↓↓
非合理的な先生攻略
おなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「…久しぶりだな、苗字 名前。」
そう言って微笑む顔には見覚えがあった。
入学してすぐ、USJで私達を奇襲したヴィラン連合…ソイツらを率いていた男。
「死柄木っ…!」
「オイオイ、いきなり呼び捨てかよ。」
「最初に呼び捨てにしたのはソッチでしょっ…。」
「あァ、そうだったかな。」
ピリピリと空気が張りつめているのが分かる。
何故、コイツがここに居るのだろうか。
もしかして街で暴れ回るつもりなのだろうか?
そう思って周りに視線を向けてみるが、死柄木の仲間だと思われる人物は見当たらなかった。
「っ…何の用っ…?」
「そんな警戒しなくても殺したりはしないさ。…ただ勧誘に来ただけなんだから。」
「!か、んゆうっ…?」
「あァ。大人の勝手に振り回されて子供の時から暗殺訓練をさせられていたんだろ?」
「!!」
「実際にヴィランを殺した経験もある…そんな奴がヒーローになんてなれるのか?」
ニヤリ…と笑うソイツに悪寒が走る。
何で、知っているのだ…。
私のことは政府の極秘事項だ、ヴィラン達に情報が漏れることは考えられない。
…だが、コイツは全てを知っている。
その異質な状況に私の頭は冷静な判断が出来ないくらいまでに混乱をしてしまっていた。
「(っ…どうするっ…!?)」
「教えてやろうか?人殺しはヒーローになんてなれない。なぜならお前は、こっち(ヴィラン)側の人間だからさ。」
「!!っ……。」
その死柄木の言葉に、自分の心がグラりと揺れ動いたのが分かった。
コイツの言う通りなのかもしれない。
そう、思ってしまった自分がいた。
「さァ、コッチへ来い。俺達なら、お前をちゃんと使ってやれる。」
「っ……。」
「それとも…俺が何人か壊す所が見たいか…?」
スっ…と指さされた方に視線を向ければ、そこにはいつの間にか小学生くらいの男の子達がいた。
人気のない道だからと油断した私の落ち度だ。
死柄木の個性は触れたものを壊す…。
私の個性とは相性が悪いため彼らを守りながら戦闘をすることは不可能に近い。
圧倒的にコチラの分が悪いな、そう思った時には私の顔に死柄木の手が触れていた。
「…どうする?」
「っ…わかっーーーー。」
「そこまでだ、死柄木。」
頷こうと口を開いた刹那、聞こえた声。
毎日のように聞いているその声に、私の目からは不覚にも涙が流れてしまった。
「チッ…イレイザーヘッドかよ…。」
「悪いがソイツは俺の生徒だ、離せ。」
「おーおー、相変わらずカッコイイなァ…?」
「苗字を離せ。」
「分かったよ…さすがに俺1人でアンタの相手をするのは骨が折れる。」
スルリ…と私の頬を撫で離れた死柄木の手に、私の全身の力が抜ける。
それを相澤先生が受け止めてくれた時には、死柄木の姿はもうどこにもなかった。