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可愛くない後輩の話
おなまえは?
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なんでこんな事になったのか・・・遡ること数ヶ月前。
ヒーロー科の1年生達に仮免許試験を受けさせる、という異例の決定をした学校側に私は呼び出された。
「1年生の、基礎学に・・・?」
「あぁ。」
「な、何故・・・?」
「仮免許試験まで残り2週間・・・コスチューム改良をし始めた奴らがチラホラ出ているが、調整があまり上手くいっていない。」
「・・・パワーローダー先生なのに、ですか?」
「どうやら請け負っているのはパワーローダーだけじゃないみたいでな、苗字の個性でアイツらを視(み)てやってほしい。」
“頼むぞ。” と私の返事も聞かず話を終える相澤先生にポカンっと口を開けて固まる。
え、何この先生・・・私の返事、聞く気ゼロ・・・?
「っていうか、嫌です!」
「内申点上がるぞ。」
「やらせていただきます!!」
ガバッと勢いよく頭を下げれば、相澤先生は “合理的で結構。” と満足そうに笑った。
「という訳で、コイツはサポート科3年の苗字 名前だ。こんなヘラヘラしてるが、サポート科に推薦で入ってから常にトップ成績だから信頼は出来る。」
《!!》
「苗字 名前です。私の個性はバランサー。目で見たあらゆるもののバランスを視ることが出来ます。」
「特にコスチューム改良等で止まってるやつはしっかり見てもらえ。・・・コイツは大手サポート会社への内定も決まっている。
そんな奴に見てもらえる貴重な機会、有効活用すんのもプロとして必要な努力だ。後は頼むぞ、苗字。」
「(相澤先生に褒められると悪い気しないな・・・。)はい、よろしくお願いします!」
《よろしくお願いします!》
実はヒーロー科の授業に顔を出すのはこれが初めてじゃない。
2年の時には、同じ2年生のヒーロー科を。
そして3年になってすぐには1つ下の2年生のクラスを見て、今日のように彼らのコスチュームを視てきた。
これは私にとっても良い勉強になる機会だし有難い。
・・・まぁ問答無用で連れてこられるのは嫌だけど。
「という訳で、まず誰から視ましょうか?」
《お願いしますっ!!》
「お、おお・・・相変わらず強さに貪欲ですね、ヒーロー科は・・・。」
思わず苦笑いを漏らしたのは、この光景を見るのがもう3回目だからだろう。