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その役目を担うのは
おなまえは?
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反膜に包まれたあの日から何日が経っただろうか。
虚圏は常に夜のせいか日付感覚がない。
一護達は無事だろうか?
そんな事を思いながら今日も今日とて何もしない時間だけが過ぎていく。
「失礼します。」
「…ご飯なら要らないよ。」
「……。」
黒髪ツインテールの女の子が私を睨む。
きっとこの子は惣右介が好きなのだろう。
だからこそ、その惣右介に匿われている私が憎くて仕方がない。
けど彼女は分かっている。
私に手を出したら惣右介に殺されると。
「破面(アランカル)…か…。」
虚圏に来てから出会った彼らは普通の虚とは比べ物にならないくらいの力を持っていた。
そしてその強さは今も尚、進化している。
おそらく惣右介が崩玉を使って色々試しているのだろうが、私はこの部屋から出られないためそれ以上を知ることは出来ない。
「何や、まァた食事も食べんと考えごと?」
「…市丸。」
「ギン、って呼んでくれへんの?藍染隊長の事は昔みたく惣右介って呼んどるのに。」
「毎日同じ会話を繰り返して楽しい?」
「そら楽しいに決まっとるやろ。大好きな名前さんとお話出来るんやから。」
フラリと部屋の中へ入ってきた市丸の言葉に思わず顔をしかめる。
しかし相手はそんな私を見ても目のシワを深めるだけで部屋から出ていく様子は見られない。
いつもこうだ。
フラリと部屋に入ってきて、中身のない会話を繰り返した後に部屋を出ていく。
おそらく惣右介から許可は取っているのだろうが、こう毎日来られる私の身にもなって欲しい。
「その首飾り、調子はどうやろか?」
「…おかげさまで近くの相手の霊圧を確認することすら億劫だよ。」
「睨むんならボクやなくて藍染隊長にしてくれへん?ボクは藍染隊長に言われて技術者に作らせただけなんやから。」
「技術者、ね…。まさか破面の中に技術者まで存在するとは思わなかった。」
「優秀やで、彼ら。きっと名前さんが思ォとる何十倍も優秀で、厄介な子ォたちや。」
市丸のその言葉につい首についた飾りに触れる。
私が護廷十三隊時代、喜助さんに作ってもらっていた霊圧制御装置に似たソレは私の霊圧をしっかりと抑え込んでいる。
そしてそれを作ったのが1人の破面だと聞いて、それまで破面=虚と考えていた私がいかに甘かったのかを痛感させられた。
惣右介は本気だ。
本気で護廷十三隊を敵に回して、そしていずれこの世界自体を破壊・支配しようとしている。
「(何としても止めないと…。)」
「なァ、名前さん。」
「…なに?」
「もし藍染隊長が死ぬなら、自分の手で殺すんと他の誰かに殺されるんと…どっちがエエ?」
「!」
「そんな顔せんでも…ただの世間話や。」
“ほんの少し、気になっただけ。”
そう呟いて部屋を出ていく市丸に、私の眉間に刻まれたシワがさらに深くなったのは言うまでもない。