01.もとはと言えば
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「———……ハートの女王? 偉い人なのか?」
急に声を掛けられ、グリムと一緒に後ろを振り返る。
そこにはテラコッタカラーの髪に、目元に赤いハートのメイク……? をした、男の子が立っていた。
服装からしてここの学生さんかな?
ハツラツとした雰囲気。良い子そう。
彼はハートの女王の石像について、詳しく説明してくれた。
「昔、薔薇の迷宮に住んでた女王だよ。
規律を重んじる厳格な人で……———」
~~~~~~~~~~
なるほど……。
学園のメインストリートの石碑になってるってことは、この学園自体がこういった人たちの生きかたを踏襲したいってことなのかな。
後世の人にそう思ってもらえるって、すごいよね。
とはいえ、こういう石像が7つも置かれてある学校は初めて見たなあ。
大抵ひとつだと思うんだけれど。
「——……っていうか、オマエは誰だ?」
グリムが男の子に訊ねる。
あっ、確かに。わたしたち、自己紹介してなかった。
彼はエースと名乗った。
「どーぞヨロシク♪」
「オレ様はグリム! 大魔法士になる予定の天才だゾ。」
「ほんとの天才は 自分のこと 天才だって言ったりしないよ、グリム」
「コッチの冴えないのは、ユウ。
オレ様の子分なんだゾ。」
「子分じゃないです……。
エース、よろしくね!」
ちょっと意地悪なことを言ったらグリムに仕返しされた。
冴えないのってなんだ、冴えないのって。
ギラッギラに冴えてるんですけど。
「ユウ?
珍しい響きの名前だな。」
そうかなあ。
自分じゃあんまりわかんないけど……。
「なあなあ、エース。
それじゃあっちの 目に傷のあるライオンも有名なヤツなのか?」
「もちろん!」
こんな調子でエースは、7つの石像のすべてを詳しく教えてくれた。