01.もとはと言えば
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———……それからいろいろとあって。
たぬきくん、もといグリムと一緒に、わたしたちをゴースト仲間にしようとしてくるゴーストたちと闘った。
消えたり現れたりするゴースト相手にグリムの魔法が通用するのか心配なところではあったけど、どうやら効くらしい。
ゴーストたちは 消されちまう! と口々に叫んで、逃げていった。
「ハヒ、ヒィ……こ、怖かっ……
ッあいや、ぜんぜん怖くなかったんだゾ!」
あからさまに強がって、ぐいとふんぞり返るグリムの背を、そっ となでる。
嫌がられはしなかった。良かった……
コツ、コツ。
響く足音に、二人で振り向くと。
「優しい私が夕食をお持ちしましたよ。
……って、それは!」
あッ!! グリムが学園長にばれた。
せめてもと グリムを足の後ろに隠そうとしたけど、さすがはグリム。
詫びるどころかお化け退治に感謝しろ、と言い始めた。
なにか疑問に思ったのか、学園長はグリムから詳しく話を聞き始めた。
……なんでその聞く耳は、入学式のときのわたしに向けられなかったの……
恨めしく思いながら二人を順に見遣る。
どうやら先ほどのゴーストたちは、悪戯が好きな寮住まいのゴーストたちだったらしい。
でも悪戯ってったって、人間を追い遣るほどのものはダメだよね~~!
ひとを不快にさせて「悪戯でした」なんて、許されたものじゃない。
あのゴーストたちは消えてしまったのかな。
まだ残ってるゴーストがいたら、今度は退治じゃない、きちんとした教育的指導をしないといけない。
「おふたりさん、ゴースト退治 もう一度見せてもらえます?」
その声で我に返る。
ああだめだ、考え事をするとどっかに飛んじゃう癖がまた出てしまった。
なんの話だっけ。ゴースト退治をもう一度?
……もう一度!??
わたしが何かを言う間もなく、学園長はツナ缶を景品にと言い、変身薬とやらを飲んでゴースト姿になってしまった。
ここは人の話を聞かないものしかいないなあ……。
……って、わたしも人のこと言えない、か。