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どっちもどっち
おなまえは?
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そもそも弔くんと出会ったのはごく普通の街中で、最初はヴィランだなんて知らなかった。
その時の私はまだ高校生で、世間の闇なんてものを知らなくて…。
道を尋ねてきた男にフラフラとついて行き、路地裏に入った瞬間に襲われそうになった。
「お前さァ…普通分かんだろ。」
「っ…あ、りがとうっ…ございますっ…。」
「はぁっ…泣くなよ、めんどくさいから…。」
「っ……。」
たまたま通りかかった弔くんがその男を崩して、私は頭がパニックになって、そんな私を弔くんは泣き止むまで隣で見ていた。
“今日は気分がいいから助けただけだ。”
そう言ってどこかへ行ってしまった弔くんに、プロヒーローのプライベートを見てしまったのでは…なんて勘違いまでした当時の私は本当に何も知らなかったのだと思う。
本当にプロヒーローならば人を崩して存在を抹消するなんてことしないし、泣いている女性にめんどくさいなんて言わない。(…たぶん。)
とまぁそんなこんなでヒヨコの刷り込みよろしく私の中に入ってきた弔くんは、何やかんやあって私の恋人となった訳だが…。
「(…正直、ここまでデレるとは思わなかった。)」
「なァ名前、聞いてんの?」
「ごめん、聞いてなかった。」
「だから、この男誰?なに会う約束とかしてんの?」
「それ大学の先輩。去年の資料貸してくれるっていうから大学内で待ち合わせしてるだけだよ。」
「はぁ?こんな堂々と浮気かよ。」
「今の聞いて浮気だなんて言う人、弔くんぐらいだからね本当に。」
私を膝に乗せたまま毎日恒例の携帯チェックを進めていく弔くんに息を吐く。
今のところ実害は出ていないが、もし浮気を疑った弔くんが私の周りの誰かを傷つけたらさすがに怒らなくてはならない。
そんなことを思いながら不機嫌そうにシワがよっている弔くんのおでこにキスを落とす。
でも、何だかんだ嫉妬されるのは悪くない。
「だから、もっと心配してよ弔くん。」
「はぁ?言っておくけどさァ、これ以上心配かけたら大学も行かせねェよ?」
「それは困るなぁ、まだ大学2年目だし。」
「俺のものになるなら関係ねーじゃん。」
「関係大ありだよ。元一般人の私が弔くんの役に立てるのは知識だけだもん。」
「別にそういうのは要らねぇ。」
「弔くんはいらなくても私はあげたいの。だからたくさん役立てて、それで用済みになったら弔くんの手で私を殺して。」
“それが私の幸せだから。”
そう言って微笑めば弔くんの顔が嬉しそうに歪む。
狂ってんな、なんて口では言うけれど…この言葉を私が言うと弔くんはご機嫌になる。
そんな恋人が可愛くて、私は今日も彼のワガママを笑って受け入れるのだ。
END
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