「———……これは…………」


……趣がありすぎる。


「そうでしょう、そうでしょう。さあ中へどうぞ」


なんでちょっと嬉しそうなんですか学園長さん……

目まで細めちゃって、まあ……

思ってたよりも底意地の悪そうな背中を追って、オンボロ寮の中へ入る。



「ここであればとりあえず雨風は凌げるはずです。

　私は調べ物に戻りますので、適当に過ごしていてください。」



てっきとうだなぁ～～～～～～！！！

そう思ったのもつかの間、妙にきつい言い方で「学園内はウロウロしないように！」と言いつけられる。

なんでそうフラグみたいな……ウロウロしないけども……



去り行く背中をぼんやりと見遣り、談話室らしいここをぐるりと見まわす。


ワァ～～、真っ白な埃が雪景色みた～い……


…………


……座るためにも、まず掃除しよう。