↓↓
HAPPY HALLOWEEN
おなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
(月島蛍 × 年上彼女)
家に帰れば珍しく蛍が来ていた。
いつも部活で帰りが夜遅いのに、今日は早めに帰ってきたらしい。
私の部屋で何かの雑誌を読んでいる蛍のヘッドホンを取りながら、そんな事を思った。
「あ、おかえり。」
「ただいま。」
「おばさんに上がっていいって言われたから。」
「知ってる。お母さんから連絡きて急いで帰ってきたんだから。」
運良く昨日のうちに掃除は済ませていた。
まぁ幼馴染だから私の部屋が多少荒れていても気にしないのが蛍だけど。
つい先月告白されて、見事恋人同士となった今は昔よりもそういう所を気にするようになった。
「ご飯食べてく?」
「うん。おばさんがうちに連絡したって。」
「そっか。」
「名前のこと宜しくって言われた。」
「我が親ながら恥ずかしいことを…。」
ブレザーをハンガーにかけて、自分も蛍の隣へと腰を下ろす。
そんな私を横目に雑誌を読み続ける蛍は相変わらずのポーカーフェイスで、なんだか少し面白くない。
彼女の部屋で2人きりだし、少しぐらい男子高校生らしく照れたりとかしたらいいのに。
「…あ、思い出した!」
「なにを?」
「今日ハロウィンだよ、ハロウィン。」
「あぁ…そういえばそうだね。」
「誰かからお菓子もらった?」
「貰うわけないデショ。」
“僕がそういうの参加するタイプだと思う?” とでも言いたげに眉を寄せる蛍にクスクスと笑う。
烏野のバレーボール部に入ってからそういうのに巻き込まれがちな蛍だから、今回も一悶着してると思ったけど。
今回は逃れてきたみたいだ。
「(ブツブツ文句言いながらも少し楽しそうなのが可愛いんだよね、蛍って。)」
「…なに?」
「んーん、なんでもない。」
私がそう呟けば再び部屋の中に訪れる静寂。
蛍は雑誌を読んで、そんな蛍を私が見守る。
いつもは気にならないその空気が今日は気に入らなくて、どうしたら彼の視界に私を入れられるだろうかと考えた。
「ねぇねぇ。」
「なに?」
「Trick or Treat !」
「…もうすぐご飯だからお菓子はダメだよ。」
「蛍は私のお母さんか!」
「ふふっ、名前可愛い。」
「!?」
蛍の斜め上な返答に思わずツッコミを入れれば口元を少しだけ緩めて笑う蛍。
そんな顔もカッコイイかよ、なんて心の中で呟いてそんな蛍からプイッと顔を背けた。
昔から蛍に振り回されるのには慣れていたけど、最近はこうして突然来るデレに耐えきれないことも多くなった気がする。
「名前?」
「ちょっと待って、今落ち着いてるから。」
「それはいいけど、僕お菓子持ってないんだよね。」
「え…?あ、そうなんだ…?」
「うん。だから、悪戯していいよ?」
背中を向けていた私の方へと伸びてきた手が私をグイッと引き寄せる。
それに驚いてバランスを崩せば、そんな私の身体は蛍の腕の中にスッポリと収まってしまった。
「どんな悪戯されるのか楽しみだね…?」
「ッ…し、しないって言ったら?」
「そうだなぁ…。そしたら代わりに僕が名前に悪戯でもしようかな。」
「蛍の悪戯って容赦なさそうで怖い。」
「あはは、まぁね。けど、名前には別。」
「別…?」
「とりあえず今日は下におばさん達いるから出来ないよね、イタズラ。」
「なッ……。」
カァァッと顔に熱が集まる。
そんな私を見て再びクスクスと笑う蛍は可愛いくせに時々カッコイイ。
周りからポーカーフェイスだと言われる彼のこんな柔らかい笑顔を見れるのは私だけだけど。
それはそれで心臓が持たないな、なんてその暖かい腕の中で考えた。
「期待した?」
「……。」
「名前?」
「……期待しちゃった、から…。いつか本当にしてよね、イタズラ。」
「ッ……!?(あぁ、もう本当に何なの僕の恋人可愛すぎるでしょッ…。)」
HAPPY HALLOWEEN 月島蛍ver.
烏野ハロウィン END.
8/8ページ