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HAPPY HALLOWEEN
おなまえは?
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(西谷夕 × 年上)
いつもより甘い匂いがする廊下を歩く。
この季節と2月は学校中にお菓子が溢れている。
それが良い事なのか悪いことなのか、私にはさっぱり分からないけれど。
とりあえず私はわざわざ今日のために買ってきたお菓子を持って体育館に行かなければいけない。
それが、私と彼との約束だから。
「ゆーーーうーーーッ!!」
「!あ、名前先輩ッ…!!」
「ハッピー……ハロウィンッ…!!」
ガラッと扉を開けてその名を呼べば、準備体操をしていたであろう西谷夕がガバッと起き上がる。
そんな夕にニヤリと笑ってお菓子を見せつけ、野球選手ばりに振りかぶってからそのお菓子を天高く放り投げた。
「うおッ…!!」
「あ、こら西谷ッ…!!」
ダッ…と走り出した夕と、それを止めようと声を発したバレーボール部主将の澤村。
他の部員たちはそんな2人とお菓子を慣れた様子で見守って、夕がお菓子をキャッチした瞬間にワッ…と歓声に似た声を上げた。
「ナイスキャッチ!」
「っしゃあ!!」
「あ、でも夕。今回は薄焼きクッキーだから今の衝撃で割れちゃってるね、きっと。」
「な゙ァッ…!!」
「あはは!じゃ、お邪魔しました!」
「あ、こら待て苗字ッ…!!」
私の言葉にショックを受ける夕にケラケラと笑ってから澤村に怒られる前にと退散する。
後ろでは澤村の怒鳴り声とか夕の馬鹿みたいに大きな感謝の言葉とか色々聞こえるけど…とりあえず今は逃げるが勝ちだ。
「お、苗字。西谷君にお菓子渡せたのかー?」
「うん、渡したー。」
「また投げたん?」
「投げた。」
「じゃあ大地カンカンだ。」
「スガこれから部活?」
「おー。日直で遅れた。」
「そかそか。じゃー、頑張って。」
既にジャージ姿のスガにヒラヒラと手を振って教室へと戻ろうかと足を進める。
が、後ろからスガに名前を呼ばれ振り向けば相手は口角を吊り上げて性格悪そうな顔をして笑った。
「ツンデレも程々になー?」
「うっさい。」
「ったく素直じゃねぇなー。そんなんじゃあっという間に卒業式になっちまうぞ?」
「!…だからうっさい。それに、余計なお世話。」
「!」
スガの真似をしてニヤリと笑う。
可愛がっていた後輩に実は恋心を抱いているとコイツにバレてから半年。
からかわれ続けた日々も、今日で終わる。
「え、まさかお前ーーー…。」
「じゃあスガ、おつかれい。」
何かを察したらしいスガの言葉を遮って自分の教室へと向かう。
とりあえずバレーボール部の部活が終わる時間まで教室で待っていよう。
そうすればきっと彼が来てくれる。
投げたお菓子に付けたメッセージカードに、今頃彼が気付いているはずだから。
“Trick yet Treat. (お菓子はいいから悪戯させて。)”
教室で待っているとだけメールを打つ。
きっと彼は部活が終わったら着替えることすらも忘れてここへ来るだろう。
それから待っていた私に向かってこう叫ぶ。
「Trick yet Treatッ!!」
「……いや、夕。それ私があげたメッセージカードの内容だよね?返事じゃないよね?」
「そうっス!月島に意味を聞いて、俺は名前先輩に悪戯されるよりも悪戯したい派だと思ったんで!」
「お、おう…そうか…。(相変わらず規格外…。)」
「て訳で悪戯させてください!」
「いや、ダメだよ?既にお菓子あげた後だし。」
「んな゙ぁッ…!!」
HAPPY HALLOWEEN 西谷夕ver.