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未知なる世界
おなまえは?
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ドサッ…と降ろされたのは相変わらずフワフワな絨毯の上だった。
しかしこの部屋へ入るための扉はボロボロに壊されていたし、部屋の前には何人かの人が倒れていた。
私を担いでる銀髪サラサラ男はそんなこと気にせず素通りしていたが、私から見たらそれはもう地獄絵図でしかなかった訳で。
気がつけば目からポロポロと涙が零れてしまっていた。
「……おい、カス鮫…。」
「ゔぉぉぉい!待てXANXUS!!コレは俺のせいじゃねェ!!」
「っ…っ……。」
「…… 名前…。」
「!っ…は、はいっ…。」
大きな椅子にふんぞり返って座るその人に名前を呼ばれてビクリと身体を強ばらせる。
その姿を見ただけでもこの人が銀髪サラサラ男のいうボスであるということを理解出来た。
「……十年バズーカか…。」
「みたいだなァ…。」
「……カス鮫、テメェは出ていけ。」
「!あー…、だがーーーー。」
「うるせェ。」
銀髪さんが喋りかけた瞬間、ヒュンッ…とボスさんが投げたのはお酒の入ったグラス。
驚いて声もあげられずにいた私を他所に、そのグラスは吸い込まれるように銀髪さんの頭に当たった。
「ゔぉぉぉい!いちいちグラス投げんな!!」
「…うるせェ。」
「!チッ…勝手にしろっ。」
「!えっ…。」
ボスさんにキレて、さっさと部屋を出ていく銀髪さん。
私を置いていくのかと声をあげたかったが、後ろからの威圧が強すぎてそれすらも叶わなかった。
「(ていうかグラス当たって無傷って何っ…グラス投げるとか何っ…!!)」
「…… 名前…。」
「!……え…?」
混乱して脳内パニックを起こしていればもう一度呼ばれる私の名前。
先程と同じ人が同じように呼んでいるはずなのに、何故かその声はどことなく優しく私の鼓膜を揺らした。
「……こっちに来い。」
「えっ…あのっ…。」
「来い。」
「!!っ…は、いっ…。」
見ず知らずの怖い人に呼ばれて、本当に怖いはずなのに身体は自然とその人の元へ向かっていく。
なんだか、磁石みたいだ。
そんなことを考えていれば、流れていたはずの涙もいつの間にか止まっていた。
「……。」
「っ…あのっ…。」
目の前に立てば上から下までしっかり見つめられ、近所だからと適当な服で出掛けたことを後悔する。
いや、そんなこと考えている場合じゃないんだけども。
そう考えて視線をあげればその人の顔の古傷が視界に入り、思わず眉を寄せてしまった。
「っ……。」
「…どうした。」
「あ…そのっ…傷跡っ…。」
“痛そうだなっ…て…。”と掠れる声で呟けば相手はジッ…と私の顔を見つめる。
最初から思っていたが、この人すごく美形だ。
そう思った途端に私の顔はカァァアッ…と熱を帯び始め思わず片手で顔を覆う。
「… 名前。」
「へっ…えっ…まっ…/////!!」
グイッ…と引っ張られ、近づく顔。
このままキスさせるっ…!!と身体を強ばらせた直後、ボフンッ…という音がして私の周りがピンクの煙へと包まれました。