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好きのうち
おなまえは?
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“・・・・・・という報告でした。”
「・・・わかった。明日の朝イチで各方面からの報告をまとめるから資料集めて私のデスク置いておいて。」
“はい。課長は明日は・・・。”
「1日そっち。だから皆も今日のところは帰って休むように伝えてくれる?」
“分かりました。では。”
「ん。」
プチッ・・・と通話が切れたことを確認してスマホを机の上にのせる。
消灯時間を過ぎた病棟は最低限の灯りしか付いておらず、静かな空気が辺りを包む。
・・・なんだか、こんなゆったりとした時間も久しぶりだと目を閉じれば私の隣に誰かが腰を下ろしたことに気がついた。
「ご苦労さん。」
「・・・それはお互い様です。」
「死穢八斎會の件、まだ落ち着かないのか。」
「まぁ・・・難しいですよ。主犯達は揃ってダンマリ。しかも完成された血清は死柄木 弔率いるヴィラン連合に奪われて・・・お先真っ暗です。」
「・・・無理するな、なんて言ったところでお前には無意味だろうな。」
「よくご存知で。・・・でも、驚きました。」
「何がだ。」
「まるで生徒を心配するみたいに、私のことを気にかけているみたいな発言だったので。」
“まるで新人だった頃を思い出します。” と笑えば、相手も少しだけ口角を上げる。
この人とこんな風に話す時間が心地よく感じてしまうなんて・・・私もだいぶ疲れているようだ。
いつもは出てくる嫌味が、今は思いつかない。
「俺の言った通りヒーローになっていれば、仕事に追われることもなかっただろうが。」
「あはは、確かに。」
「・・・まだ、警察に居るのか。お前ほどの実力なら今からでもプロヒーローとして活躍出来るだろ。」
「いきなりどうしたんですかイレイザーヘッド、まるで私と一緒に仕事したいってラブコールを受けてるみたいな気分です。」
「そう言ってんだよ。・・・お前に警察は向かない。」
そう言って私の頭をクシャリと撫でるその人に、思わずポカン・・・と口を開けて固まる。
疲れ過ぎて幻聴まで聞こえているのだろうか?
あのイレイザーヘッドが、私と一緒に仕事をしたいと言っているっ・・・?
「・・・っていやいやいや!いくら人を騙すのが好きだからってその嘘は合理性に欠けますよ!」
「・・・そうだな。」
「わ、私はこのままここで寝るので、イレイザーヘッドさんは早く帰った方がいいんじゃないですかっ?」
「いや・・・俺も今日はここで寝る。」
“お前も早く寝ろ。” と何故か当たり前のように私の隣で目を閉じるイレイザーヘッドさんに、私の頭も眠気を訴える。
きっとあれだ、イレイザーさんも眠過ぎて思ってもないことを口に出してしまっただけだ。
そんなベタな言い訳を心の中で並べつつ、私もゆっくりと自分の目を閉じた。
「・・・心配するに決まってんだろ・・・。」
夢の中へと落ちていった私にイレイザーヘッドさんがそんな事を呟いていることも知らずに。