愛と情熱とオモチャの国
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「朝でーす、ヨホホホ~♪アーイエ~♪しーんぶんが~きてますよ~♪」
ブルックの陽気な朝の歌の目覚ましで目が覚めた。ローと一緒に入っていたはずの毛布はいつの間にかシノのみで使っていた。寝ている間に奪ってしまったのだろうか。
「……載ってればよし、載ってなければ……」
そう言って立ち上がるロー。麦わらの一味達も続々と甲板に集まってきた。全員揃ったところで、本日の朝刊を開く。ローが欲していた内容は探すまでもなく、一面トップを飾っていた。ドフラミンゴの写真が大きく掲載されている。
――ドンキホーテ・ドフラミンゴ「七武海脱退」。ドレスローザの王位を放棄。
「本当に辞めやがった~!!!!」
「お……王位!?王様だったんですか!?」
「王様~!?鳥の国か~!?」
「これでいいんだ。奴にはこうするしか方法はない……!」
どうやら麦わらの一味は、ドフラミンゴがドレスローザの王であることを知らなかったようだ。一部を除いて世情に疎いというかあまり興味がないのだろう。知っているとしたらロビンくらいな気がする。とにもかくにも、ひとまずは作戦通りに進んでいるようだ。
「で、何で俺たちの顔まで載ってんだ!?」
「「「「「は?」」」」
――七武海トラファルガー・ロー、麦わらの一味と異例の同盟。ローに対する政府の審判は不明。
同盟のことは時間の問題とは思っていたが、早速全世界に報道された。不明と記載されている為、まだ正式に七武海から除名されていないようだが、事実確認が取れ次第、確実に除名は免れない。また海軍に追われる日々が帰ってくるようだ。
また、時を同じくして、キッド海賊団・オンエア海賊団・ホーキンス海賊団も海賊同盟を結成したと載っている。どこも最悪の世代と呼ばれる者がキャプテンをしている海賊団。考えることは同じようだ。目的はわからないが、おそらく向こうも四皇の何者かを狙っているに違いない。
「これがいかに重い取引かわかったろう?俺たちはただシーザーを誘拐しただけだ。それに対し奴は国王という地位と七武海という特権をも一夜にして投げうってみせた」
それだけ、ドフラミンゴにとってシーザーという男の研究が重要なのだ。ローは電伝虫を取り出すと近くに置いた。新聞の内容を受けて、ドフラミンゴとの交渉を開始するようだ。連絡を繋ごうとしたローの手がぴたりと止まると、シノを見た。
「シノ、離れてろ。絶対喋るなよ」
「はいはい」
電伝虫に映像伝達機能はない。新聞にもシノは出ていないので、ローはあくまで、麦わらの一味とローのみの行動と思わせたいのだろう。パンクハザードに上陸してしまった時点でヴェルゴあたりから情報が渡っていてもおかしくないのだが、少しでも自分の船のクルーをドフラミンゴに関わらせたくないようだ。シノは離れて座っていたナミの横に腰かけた。ナミも極力関わりたくないと思っているのだろう。
電伝虫はすぐに応答した。ローからの連絡を待っていたようだ。
『おれだ……七武海をやめたぞ』
「もしもし!おれはモンキー・D・ルフィ!海賊王になる男だ!!」
何故かローより先に喋りだすルフィ。シーザーの件でよっぽど怒っているのが伝わってくる。向こうも当然ローとルフィが一緒にいることは知っている。大して驚いた様子もなく反応してきた。
『フッフッフッ……俺はお前に会いたかったんだ。お前が喉から手が出るほど欲しがる物をおれは今持っている』
「お……おい、それは一体どれほどおいしいお肉なんだ……!」
「麦わら屋!!奴のペースに乗るな!!」
少しずれている気はするが、まんまとドフラミンゴの口車に乗せられるルフィ。王国を乗っ取ったくらいの男なので話術には自信があるのだろう。すっかり肉のことしか考えられなくなってしまったルフィはウソップに任せ、ローが会話を変わる。当初の予定通りの交渉が始まったようだ。
「今から8時間後!ドレスローザの北の孤島、グリーンビット、南東のビーチだ」
『!!』
「午後3時にシーザーをそこへ投げ出す。勝手に拾え、それ以上の接触はしない」
『フッフッフッ、寂しいねぇ、成長したお前と一杯くらい……』
「切れー!!こんなもん!!」
ルフィによって勝手に電伝虫が切られた。最後のドフラミンゴの発言から、本当に元々彼のファミリーにローがいたのだと改めて実感する。一度は出て行った人間だ。一杯酒を飲んでさようなら、とは当然いかないだろう。それでも成長したローと話したいというのは本当かもしれない。
結局途中で通話を切ってしまったわけだが、重要な部分は話せた。グリーンビット。そういえば、スモーカーにその土地の話をしていた気がする。あの発言の意図がようやくわかった。しかしそれはこちらにとってもリスクがある気がする。
「ロー殿……グリーンビットと申しておったが」
「ドレスローザに船はつける。安心しろ」
錦えもんがおろおろとローに確認を取った。彼はドレスローザに目的があると言っていた。確かペンギン達の調べた資料によると、ドレスローザとグリーンビットは橋でつながっているようだった。直接そちらの島に行くのは難しいため、ドレスローザを通る必要があるとべポが言っていた。
「トラ男〜お前はそこ行ったことあるのかよ、ドレスろうば!」
「ローザだ。行ったことはない、奴の治める王国だぞ」
「ほんじゃ全部着いてから考えよう!しししし、冒険!冒険!楽しみだなードレスローザ!!」
完全に工場破壊を忘れているのではないかというレベルで楽しそうに笑うルフィ。初めていく島にワクワクする気持ちはわからなくもないが、ドレスローザに関しては、正直シノとしてはあまり楽しみとは思えなかった。国としてはとても魅力的な国だと聞いたことはある。だが、ドフラミンゴの本拠地に乗り込むのは少し気が引ける。
「バカいえ!何の計画もなく乗り込めるような……」
「サンジ!腹減った!朝飯なんだ!?」
ルフィが嬉々としてサンジに声をかける。ローとルフィの間で温度感が発生するのはしょうがない。ルフィにとってはドフラミンゴは今の所そこまで接点の無い人間だ。シーザーの件で腹を立てているとはいえ、ドフラミンゴとの戦いはルフィにとってまだそれほど現実的な話ではないのだろう。
「サンドイッチだ」
「わー、おれわたあめサンド!」
「おれはパンは嫌いだ!!」
完全に話の流れが変わってしまった。流れるように嫌いなものを主張してしまったローも既にこの一味に馴染み始めているようだ。
「まぁ腹が減っては戦は出来ないっていうし、とりあえず頂こうよ」
「……」
まだ納得がいっていない様子ではあるが、シノの言葉にも一理あると考えたのか、黙ってダイニングまで歩いて行った。
「拙者達は、ゾウという場所を目指して海へ出た」
「ゾウ……!?」
朝食のためダイニングへ移動した一行。ダイニングテーブルだけでは座りきれないので周りのソファにも座り、各自食事をとる。ローとシノはゲスト扱いなのか、侍たち同様、テーブル席に座らせてもらった。
錦えもんの話によると、今はここにいない侍2名を含め、計4名でゾウを目指していたが、ドレスローザに着く前に1名、ドレスローザで1名逸れてしまったらしい。そしてモモの助は謎の船でパンクハザードへ、錦えもんもそれを追ってパンクハザードへ。どれだけ運がないのか、いや、こうしてまた一人ずつ集まれそうな状況的には、逆に運があるのか。
「何から何まで奇遇だが、ドレスローザでやることを終えたら次はゾウを目指すつもりだ。俺の仲間がそこにいる」
「ベポ達、無事着いたかなー?」
「あれか!あの時のクマか!!」
「そうそう、あの時のシロクマ」
シノはホットサンドを食べながら、ルフィの言葉に同意する。やはりサンジの作るご飯は美味しい。とろとろの濃厚なチーズの香りと火の通ったトマトの酸味が口いっぱいに広がる。こんなのを毎日食べていたら舌が肥えてしまいそうで怖い。
「まことか!……では、そ、そこまで拙者達、同行するわけには……」
「いいぞ、ワノ国まで行こう!」
「おい!!」
ノリで話が進んでいく。ローも個別に作ってもらったおにぎりを食べながらツッコミを入れようとしていたが、ルフィに言ったところで無駄だと学んだのか、それ以上何も言わなかった。
「ローはシーザー受け渡しの方に行くんでしょ?」
「あぁ、俺がドフラミンゴと交渉しているからな。時間稼ぎも俺の方がしやすいだろう」
「じゃあ私もそっちで良いの?」
恐らく上陸後は3チームに分かれることになる。ローのシーザー受け渡しチームと、ルフィの工場破壊チーム、あとは敵の総本山の中で船を守るチーム。ローの部下としては着いていきたいところだが、一応指示に従うことになっているので確認する。
「いや……シノは工場の方を頼む」
「りょーかい」
船番と言われると思っていたので意外だった。工場の場所がわかっていないこともあり、人手は多い方がいいということだろう。手配書にも載っていないシノは敵にバレずに行動をしやすい。ヴェルゴからある程度の情報が渡っている可能性はあるが。
「とにかく身の安全を優先しろ、いざとなったらゾロ屋の影に隠れとけ」
「わかった!」
「おい、何勝手なこと言ってんだ!?」
ゾロに限らずこの一味の誰かと一緒にいればある程度の安全確保は可能だろう。出来るだけはぐれないように気を付けなければ。ローが無事生き残っても、シノがやられては元も子もない。生き残るためならば何でもするべきだ。
***
「着いたァ〜!!!!」
ドレスローザの海岸に着岸したサニー号。順番に船を降りていく。パンクハザードはすこぶる寒かったが、こちらは比較的安定した気候のようだ。どちらかというと少し暑いくらいだ。
「ドレスローザで目的を達成したら、皆のところに帰るんだよね」
「あぁ」
「じゃあ気合い入れて頑張らなきゃな~」
シノは大きく伸びをする。こんなに平和でいられるのは今だけだろう。ここはドンキホーテファミリーの本拠地だ。どこで誰に出くわすかわからない。シノの目的は工場を探すこととローを死なせないこと。チームは分かれてしまったが、やることはやらないといけない。
「早く皆に会いたいね」
「……そうだな」
ローの表情は読めないが、仲間に会いたいという気持ちは同じだろう。
ローはポケットからビブルカードを取り出すと、一部を破いて破片をナミへ手渡した。
「ビブルカード?」
「さっき話したゾウという島を指す。俺たちに何かあったらここへ行け」
ベポ達がいるであろう島、ゾウに辿り着けるビブルカード。ローの中で何か考えがあるのだろう。今の所予定通り進んではいるが、このまま順調に進むとは思えない。何かあった時のためにいくつも策を講じているのかもしれない。続いてローは何やら汚い地図を取り出した。ドレスローザ周辺の海図だ。ところどころ切れており、テープで止められている。
「これは仲間の描いた地図だ」
「わ、下手!」
どう見てもベポ作だ。ご丁寧に肉球ハンコが押してある。昨日、ナミの書いた海図を見た後なので、べポには悪いが、確かに上手いとはいいがたい出来だった。そんな時、まだローが作戦の説明中だというのに、ルフィ、ゾロ、フランキー、錦えもん工場破壊チームの面々とサンジがふらふらと歩きだした。
「え、え、ちょっと待って、」
「置いてくぞ、来るなら早く来い」
「えー、……もう自由すぎるでしょ!?」
何かの匂いに釣られ歩いて行ってしまった。置いていかれたら合流出来る自信がない。一応声をかけてくれたゾロについて小走りで街へと向かった。ローには悪いが、ちゃんと作戦を実行するためには、お目付け役として付いていくべきだと判断した。
「「「いい匂い〜〜っ!!」」」
ドレスローザといえば料理が美味しいと聞いたことがある。花々の生産も盛んで場所によっては花の良い香りが漂ってくる。
――ここは愛と情熱とオモチャの国、ドレスローザ。
「噂では聞いてたけどなかなかすごい国だね……」
町に溶け込みごく自然に人間と共存していたオモチャ達。オモチャとは思えないほど自然な受け答えの会話をしていた。ベガパンクレベルの技術者であればあるいは作れるのかもしれない。もしくはまだあまり知られていない種族の1つということもある。いずれにしても見た目以外は人間と遜色のないものであった。
「まぁとにかく飯だ!!」
「拙者、このような場所で油を売っておる場合ではない!」
「確かに時間はねぇが……情報を掴むべきだ」
フランキーの言葉に頷く。全く知らないこの国を闇雲に走り回っても、工場も侍も見つけられないだろう。どうにかドフラミンゴの部下でも見つけて少しでも情報を得られれば良いが。
「しかし妙だと思わねぇか。仮にもこの国の王が今朝王位を放棄したばかりだぞ?おれぁてっきりパニックにでもなってるかと」
「確かに皆普通に生活してるよね……」
ドフラミンゴの王政はうまく行っていたと聞いている。そんな王が辞めるというのに、こんな日常を送れるはずがない。朝刊の一面を飾るほどのニュースを知らないはずもない。何が起きているというのか。
「よし、聞いてみよう」
「やめろ!今朝の一面だぞ、てめぇの顔が載ったの!」
錦えもんの能力で服装を変え、サングラスや付け髭で変装をしているとはいえ、少なくとも朝刊にがっつり写っていたルフィが不用意にドフラミンゴのことを聞いたら、バレるかもしれない。
「ねぇ、錦えもんさん、変装させてくれのはありがたいんだけどさ、私も皆みたいなスーツスタイルじゃダメだったのかな?」
「む、周りの女性を見るでござる!情熱的なドレス、それがここの女性のふぁっしょんでござる!」
「いやまぁそうだけど……来る途中、普通の服の人もいたよね?」
男性陣が襟シャツ黒ジャケット黒パンツ(ルフィを除く)なのに対して、シノはいわゆるイブニングドレスだ。暗めの赤、ボルドーカラーのマーメイドドレス。がっつりスリットが入っているおかげで戦えないことはないが、若干動きづらい。
「シノちゃん、セクシーで可愛いよ〜♡」
「あー、ありがとう……」
褒められるのは嬉しいが、戦いに来たのにこれはどうだろうか。最悪脱げば解除されるというが、脱ぐのも嫌だ。出来ればローに見せて反応も見たい。葛藤をしているうちにレストランで注文した食事が届いた。
「お料理お待たせしたとかしないとか!!」
「わー待ってたぞー!!んまほ〜!!」
料理を運んでくるのもオモチャだ。両手に取り付けられたシンバルをトレー代わりに器用に運んでくれた。
ドレスエビのパエリアは、魚介たっぷりで大きなエビの尻尾部分がドレスのようにヒラヒラとしている。ローズイカのイカ墨パスタはその名の通り薔薇の柄の入った白いイカとイカ墨パスタの白黒の対比が美しい。そして、最後に妖精のパンプキン入りのガスパチョ、いわゆるスープだ。どれもこの国の特産品なのだろうか、食べたことのない食材がふんだんに使われており、見た目と香りだけでも十分楽しめる。
「妖精のパンプキン?」
「この国では妖精の伝説が今でも信じられているとかいないとか〜出るとか出ないとか〜どうぞ旅の人、お気をつけに!」
どうやら妖精が出るらしい。偉大なる航路で何が出てももはや不思議ではないが、人魚に続き、妖精まで目にする日が来るのだろうか。
大皿料理を皆で自由につまむ。シノも大皿の端から少しずつ、パエリアとパスタを小皿に乗せて戴く。大量にあったはずが、あっという間に無くなっていくのは圧巻だ。ルフィはよく食べるが、他の面々もなかなかに食べる。あれくらい食べないと強くなれないのか。
凄い勢いで口に頬張るルフィを眺めていると、横にいたゾロからガスパチョを手渡された。
「え、何、どうしたの?」
「毒味したら食えるんだろ。そっちもするか?」
「あ……」
昨日の夜のローの話をちゃんと聞いていたらしい。大皿料理は既に皆が手をつけているので食べようと思えば食べられたのだが、ルフィの食べっぷりにぼんやり眺めてしまっていた。ガスパチョに関しては個別で取り分けられて出されたので、口を付けられず、最悪誰かにあげようかと思っていたところだった。
「ありがとう、こっちは大丈夫」
「ん。酒は飲むか」
「じゃあ一杯だけもらおうかな!」
元々シノの分だったガスパチョを手渡し、ついでにボトルワインを注いでもらう。これからのことを考えるとあまり飲むわけにはいかないが、ゾロへの感謝の意を込めて頂くことにした。楽しいのは楽しいのだが、こんなに平和に食事を摂っていて本当に良いものか。
「なんか騒がしいと思ったらルーレットか」
「小悪党共が盲目のおっさんから金をむしりとってるな」
フランキーとゾロの言葉に、店の一区画を見る。この店はレストラン兼賭場のようだ。先ほどから外し続けている盲目の男。シノとしてはギャンブル自体興味がないのでルールはあまりわからないが、見えないことを良いことに好き勝手やられていることはわかる。ルフィがスタスタと歩いて行き、勝手に首を突っ込み出した。
「またすぐ首を突っ込む……」
「ルフィくんの良い所だよねーまぁ問題さえ起こさなければ良いんじゃない?」
「いや、起きそうだぞ」
「え?」
男をカモにしていた連中が、ルフィに斬りかかろうとしている。ルフィが負けるとは思わないが、そもそも騒ぎを起こしてドフラミンゴにバレたら元も子もない。しかし、ルフィに変わって刀を抜いたのは、盲目の男だった。突如、店の一画がべこんと音を立てて大きな穴が空き、柄の悪い連中達は穴へと落ちて行った。刀ではなく、何かしらの能力だろう。
「!?」
「なんだあいつァ!?何をしたー!?」
さすがにゆったりと座っていたシノ達も思わず立ち上がる。店中が唖然とする中、男は杖を使い、店の入り口まで歩いて行った。店の損害について謝罪と請求先の交渉をしているようだ。
「能力者……」
「何の能力だコリャ」
「おっさん、強ぇなぁ!何者なんだ!?」
「へへ、そいつぁどうやら言わねぇ方がお互いの為かと存じやす」
そう言い残し店を後にした。何者かはわからないがただものではないことは確かだ。どこかで見たことがあるような気もするが全く思い出せない。あれだけ強ければ新聞に何かの機会に載っていてもおかしくはないのだが。
「ん!?一本足りねぇ!!」
「どうしたのでござるか?」
「刀がねぇんだよ!!ここにあった秋水が!!」
「あ、私のブレスレットもない!!!!」
今の騒動のうちにスリが発生したらしい。ゾロ以外にもあちらこちらでバッグやら財布やら時計やら、いろいろと盗まれている。かくいうシノも、ローに貰った大切なブレスレットが腕から消えていた。なぜ気付かなかったのか。
「みんなやられたみたいだな。妖精が持ってったんだよ」
「なんだよそりゃ!?妖精ってのは盗人の名前か!?」
「妖精はドレスローザの守り神、彼らのやることにゃ目を瞑らないといけない」
「冗談じゃねえ!!!」
この国の人間ならばそうかもしれないが旅人としては守り神等知ったことではない。しかもよりにもよって、ゾロと錦えもんにとっては大事な刀だ。はい、そうですかと言って許せるものではない。シノにとっても、ローに貰った大切なものだ。何としてでも取り返さなければならない。
「欲張ったな妖精……逃さねぇぞ!!!」
「ゾロくん、一人じゃダメだって!!」
「てめぇを一人で彷徨わせる時間はねえんだよ!!」
「犯人を見つけたか!ワノ国の宝、何人にも渡さぬぞ!!」
工場と侍の捜索を一旦放置して、ここに海賊と妖精の鬼ごっこの火蓋が切って落とされた。
Tobe continued...
1/1ページ