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君の決意を知った日
おなまえは?
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重たい瞼をゆっくりと持ち上げれば、そこには心配そうにコチラを見る出久とかっちゃんの姿があった。
私が起きたことで2人はガタリッ…と立ち上がる。
そのタイミングが同時だったことに驚いて目を見開く2人に思わずクスクスと笑ってしまった。
「ね、姉さん大丈夫っ…?」
「大丈夫…今、起きるね。」
「無理すんなっ…!」
「大丈夫。それより…かっちゃん、怪我は?顔ちゃんと見せてくれる…?」
ベッドに座り、その顔に手を伸ばせば無言で顔を突き出すかっちゃん。
見たところ怪我もないし、元気そうだ。
「先生から電話来て、姉さんが脳無にやられたって聞いてっ…ビックリしたよっ…。」
「ごめんね…。」
「…俺のせいで、スンマセンッ…。」
「!かっちゃんのせいじゃないよ、大丈夫。」
珍しく落ち込んでいるらしい、彼の頭を昔みたいに優しく撫でればパシッと掴まれる手。
それに驚いてかっちゃんを見つめれば、かっちゃんは何故か隣の出久を蹴りあげた。
「いだっ…!?」
「くそデクっ!テメェ空気読めやっ!!」
「えっ…!?あ、は、はいっ…!」
“とりあえず母さんに電話してくる!”と病室を出ていく出久を見送る。
空気を読む、とはどういう事だろうか?
そう首を傾げてかっちゃんを見れば、かっちゃんは少し視線を泳がせた後に私の顔をジッと見つめてきた。
「かっちゃん…?」
「…俺はっ、あんな事で死ぬ訳ねェっ…。」
「!…うん、そうだね。」
「だけどっ…少し覚悟したんだっ…あの時、アイツらを前にして少しだけ、覚悟したっ…!」
私の手を握る彼の手が震えている。
きっと本当はすごく怖かったのだろう。
まだ高校1年生なのに…凶悪なヴィラン達に攫われてなお、彼は1人で抗い続けた。
そう思うと少しだけ胸が痛くなって、思わずかっちゃんの手を握り返した。
「っ…その時思ったんだ、俺はもう絶対に後悔するような真似はしねぇっ…!」
「…うん。」
「だからっ… 名前!!」
「!は、はいっ…?」
「良いかっ!!俺はもうアイツらには負けねェ!!お前の事も傷つけさせねェ!!」
「う、うんっ…?」
いきなり何かの決意を話し始めたかっちゃんにとりあえず頷く。
なにかを伝えようとしているのだろうが、寝起きの私の頭はあまり働いていないらしい。
とりあえず聞いていようとかっちゃんを見つめていれば、かっちゃんはグッ…と眉を寄せた。
「だからっ…だから名前!!お前は大人しく俺に守られとけやっ//////!!」
「!…え、と……は…はいっ…。」
「っ…。(コイツ絶対分かってねェっ…。)」
「(結局かっちゃん何が言いたいんだろう…?)」
「っ…だァァァっ!!こっち向け!!」
「えっ……んうっ…/////!?」
乱暴に押し付けられた唇。
目を見開いたらかっちゃんの顔が目の前にあって、恥ずかしくなって目をつぶった。
もちろんキスなんて初めてだしよく分からないけど、かっちゃんが絡めてきた手はあったかくて…幸せな気持ちになってしまった。
「っ…分かったかクソ名前っ////!!」
「えとっ…は、はいっ…//////。」
“なら良いっ!!!” と言ってガタンっと椅子に座るかっちゃんに、私も思わず押し黙る。
手は繋がれたままだし心底恥ずかしいけど、何故か横を向いているかっちゃんの顔が真っ赤だったので、まぁ良しとすることにしました。
「(かっちゃんの顔、真っ赤だし…なんか、どうしよう可愛いんだけどっ…/////!)」
「(やっちまったっ…けどまあ鈍感な名前にはこれくらいやらねぇとなっ…/////。)」
「(かっ…かっちゃんが姉さんにっ…////!!ていうかコレたまたま見てたってかっちゃんにバレたら確実に殺されるっ…!!)」
END
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