時代の終わり
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ルフィとジンベエの手術は夜通し何時間にも及んだ。海の中なので実感はないが、終わった頃には日も昇っている時間帯になっていた。シノも出来る範囲でサポートに入っていたが、執刀医のローの疲れは比にならない。倒れこそしないが、壁に寄りかかり座り込んで目を閉じるローに、タオルと水を渡した。
「キャプテン、シャワー浴びる?」
「いや、いい……お前もちょっと休め」
「座ったら寝ちゃいそうなんだけど……」
「必要なら起こすから構わない」
そこまで言われたらと、ローの横に腰掛ける。さすがに本当に眠るわけにはいかないが、少しくらい休んでも良いだろう。他にもオペ室内で何名か転がって寝ている者もいるが、皆死んだように眠っており、ぴくりとも動かない。
「このあと、どうしよっか……?」
「……………」
勢いで二人を受け取り手術をしたはいいが、目を覚ますまでまだ時間がかかるだろう。絶対安静の間に、海軍が追ってこないとも限らない。それこそ大将にでも来られたらどうしたものか。
「そもそも世の中もこれからどうなっちゃうんだろうねー……」
「……さぁな」
「新世界に白ひげの島っていっぱいあったんだよね?それが取り合いになるんでしょ?」
「真っ先に動くとしたら黒ひげだろう」
「黒ひげかぁ……」
少しの間だけ七武海にいた男。白ひげの能力を奪い、これからは新世界を目指していくのだろう。今回の件で、安定した縄張りがあり新参者に厳しいという新世界に大きな穴が空いた。ここぞとばかりに食い合いが勃発するはずだ。
「……なんか嫌だなぁ」
白ひげのおかげで海賊に襲われることもない平和な島もあっただろう。それがあの黒ひげや血気盛んな別の海賊達に襲われていく。こうして時代が変わっていくのか。今まで以上に混沌とした海賊時代がやってきそうだ。
ぽつりぽつりと会話をしていると、急に船が浮上していくのを感じた。
「……船が浮上したな、誰かきたのか」
「追手相手にわざわざ浮上するようなことはしないと思うけど……」
手術中のそこら辺の判断は全てベポ達に任せてある。騒ぎにはなっていないので、追手ではないのだろうが、何もないということはないだろう。ローは血まみれの手でコップの水を一気飲みほした。
「……一応行くか」
「りょーかい!」
もっと休んだ方が、と言いたいが、実際問題、麦わらのルフィを匿っている状況のため、油断ならない。海軍では無いにしろ、このタイミングで現れた船が、今回の一件に関係ないはずがない。刀を持っていないローに代わり、いつでも戦えるようシノは腰に帯刀しておく。
外に出る扉を開けると、完全に日が昇っており、眩しい。思わず目を細めて見た先にいたのは、王下七武海のボア・ハンコックだった。マリンフォードから追いかけてきたようだ。何やらベポ・シャチ・ペンギンの3人と会話している。話を聞く限り、どうやらルフィの容体を気にしているようだ。
状況を察したローが、べポ達に代わり回答する。
「やれる事は全部やった。手術の範疇では現状命は繋いでいる。――だが、ありえない程のダメージを蓄積している。まだ生きられる保証はない」
「…………!!」
麦わらのルフィとボアハンコックの関係性は不明だが、少なくとも敵ではないようだ。ローの言葉に不安そうな表情を浮かべるハンコック。そんな憂う表情すら美しく、同じ女性でありながらもつい見惚れてしまう。
「それは当然だっチャブル!!ヒィーハー!!!」
「誰ー!?」
「インペルダウンの囚人達じゃ……ルフィの味方のようじゃ。軍艦に忍び込んでおった」
突然軍艦から顔を出してきた紫髪の迫力のある大きな顔の人間。確かルフィ達と共に乱入してきたうちの一人だ。麦わらのルフィはかなり顔が広いようだ。大きな人は、大きさの割にかなり身軽なようで、軽くポーラータング号に飛び乗ってきた。なんとなく見た目が怖くて、シノはシャチとペンギンの後ろに隠れた。
ルフィは、インペルダウンの時点で相当な傷を負い、立つことすら不可能な状態だったらしい。兄エースを救い出すために潜りこんだインペルダウン。移動させられたエースを追ってやってきたマリンフォード。ようやく手が届いたと思ったら、目の前で自分を守るために死んでしまったエース。体だけではない、心も崩壊しかねない出来事だ。
「なんという悲劇じゃ……出来るものならわらわが身代わりになってあげたい……可哀想なルフィ……」
「「いいなぁ……海賊女帝にあんな風に思ってもらえて」」
「本当昔から好きだよねぇ、ハンコックのこと」
「当たり前だろ、男の憧れだ!!」
まぁ気持ちはわかる。あんなに綺麗な人に思ってもらえるとは。友人などではなく、ハンコックはルフィに恋をしているのだろう。あの美しい姿から溢れる出るオーラがそう語っていた。
「恋する乙女は可愛いよねェ……」
「なんの話だ?」
シャチとペンギンには分からないらしい。そもそもあの海賊女帝があれだけ心配する時点でかなり分かりやすいと思うのだが。男女差なのか、単にこの二人が鈍いだけなのか。ハンコックと少し話してみたいが、さすがに恐れ多く、近寄りがたい。
「ところでヴァナタ麦わらボーイとは友達なの……?」
大きな人がローに声をかける。向こうからしたら当然の疑問だ。あの場所でルフィを連れ出すこと自体、正気の沙汰ではない。自分達もターゲットにされて壊滅しかねない状況に飛び込み、高度な手術までやり遂げたのだ。
「……いや、助ける義理もねェ……親切が不安なら何か理屈でもつけようか?」
「いいえ、いいわ。直感が体を動かす時ってあるものよ」
ローの正直な答えに納得したらしい。話がわかる人で助かる。もし理由があったとしても深くは追求してこなかっただろうが。
その時、背後からガタガタと音がしてシノは振り返った。船内からこれまた大きな男が出てくる。先ほどまで手術をしていたジンベエだ。包帯だらけの体でこんな所まで歩いてきたのか。
「ちょっとジンベエさん!まだ動いちゃだめですよ!?」
肩で息をするジンベエ。まだ傷口もちゃんと塞がっていない。立っているのもやっとであろう。シノの力では頼りないが少しでも体を支える。服や腕にジンベエの血がついた。やはりまだじんわりと新しい血が出ているようだ。早くベッドに連れ戻さなければ。ちらりとローを見る。
「北の海のトラファルガーローじゃな。ありがとう、命を救われた……!!」
「寝てろ、死ぬぞ」
「心が落ち着かん、無理じゃ……」
ジンベエにとってもエースは大事な人だったのかもしれない。あの戦いに参加していたという事はそういう事なのだろう。そしてインペルダウンからルフィと共に出てきて、最後は命懸けで逃がそうとしていた。ルフィのことも心配なのだろう。出てくる時に、まだ意識の戻らないルフィを見てきたはずだ。包帯を巻いているとはいえ、その傷の酷さも見ただろう。
「――ルフィ君の心中は計り知れん……あの場で気絶した事はせめてもの防衛反応じゃろう……命を取り留めても、彼が目覚めた時が最も心配じゃ……」
体の傷は治せても、精神面のケアは出来ない。自分で乗り越えるしかない。仲間達とも離れたこの状態で、ルフィがどういう反応をするか、あまり彼を知らないハートの海賊団では、皆目見当もつかない。
「ケモノ、電伝虫はあるか?」
「あるよ!あ………あります、すみません」
いない間に、ベポの身に何があったのか。ハンコックに怒られたのか。やたらと低姿勢で回答するベポ。
「九蛇の海賊船を呼べばこの潜水艦ごと凪の帯を渡れる。ルフィの生存が政府にばれては必ず追手がかかる。わらわ達が女ヶ島に匿おう。わらわがまだ七武海であるなら、安全に療養できる」
ボアハンコック率いる九蛇海賊団の住む女ヶ島アマゾンリリー。凪の帯にあり、用がない限りはわざわざ誰も近寄らない場所にあるという。ボアハンコックが王下七武海から外されていなければ、協力している事自体がバレていないので、追手がくることもない。匿うにはもってこいの場所だ。ハートの海賊団としても、ルフィの容体が安定し、意識を取り戻すまでは確認しておきたい。
こうして、九蛇海賊団の護衛の元、ハートの海賊団は凪の帯を抜け女ヶ島に身を置くことになった。大きな人ことイワンコフとその仲間達はルフィを生かすという役目を終え、自分たちの島へ帰って行った。あとから聞いた話によると、あの人は革命軍の幹部だったようだ。ただものではない雰囲気はそのためだったのか、大きさによる圧だったのか。
女ヶ島は男子禁制の島であるため、本来であれば入ることを許されないのだが、ルフィの療養のためという緊急特例により、湾岸の停泊を許可された。島の端に幕を張り、それより先には入らないことが条件だ。シノも性別は問題なくとも別の海賊団の一員ということで、中に入る許可はおりなかった。
麦わらのルフィはというと、数日後、目を覚ました。エースが死んだ直後に気絶したことでまだ混乱しているようで、エースの名を叫び、暴れ回っている。ハートの海賊団で止めにかかるものの、億超えの男はそうそう止まるものではない。
「あれを放っておいたらどうなるんじゃ……?」
「………まぁ単純な話、傷口がまた開いたら今度は死ぬかもな」
「………」
「まぁルフィ君の中で整理する時間が必要なんだろうね……」
それにしても、あのまま暴れ続けていたら、それこそ傷が開くのも時間の問題だ。気持ちはわかるが、それで死んでしまっては今度は仲間達が悲しむ番だ。スッと横に座っていたジンベエが立ち上がる。
「ジンベエさん?」
「ルフィ君を見てくる」
あれからちゃんと大人しくしていたジンベエの傷はだいぶ塞がってきただろう。それでもまだ無理は禁物だ。二人の関係性はまだ謎のままだが、ルフィのことはジンベエに任せるしかない。ロー達が口を出すことではないのは確かだ。幕の外へ走っていくルフィをゆっくりと追いかけるジンベエ。その姿を見送った。
「にしてもよく意識戻ったよね」
「あの様子だとまだ油断できないが……まぁ何とかなるだろ」
じっと麦わら帽子を見るロー。よく見ると何箇所か補修されている。彼のトレードマークとなっているそれはずっと一緒に冒険をしてきたものなのだろう。丁寧に直して大切に大切にされてきたのが伝わってくる。あのルフィが直せるとは思えないので、仲間の誰かが直してあげているのだろう。
「ねぇ、キャプテン。……Dってなに?」
シノの発言に明らかに動揺した。眉をひそめてこちらを見ている。無意識で口に出した言葉だったのかもしれない。
「さっき、ルフィ君助ける前に言ってたの聞こえちゃって。考えてみたんだけど、ルフィ君の名前に入ってるDのことだよね。エースも入ってたけど」
「……Dはまた必ず嵐を呼ぶ……」
「何?それ」
「何なんだろうな、俺が知りてェ」
「……そっか」
多分、これ以上聞かない方が良いのだろう。本心からの言葉に聞こえた。ローはまた麦わら帽子に目線を落とした。
「いやー……しかしここが噂の女ヶ島。本当に女だらけの九蛇海賊団、いい〜匂いだったな〜♡」
「夢の女人国、覗いてみてェなァ♡」
「死ぬぞお前バカだな♡」
「メスのクマいねェかな」
「女人国だよ!!!」
盛り上がっているクルー達。やはり男性にとってこういう環境は憧れなのだろうか。ローに聞いたところで、今は何か考えている様子なので、何も回答は得られないだろう。
「私もちょっと入ってみたかったなぁ」
「いや、お前なら行けるかもしれねェ、カメラ持ってちょっと行ってきてくれよ」
「いや、そんな本気な顔されても怖いんだけど」
どこから出してきたのか。真面目な顔ですっとカメラを手渡された。この島の女性は皆強いと聞く。忍び込んだのがバレたら一瞬で捕まって石にされそうだ。
その後もジンベエもルフィも帰ってこず、何事もない時間が過ぎていく。最初こそワイワイ騒いでいたクルー達も暇を持て余してゴロゴロしてみたり海を眺めたり、様々だ。シノも暇すぎて昼寝をしていたところ、突然海の方から大きな音がして飛び起きた。ペンギンが双眼鏡で状況を確認する。
「見ろ!大型の海王類だ!」
「何やってんだ!?喧嘩か!?」
「死んだ!何かにやられたぞ!?」
倒れた海王類が浮かんでいる。双眼鏡を使わなくてもぼんやり見えるので相当大型のものだろう。しばらくすると、湾岸の崖の下の海でもザバァと音がした。波がぶつかる音ではない。
「え、人!?」
「いやぁ、参った!船が嵐で沈められてしまってね。泳ぐハメになってしまった。思うほど体が動かんもんだな、年をとった」
「め、冥王レイリー!?!?」
シャボンディ諸島であったあの伝説の男の登場にあたりがざわつく。会ったのはローとシノとベポとシャチとペンギンだけなので、それ以外のクルーは初対面だ。水浸しのコートを片手に悠々と歩いてくるその姿はパッと見ただのおじさまである。
「嵐!?凪の海に嵐はねェぞ!?そんな遠い海で遭難してずーっと泳いできたのか!?」
「じゃあさっき海王類と喧嘩してたのもあんたか!!」
こちらのこと等我関せずでコートを絞る。また着る気なのだろうか。
「あの、タオル使います?」
「あぁ、悪いねお嬢さん、助かる」
「いえいえ」
シャボンディ諸島からここまで、途中までは船といえど、海王類がうようよいる海も含め泳いで来られるものなのだろうか。今度地図で距離を測ってみることにする。
「それで、レイリーさんはここになんのご用で?一応男子禁制らしいんですけど……」
「あぁ、そうそう。ルフィ君がこの島にいると推測したのだが」
「!?」
レイリーはそう言って爽やかに笑った。推測とは言っているが、彼にとっては、ほぼ確度は高かったのだろう。そうでなければ泳いでこんなところまで来るわけがない。そして、こんな場所にいるハートの海賊団を見て確信したはず。
「……麦わら屋にこれを」
ずっと座って様子を見ていたローが立ち上がり、レイリーに預かっていた麦わら帽子を渡した。
「なんだ、もう出るのか」
「あぁ。傷が開かないよう、あと二週間は安静を続けるように伝えておいてくれ」
「ルフィくんに挨拶していかないの?」
せっかくの縁なので、混乱していない状態のルフィともちゃんと会話しておきたかった。ジンベエとももう少し話してみたかったし、あわよくばハンコックとも会話してみたかった。が、ローの気持ちは変わらないらしい。全員で撤収準備を開始する。
「じゃあレイリーさん、お会いできて光栄でした。ルフィ君達にもよろしくお伝えください」
「礼儀正しいお嬢さんだな。縁があればまた会えるといいな」
「ぜひ!!」
レイリーにもルフィにも、また会えると嬉しい。シノは深々とお辞儀をして、こちらを見ながら待っているローに駆け寄った。
「何話してたんだ?」
「ルフィ君に宜しくって話とレイリーさんともまた会いたいですって伝えてきた。サイン欲しかったなぁ」
「またサインコレクション増やす気か」
部屋に隠してファイリングしている手配書のサインコレクションがバレているらしい。呆れた顔でこちらを見られたのでつい目をそらした。
手を取られたので、一緒にローの能力で崖の下の船に運んでくれるのだろうと待っていたシノ。しかし、一向に移動する気配がない。
「え、何?どうしたの?」
「…………」
回答はない。しばらく右手をじっと見ていたかと思えば、目が合った。何か言いたげな目で見られる。恐らく何か心配事があるのだろう。何か心配をかけるようなことをしただろうか。
「……あの、私はずっと握って貰ってても良いんだけど、一応そこにレイリーさんいるからね?」
そう言うと、パッと離された。船にいるクルー達からは見えないが、ルフィが来るのを待ちながらコートを乾かしているレイリーには丸見えだ。離されるのはさみしいが、あとでレイリーがいることに気づいたローの心情を察するに、早めに伝えておいた方が良いだろう。
「いや、私は気にせず続けてくれて構わないよ」
若いなぁと気持ち良いくらいに笑うレイリーの言葉に、ローが罰が悪そうな表情を浮かべていたので、思わずシノも笑ってしまった。
「船で死にそうな顔してただろ」
「あー、それか」
マリンフォードの沖にいた時の事だろう。震えがバレないようわざわざべポを掴んだというのにバレていたようだ。何と伝えればいいか、と考える。
「さっきもちょっと話したけど、世の中どうなっちゃうんだろうなぁって思ったら何か……もやもやしたというか、怖かったというか……これから私たちも新世界に行くわけだし余計いろいろ考えちゃって……」
エースや白ひげの死自体というより、時代が動く気配を感じて漠然とした不安に襲われたのだ。その後はあまりに忙しすぎてそれどころではなくなってしまったので、ひとまず考えるのをやめていたのだが。
「一つの時代が終わるのを目の当たりにしたんだ、当然の反応だよ」
「……正直、まだ実感わかないです」
「新時代が来るぞ、……君たちの時代だ、ゆっくり悩みながら進むがいいさ」
レイリーの言葉にも実感はわかないが、時代が動き出すのは確かなのだろう。白ひげの死により新世界の勢力図は大きく変わる。今回助け出した麦わらのルフィも含め、ローも新時代を担っていくのだろうか。今のシノには、話が大きすぎて全く想像がつかなかった。
「……シノ、行くぞ」
「あ、うん。レイリーさんありがとうございました」
「君たちの活躍を新聞で見るのを楽しみにしているよ」
爽やかな笑顔で見送られ、改めて深々とお辞儀をする。ローはシノの腕をつかむと、能力で船へ移動した。
****
「えー!?まだ入らないんすか!?新世界!!」
あのあと、すぐに女ヶ島を離れることになった。イッカク達を迎えにシャボンディ諸島へ戻ってきたポーラータング号。無事合流を果たし、次の行き先を確認したクルー達が驚きの声を上げる。
「時期を待つと……そう言ったんだ。慌てるな、ひとつなぎの大秘宝は逃げやしねェ」
良い天気の中で昼寝をしているべポを枕にするロー。
他のルーキー達は一足先に新世界へ繰り出したと聞いた。大小さまざまな事件を起こし新聞に載っているのをみた。もちろん麦わらのルフィも新聞に載っていた。新世界ではなく、マリンフォードにジンベエとレイリーと共に現れた、広場の鐘を16点鐘し黙祷したらしい。これに一体どんな意味があるのか。
「でもホラ、早速黒ひげの奴らが暴れだして……」
「潰しあう奴らは潰しあってくれりゃいい。つまらねェ戦いには参加しねェ……ゴチャゴチャ言ってねェで黙って俺に従え……取るべきイスは……必ず奪う!!」
「「「キャプテン~♡」」」
すぐに新世界に入ると思っていたので予想外だった。正直、シノとしては、ローのこの選択にホッとした。せめてこのもやもやをもう少し整理出来るまでは、新世界に入りたくなかった。まさかそこまで考えてくれたのだろうか。とはいえ、わざわざ聞いた所で答えてはくれないだろう。
こうしてハートの海賊団はまたしばらく前半の海を冒険することとなった。彼らの物語がまた動き出すのは、二年後。麦わらの一味が再び現れるのと時を同じくして、大きなことを成し遂げようと動くことになるのだった。
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