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覚悟
おなまえは?
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更木剣八から逃げるように足を動かして、一護と夜一さんの霊圧の元へ向かう。
とりあえず合流するまでは考えることはやめよう。
余計なことを考えたていたら本来の目的を見失ってしまう、と可愛い弟に言い聞かせたのは私だ。
「!(一護の霊圧が移動してる…?)」
双極まであと数分、というところで一護の霊圧が動き出したことに気がついて立ち止まる。
普通に走っているにしては早い動きを不思議に思っていれば、その一護を追うように夜一さんの霊圧が動き出した。
その速度はかなり早い。
「(まさか一護の暴走ッ…?)」
いくら大人びていても一護はまだ15歳だ。
その時の感情に振り回されて正しい判断を下せない時だってある。
だからこそ私と夜一さんが付いてきたのに。
一護が向かう先にある岩鷲と花太郎…そしてそれに対峙する隊長格の霊圧2つがあることに気がついて、ついそんな事を考えてしまった。
「(隊長格の片方は十四郎さんだけど…もう1人のが少し厄介だなッ…。)」
神経を研ぎ澄ませて周りの霊圧を探る。
彼らがいるのは懺罪宮で、一護の霊圧も真っ直ぐその場所へと向かっている。
夜一さんは強い。
けど隊長格2人を相手に一護や岩鷲を庇いながら戦えるとは思えない。
「久しぶりに実戦みたいだよ、玉藻前。」
“それはそれは、嬉しい限りだな。”
「卍解はしない。」
“奴等に見せてやれば良いではないか、苗字名前という死神がどれほど強くなったのか。”
「私が見せたいのはあの人達じゃないから。」
キュッ…と両手を軽く握る。
思い出すのは、月明かりの下…久しぶりに逢った自分の恋人だった男の顔。
包まれた匂い、触れたぬくもり、私を見つめる優しい眼差しまで。
その全てが私の決意を揺るがせた。
「ッ……止める。」
“…ならば急ぐべきだな。現役の頃よりも足が遅くなっておるのだろう?”
「!あはは、言ってくれるね。」
“仕方なかろう。弱った主人の背中を叩いて起こさせるのも我の役目なのだから。”
「…ありがとう。」
視界を狭くしていた狐の面を取り捨てる。
カランッ…という音を立てて落ちたソレは、今の私にはもう必要のないものだった。
「…破道の三十一、赤火砲。」
指先から出た赤い炎がその面を包み込み、黒い炎を上げながら燃えていく。
喜助さんが作ったソレを万が一にも誰かに持っていかれたら困るし…証拠隠滅というやつだ。
「…よし、行くか。」
燃え尽きたそれを横目に、足を踏ん張る。
先程よりも動きやすくなった身体を使って出来る限り最速で一護達に追いつく。
そう考えた私はその足を思いっきり蹴り出した。
続
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