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可愛くない後輩の話
おなまえは?
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「・・・という訳でして。」
「なるほど・・・。実際にレシプロ使ってる姿視させてもらうのが1番いいんだけど、どうかな?」
「もちろん構いません!」
ビシッと返事をして少し離れた所で個性を発動させてくれるインゲニウムを視る。
さすが、あのインゲニウムの弟さんだ。
身体のバランスも良いし、コスチューム自体もプロが作ったものをそのまま使っているからか違和感は少ない。
「(ただ・・・すこし重そうだな・・・。)」
「いかがですか苗字先輩!」
「・・・飯田君は速さが売りだよね?」
「は、はい!」
「なら足先をもっと軽くするべきじゃないかな。たぶん攻撃のことを考えているんだろうけど、蹴りの威力はレシプロで上げられるから。」
「なるほどっ・・・!このコスチュームしか付けたことが無かったので重さは考えていませんでした!」
「そうだよね。・・・うん、軽量化だったら2日くらいで終わるし仮免前に調整出来るよ!どうかな?」
「ぜひお願いします!」
ガバッと頭を下げる飯田君に頷いて、次の子の名前を確認して思わず頬が緩んだ。
この子には前々から興味があったのだ。
「・・・爆豪 勝己くん、だよね?」
「・・・・・・だったら何だ。」
「(怖っ・・・!実際に会ったら睨まれただけで普通に怖いんですけどっ・・・!)」
ギロリと睨まれ思わず後ろへ下がる。
いや、体育祭の時とかも見てたし結構怖い子なのは知ってたけども・・・実物100倍は怖いよ。
え、ヒーロー志望だよね?
ヴィランじゃないよねっ!?
「おい爆豪、最近篭手の調子が悪いって文句言ってたろ?せっかくなら見てもらえよ!」
「あ、先輩気にしないでください!コイツ常にクソをドブで煮込んだような性格なんで!それより今度メシとかどうっすか!?」
「え、あ・・・いや・・・遠慮しておきますっ・・・。」
「瞬殺っ・・・!」
ガクッ・・・と膝をつく金髪のアホそうな子に謝っていれば爆豪くんが無言で篭手を構える。
それに反応して視線をあげれば、篭手先から勢いの強い爆発が目の前の壁に向かって飛び出した。
「・・・なるほど。機動力も武器になる君がどうして篭手なんだろうって思ってたけど、爆発出来るのは手のひらだけなのかな?」
「・・・あァ、掌の汗腺からニトロみてぇならもんを出して爆発させてる。」
「(自分のネックになる遠距離戦を考えてコスチュームを考えている辺りさすが・・・。)その篭手、少し触ってもいいかな?」
「チッ・・・。」
大きい舌打ちと共に腕ごと差し出す爆豪君のそれを持ち上げ、篭手を隅々まで観察する。
形や性能には何も違和感はないけど・・・。
「・・・入学してから体重と身長変わった?」
「!」
「たぶん成長したことで篭手自体が合ってない。筋肉の付き方が変わったらコレも微調整しないと自分の身体に負担をかけちゃうよ。」
「あ゙ぁ?体型がちょっと変わったくらいでいちいちサポート会社に頼めるかよ。」
「っ・・・でもこのままだとサポートするはずの武器が君の足を引っ張ることになる。なんのためにサポート科があると思ってんの。」
ギロッ・・・と睨まれ一瞬だけ怯んでしまうが、ここで引いてはサポート科が聞いて呆れる。
そう思って精一杯の勇気を振り絞り睨み返せば、相手は驚いたように目を見開いてからニヤリと口角をつりあげた。
「・・・テメェならあと2週間でどうにかなんのか。」
「!・・・う、うん・・・。」
「あ゙?聞こえてねェなァ!!」
「なっ、なるッ!!」
“やってやるわ!!” と勢いよく返事をすれば、相手はそれはそれは恐ろしい笑顔で私の肩を掴む。
今思えば、この時から私は彼の手のひらの上で転がされていたに違いない。