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きっとこれがはじまり。
おなまえは?
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ザシュッ…と虚を倒してから刀を振れば、ビチャビチャッ…と道に血が飛び散った。
「(…下手なゾンビゲームよりエグい…。)」
チラリと空を見上げれば次々と現れる虚。
何があったのかは分からないが、一護と雨竜君が何かをやらかしたのだろうということは理解出来た。
「っ…だぁっ…!もうキリがないっ…!!」
普段は一護に虚退治を任せているため、ここまで長時間刀を振るのは初めてだ。
腕と足には擦り傷、切り傷が少し。
もちろんここで殺られるつもりはないが、それでも動きは段々鈍くなっていく。
…要はちょっとめげそうなのだ。
「(終わったら2人とも殴るっ…!絶対殴るっ…!)」
そう思った瞬間、目の前を通り過ぎる青い光。
それが一護の言っていた滅却師の矢だと気がついたのは、その青い光が私の目の前にいた虚を撃ち抜いた後だった。
「名前さんっ…!」
「!う、雨竜君っ…?」
「すまないっ…見つけるのが遅くなったっ…。」
「コレ、雨竜君の仕業っ…?」
「黒崎と勝負するために対虚用の撒き餌を使った。だけど集まってくる数が明らかにおかしいっ…。」
そう言って眉を寄せる雨竜君に、チョップする。
こんなことになるとは思わなかった、では済まされないことだと頭の良い雨竜君なら自覚しているだろう。
なら、私から言うことは何も無い。
「乗り切ったらジュース奢りで!」
「!分かってるっ…!」
「よしっ!雨竜君のおかげで復活した!あとは任せて他のところ行って大丈夫だよ!」
「…すまないっ。」
ダッ…と走っていく雨竜君を見送ってから、もう一度刀を構え直す。
そして、ジュースのために死ぬ訳にはいかないしね…と笑ってから私は虚に向かって飛び込んだ。
大きな黒い虚が空の隙間に戻っていくのを確認しながら最後の虚を切り倒した。
どうやら一難は去ったようだ。
「っはぁっ…。」
近くの草むらまで歩き、そのままバタンっ…と倒れ込めば気持ちのいい風が頬を撫でた。
遠くで一護の霊圧と雨竜君の霊圧が放出されているのが、その風に乗って伝わってくる。
仲直りしたんだ…なんて思ってクスクス笑えば、目の前に見知った足が着地した。
「…コン?」
「ボロボロなのに、なに笑ってんだ?」
「だってほら、雨竜君と一護の霊圧が一緒になって光ってるから…綺麗だなって。」
「綺麗っつうか、喧嘩にしちゃ派手過ぎた。周りを巻き込み過ぎなんだよ。」
「アハハ、たしかに。…でもまぁ、雨降って地固まるだよ。」
「…本当に、あの短気な一護と双子なんて信じられないくらい心が広いこって。」
グイッ…と私をおぶりながら嫌味をぶつけてくるコンに、私はもう一度ケラケラと笑った。