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好きのうち
おなまえは?
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俺より3つ年下のコイツは雄英に入学してすぐ話題になった。
頭が切れて、個性も強い。
まさに文武両道を体現したような子だと、プロヒーローたちの間でも話題になった。
周りに興味のない俺のところにまで噂が回ってきて、そんなエリートがいるのかなんて適当なことを思っていた。
「あの、イレイザーヘッドさんですよねっ・・・?」
「!・・・あぁ。」
「はじめましてっ、雄英高校の職業体験でお世話になる苗字 名前ですっ!」
「(苗字・・・って女だったのか・・・。)・・・名乗るなら本名じゃなくてヒーロー名だって教わんなかったのか?」
「!あっ・・・すみません!!」
当時、頭を下げるソイツからプイッと視線をそらした俺はコイツに嫉妬していたのだろう。
頭がきれて個性強くて・・・性格までいいなんて、俺が勝てるところなんて一つもないじゃないか。
・・・なんて、男によくあるプライドってやつだ。
「は・・・?警察・・・?」
「はい、誘われました!」
「・・・プロヒーローになんじゃねぇのか、お前欲しがってる事務所なんていくらでもーーー。」
「雄英にいる3年間、思ったんです。私はプロヒーローよりも警察のが向いてるって。」
「なに、言ってんだ・・・。お前はプロヒーローになるために生まれてきたようなもんだろ。いやそれより、何でそれをわざわざ俺に言いに来た?」
「私、イレイザーヘッドさんに初対面で怒られて・・・そんな人初めてだったので嬉しかったんです。」
“だから、これからも怒ってください!”
・・・そう言って笑ったんだよ、お前は。
コッチの気持ちを知りもしないで、そんな言葉を残してさっさと大学に進学して。
4年経って本当に警察官として現場で会った時、俺はお前に嫌味しか言えなくなっていたんだ。
「・・・おい、起きろ。」
「んっ・・・あと、5分っ・・・。」
「そうか・・・あと5分お前は俺の膝にヨダレをこぼし続けるつもりなんだな。」
「!?」
ガバッ・・・と勢いよく起き上がろうとするソイツの頭を片手で押さえる。
当の本人は何が起きたのか分からず視線だけを俺に向けて、これでもかと言うくらい眉を寄せた。
「おはよう、俺の膝枕で寝た気分はどうだ・・・名前?」
「っ・・・た、大変気持チ良ク眠レマシタッ・・・。」
「それは何よりだな。」
“やっちまった・・・!!” という表情で起き上がろうとするソイツと、頭を押さえて起き上がらせないようにする俺。
傍から見れば変な光景だが、俺にとってはコイツに触れる貴重な機会なのだ。
・・・さすがに病院で押し倒す訳にもいかないしな。
「っ・・・ちょっ・・・何なんですかっ新手の嫌がらせですか!そんなに怒ってるんですか膝枕っ!?」
「俺の膝枕で眠る根性はさすがだよ・・・ヨダレまで付けてくれちゃってサービス精神旺盛だな?」
「それについては本当すみませんでしたッ・・・!!」
ギャーギャーと騒ぐソイツを押さえつつ時計を見れば、まだ朝の6時過ぎ。
とりあえずエリとコイツの飯を見守ってから雄英に戻ってシャワーを浴びる時間はあるだろう。
そんな事を考えながら未だに暴れるソイツに視線を戻してニヤリと笑いかけた。
「貸し、1だな。」
「くっ・・・陰険ヒーローめっ・・・!!」