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独占欲のかたまり
おなまえは?
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弔は見捨てられた子だと、あの人は言っていた。
だから優しくしてあげなさいと。
私も親から捨てられた子供だったから、その辛さは痛いほど分かった。
「弔、くん…?あのね、今日から私がずっと、アナタのそばにいるよ…?」
「!」
「私の名前は名前、今日から私は弔とずっと一緒の運命共同体ってやつなんだって。…よろしくね…?」
私が伸ばした手を、迷いながらも掴んだ弔。
あの時の気持ちは今でもしっかりと覚えている。
「(けど…。)弔、痛い。」
「あ…?」
「あ?じゃなくて…私の腕を噛みちぎるつもりなのかな、弔くんは。」
「手加減してやってる。そもそもこれは浮気したお前への罰だ。」
「(ただ喫煙所で同僚と話してただけなのに…。)わかったから、もう少し待っててよ。この仕事終わらせるから。」
「お前の第一優先は俺だ。そうだろォ?先生もそう言ってたじゃねェか。」
「その先生への報告メールなの。大人しく待っててくれないといつまでも終わらないよ。」
そう呟いて、寝る前だからと何もつけていない彼の頭をクシャリと撫でる。
その間ももう片方の腕はギリギリと噛まれているわけだけど、噛む力は弱まったかもしれない。
「名前、お前は俺と先生どっちの味方だ。」
「!…なに分かりきったこと聞いてるの。」
「いいから答えろ…、どっちだ。」
やっと解放された腕を撫でていればグイッ…と無理矢理顔をあげられる。
もう片方の手は私の背中へと回り、これはお預けは聞かないなと先生への報告メールを諦めた。
「私は弔と運命共同体…どんな時も何年経ってもずっと弔のそばにいるよ。」
「…上出来だ。」
「んうっ…んっ…/////。」
とりあえず先生へのメールは明日の朝にしよう。
今はこのワガママな彼の欲求を満たしてあげて、アナタは必要な人間だと自覚させてあげなくては。
「っ… 名前っ…。」
「と、むらっ…す、好きっ…だからぁっ…っ…あっ…愛してるっ…。」
「はっ…お前はっ…一生オレのモノだっ…。」
激しく愛されながら何度も落ちてくる口づけに、独占欲が強いのは弔だけじゃないかもしれないと。
そんなことを考えながら、夜中アナタの熱にうかされる私は存外幸せ者なのかもしれない。
「…で、報告メールが遅れた訳だね。」
「…スミマセン…。」
「仲が良いのは良いことだけど、自分の仕事を蔑ろにしてはいけないよ、名前。」
「はい…。(そしてもちろん次の日怒られるのも私の役目なんですけどね…。)」
END
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