりたがらないんだろう?」

「知るかよそんな事。まぁ、アイツお子ちゃまだし見つからないと寂しいからとかじゃねーの?。」

「それ案外合ってるかも。メロって何だかんだニアのことちゃんと分かってるよね♪」

「は?誰がアイツのこと!とにかくあと少ししかないんだからさっさと見つけろよ。」

「ハイハイ。」

メロは明らかに不機嫌そうに床をわざと音がなるように踏んでその場を離れていった。

「さてと。」

えり姉はメロを見送った後、くるりと踵を返して私の隠れている方に近づいてくる。この部屋にいると確信しているならしらみつぶしでいずれ見つかるだろう。あと数分のはずだからそれだけ耐えれば…と息を潜めていたが、えり姉は私が隠れている場所の覗き穴を覗き込んでくる。

「そんな情熱的な視線をもらっちゃ、流石にバレちゃうよ?ニア?」

これは…バレてる。だが黙っていれば時間稼ぎにはなるはずだ。

「あ、そういえばあまり時間ないんだっけ?動かないでね…」

ジジジとジッパーが開く音と同時に視界がどんどん明るくなっていく。

「ニア発見♪約束通り見つけたよ。」

そうウィンクをしながら私を隠れ場所から抱き上げる。

「ていうか息苦しくなかった?見つけるまで時間かかってごめんね。」

「大丈夫です。」

そう、私が隠れていたのはスーツケースの中。覗き穴兼空気孔を開ければこの子供の身体でその中で隠れられなくもない。

「負けてしまいました。」

「ふふ、私に勝とうなんて100年は早いよ。」

「そのようですね。せっかくお願いを思い付いたのに残念です。」

「一応聞いておこうかな!」

「内緒です。」

「えー聞くだけいいじゃんー。」

「もう叶ったようなものなので。」

「?」

私のお願い、「今度こそ私を見つけてください」なんて言わなくても、あなたは私がどこにいても見つけ出してくれるでしょう。そして私が迷子の時は暗闇から私の手を引っ張って光のある道に連れて行ってくれる。そんなあなたが隣にいるから私は安心して前を向いて歩いていける。
そんな気がします。
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