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HAPPY HALLOWEEN
おなまえは?
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(東峰旭 × 年下彼女)
私のお付き合いしている人はとても可愛い。
「おい旭ッ…!!」
「すまん大地ッ…!わざとじゃないんだッ…!!」
身長も体つきも大きいのに、主将に怒られたらペコペコと謝っている。
後輩である西谷に対して本気でカッコイイと憧れているし、とても生意気な1年生たちにも常に優しい笑顔を向けている。
「影山ッ…!!」
「東峰さんッ…!」
ドゴォッ…なんてすごい音を立てて床に落ちるスパイクに息を飲む。
私のお付き合いしている人はカッコイイ。
「まさにハイブリッド…。」
「名前ちゃん、東峰は車じゃないから。」
「はッ…つい声に出しちゃってましたッ…!」
「ふふっ、東峰見過ぎてボールにぶつからないように気をつけてね?」
そう言って笑う潔子先輩にもう一度謝ってから止まっていた記録を再びつけ始める。
男子バレーボール部のマネージャーになって1年半。
東峰旭先輩の恋人になって1年ちょっと。
「(のに、未だにキスすらしてないッ…!)」
分かっていた。
東峰先輩が実はヘタレで奥手で恥ずかしがり屋だということは。
それを少しでも克服するために髭を伸ばしたりしていることも、私のことを本当に心から大切にしてくれていることも。
全てを分かっていた上で付き合ったのだ。
だってそういう所もひっくるめて好きだから。
…が、さすがに数えるくらいしか手を握ってない私達を本当に恋人と言ってもいいものなのか!!
「否ッ…!!」
「!?」
「これは恋人とは呼べませんッ…!」
「えッ… 名前ちゃんッ…?」
帰り道、いきなり大きな声をあげた私を見て東峰先輩の身体がビクリと跳ねる。
なんだその反応、可愛すぎか。
むしろ私が食ってやろうかコノヤロウ。
そんな無謀な事を考える私に見えたのは街の掲示板に貼られているチラシ。
“Halloween”と書かれた文字と可愛いカボチャのイラストに、その手があったかと私の本能が両手を上げて喜んだ。
「東峰先輩!」
「は、はいッ…!」
「今日、何月ですか。」
「え…、何月?えと、10月…?」
「そうです!10月です!!」
「そ、それがどうしたのッ…?」
「Trick or Treat、です!!」
私の気迫に負けて身体を仰け反る東峰先輩を近くの電柱に追い詰めて逃げ道を塞ぐ。
東峰先輩がお菓子を携帯している姿なんて見たことないし、悪戯と託けてハグかキスでもしてやろう。
そう考える私の顔を見て、東峰先輩は身体を縮こませてブンブンと首を振った。
「まだ10月の半ばだべや!!ハロウィンまでまだ1週間以上あるよ名前ちゃん!!」
「東峰先輩お菓子は持ってないんですね?じゃあ悪戯でいいんですね!?」
「も、持ってはないけどもッ…!!」
「なら悪戯ですね!!?」
“よし来た!!” とその身体を抱き締めれば東峰先輩の身体が分かりやすく凍りつく。
もう夜で辺りも暗く、幸い周りに人はいない。
本当はもっとロマンチックなシチュエーションが良かったが、仕方がない。
未だに固まっている東峰先輩の顔に手を伸ばして、私はその真っ赤に染る両頬を包みこんだ。
「悪戯、しちゃいますからねッ…!?」
「ッ……は、いッ…。」
コクリと頷いた東峰先輩がギュッと目を閉じる。
そんな受け身な先輩も可愛いな…なんて思いなら自分の顔を近づけて、その唇に自分のソレをチュッと軽くだけくっつけた。
「あ、東峰先輩の初めて貰っちゃったッ…。」
「ッ…せ、責任取るからッ…!」
「え…?」
「責任取って幸せにするからッ…!だから今度は俺から悪戯させてくださいッ…!!」
「!ッ…そ、んなのッ…いいに決まってるじゃないですか馬鹿ッ…。」
そのまま再び重なった唇から東峰先輩の熱が私の中へと伝わっていく。
私の身体を支えている腕は力強くて、なのに頬に添えられている手は微かに震えていて。
本当に私の恋人はハイブリッドだな、と心の中で笑ってしまいました。
HAPPY HALLOWEEN 東峰旭ver.