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キミが好き
おなまえは?
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病院から出てすぐに自分のヒーロー事務所へと電話を掛ければ、事務員さん達はかなり焦っていた。
昨日の夜から仕事をしていた僕は知らなかったが、今日発売の雑誌に僕が近々結婚するという内容を含んだインタビュー記事が載っているらしいのだ。
“ 結婚したい人がいる、僕はすぐにでも結婚したい・・・みたいなことインタビューで言いました? ”
困ったような事務員からそう聞かれ、インタビューを受けた時のことを思い出す。
確かあの日は名前ちゃんが僕の家に泊まってくれた事で、かなり機嫌が良かった。
だからこそいつもは答えないプライベートな事にもつい答えてしまった・・・気もする。
「(そういえば恋人のこと聞かれて・・・結婚したいくらい好きとか、結婚するなら早くしたいとか・・・言った気がする・・・。)」
“とりあえず事務所はメディアが押し掛けてきているので今日は大人しく家に帰ってください。”
「あ、うん。・・・何かあったら連絡して。」
プツリと通話が切れたことを確認してから、念の為にと帽子を深めに被り直す。
名前ちゃんに結婚の話をしたことは無かった。
僕はヒーローとして忙しい毎日だし、彼女も医師として1番大事な時期だと前に話していたから。
でも、さっきのはなかなか堪えたな。
恋人の名前ちゃんに “結婚するの?” なんて聞かれる日がくるなんて思いもしなかったし。
「・・・・・・結婚、か・・・。」
もちろん、結婚するなら彼女しかいない。
だけどヒーローである僕が彼女を幸せに出来るのだろうかと、何度も何度も頭を悩ませた。
「・・・だけど、これはもう今しかないよな。」
自然と頬が緩むのは、彼女が職場で“緑谷先生”と呼ばれる姿を想像してしまったから。
今日の彼女を見て、躊躇っていた自分が馬鹿だったと思い直すことが出来た。
やっぱり彼女を僕だけのものにしたい。
・・・それなら、やるべき事は一つだ。
「(今日は残業もないって言っていたし・・・指輪を買って、名前ちゃんの家で待っていよう。)」
僕が指輪を差し出したら、どんな顔をするのかな。
意外と泣き虫な君の事だから指輪を見た瞬間に泣き出しちゃうかもしれないな。
だけど、泣くほど喜んでくれたら嬉しいな。
「・・・・・・好きなんて言葉じゃ言い表せないんだよ。」
僕はずっと、君だけを愛してるんだから。
その日の夜、差し出した指輪を見た名前ちゃんに 同棲が先だと怒られたのはまた別のお話です。
END
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