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メンヘラ王子
おなまえは?
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部屋に入ってすぐ、その違和感には気がついた。
物は何一つ動いていない。
けど、誰かがこの部屋に入った気配がする。
そう思った時には時既に遅し、というやつで…。
隣でニヤけた顔をしていた男の身体から勢いよく血が吹き出した。
「ッ…ゔあ゙ぁぁぁッ…!!」
「ししッ…男の趣味悪すぎ。こんな奴相手に浮気とかマジ許せねェわ。」
「…ベル、なんでここにいるの?」
「何でって、浮気してるお前をぶっ殺しにきたに決まってんじゃん♪」
「そうじゃなくて…なんでここが分かったの?」
「あー…愛の力?」
「怒るよ。」
「んじゃァ…愛のGPSの力?」
そう言って笑うベルフェゴールに呆れて息を吐く。
この男、ずっと面倒な男だとは思っていたがとうとうストーカー気質まで手に入れたのか。
どうりで朝、窓から飛び降りた時に追いかけてこなかった訳だ。
「…で?コイツに何許したワケ?」
「なにも。」
「嘘つけよ。さっき腰に手回されてただろうが。」
「…それだけだよ。」
「あ゙ぁ…ムカつく。こんな汚ぇ手でコイツに触んじゃねェよクズが…!」
「あ゙ぁッ…!!」
身体中を切られ倒れていた男の手をベルが思いっきり踏みつける。
その瞬間聞こえた鈍い音と男の悲鳴に、これはもう仕事どころではないなと肩を落とした。
とりあえずベルのせいにしておこう。
ベルはこれでも幹部だし、責任もってファミリーごと潰せばボスも文句は言わないよね。
「誰に連絡してんの?新しい浮気相手?」
「ボスに。ベルのせいでターゲット死んだって言い訳しておくの。」
「は?王子がボスにキレられんじゃん。」
「だってベルのせいでしょ?」
「違ェよ。名前が王子の連絡ガン無視してコイツと浮気したせい。」
「仕事だって言ったでしょ。」
「仕事でもダメなもんはダメなんだよ。お前は王子のもんなんだから、王子以外に触られんの禁止。」
そんな呆れた言い訳を繰り返すベルに息を吐いて部屋の荷物をまとめる。
とりあえず早いとこ此処を出よう。
そう考えて足元に倒れている男が未だ息をしていることに気がついて、その胸元に隠していた自分の短剣を突き刺した。
「ししッ…容赦ねェな、相変わらず。」
「仕事だからね。それよりベルもホテルとってるんでしょ?そっちに移動しよ。」
「いいけど…浮気した罰で明日の夜までは絶対に離さねェよ?」
「いいよ。どうせすぐ帰ってもボスに怒られるだけだもん。スク先輩に犠牲になってもらお。」
「やり〜♪ 名前のこと独り占め出来るとかコイツもいい仕事してくれたわ。」
“ありがとな♪” と息絶えた男にヘラリと笑って私を抱きしめるベルフェゴール。
きっと明日の夜までとかいって、もう2.3日引き延ばそうとしているのだろうが…早ければ明日の午後にでもボスからベルに連絡がいくだろう。
そしたら今度はベルの方が仕事に行かなければならなくなる。
「(だからそれまではこのメンヘラ王子に付き合っておいてあげよう。)」
そう考えてホテルに移動した1時間後、超絶不機嫌になったベルフェゴールを連れてヴァリアーのアジトに帰ったのはまた別のお話です。
END
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