01.もとはと言えば
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———……えらいことになった。
ハートの女王を丸焼きにしてしまった日の放課後、やはりエースは大食堂に来なかった。
あちこちを探し回る中、鏡舎でわたしたちが出会ったのは、デュースという一年の男子。
ネイビーの髪に、右目の黒いスペード、きりっとした表情の、ちょっとカタそうな……真面目そうな男の子だ。
「そいつを捕まえてくれ」とグリムに頼まれた彼は、謎に巨大な大釜を出現させ、逃げようとしたエースをぺしゃんこにつぶした。
エースも捕まったことだし、そろそろ罰掃除を……と思えば、今度はグリムが逃亡。はあ。
メインストリートを追い回し、一周回って大食堂へ追い詰めたものの、グリムはシャンデリアに登ってしまった。
……なんか……こういう感じのことわざあったよね。
豚もおだてりゃ木に登……おっと、ゲフンゲフン。
(※意味は全然違います。笑)
何やら考えていた様子のデュースが エースにマジカルペンを向ける。
な、なんか嫌な予感が……
「お前を投げればいいんだ!」
「えぇ~っ!?」
「冗談でしょ!?」
叫びながら宙に浮いていくエース。
じわじわくる。
わたしたちをあれだけ煽ったとはいえ、これはちょっと、……ちょびっとだけ、可哀想かも……笑
しっかり捕まえろよ、と言って、デュースはシャンデリア目掛けてエースをぶん投げた。
すごい速さで飛び出すエース、悲鳴を上げるグリム、そして。
落ちて粉々になったシャンデリア。
「シャ、シャンデリアがーーーー!!!」
何してんのこの人!!!
砂埃で咳き込みながら、エースがよろよろと立ち上がる。
そしてグリムはというと、立てもしないらしい。
シャンデリアを破壊した張本人は、着地後のことを考えていなかったと青ざめている。
いや……考えなかったって……。
ドジっ子っていうか馬鹿っていうか……。
わたしと同じことを思ったらしい、エースは顔じゅうに血管を浮かばせ、ものすごい大声でデュースを罵った。
デュースはエースやグリムのことは眼中にも無いらしく、シャンデリアを見つめて震えている。
「シャンデリアぶっ壊したのが学園長に知れたら……」
「知れたら……
な ん で す っ て ?」