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空白の百年はあまりに長く
おなまえは?
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部屋を出て数分…先程まで確認できていた霊圧が消えたため思わず足を止める。
「…大人しくなんかしてないか。」
本来なら自分の目の届く範囲内で監視しておくのが俺の役目だろう。
だが自隊の副隊長である雛森副隊長が拘留されたことで俺が五番隊の指揮をとることになってしまった。
「(まさかあの雛森副隊長が錯乱して攻撃なんて…さすがに予想外ですよ、藍染先輩。)」
なんて文句を言いたくても、そんな余裕はない。
旅禍の動きも予想より早いし…これはあの人の想定よりも早めに決着がつきそうだ。
“…何年経っていても、好きなんですよね?”
そう呟いた俺を見て顔を歪めた苗字先輩を思い出して息を吐く。
相変わらず、面倒臭い人達だ。
お互い好きなら、それだけでいいだろうに。
相手を守るためにと動いて、すれ違って…お互いに理解してもらえないと背を向ける。
「…本当に、めんどくさい。」
けど、それが羨ましいと思った。
赤の他人同士なのに、あそこまで互いを必要と思えるその関係が。
だからこそ、自分は藍染先輩の話に乗ったのだ。
この2人が幸せになれるのならばと。
そんな2人の手助けを、自分ができるのならばと。
「新太郎クン、みっけ。」
「!…市丸隊長、何か御用ですか?」
「嫌やなァ、2人きりなんやからギンって呼んでもええんやで?」
「……ギン、余計なことはするなよ。」
「!」
「藍染先輩の邪魔はさせない。それが苗字先輩だろうと、ギン…お前だろうと。」
そう言って目の前に立ちはだかるソイツを睨みつければ、相手はクスリと笑う。
旅禍の中に苗字先輩がいた事を誰よりも先に気づいていたはずなのに、報告を怠った。
藍染先輩はそれについて不問にしていたが、俺としてはやはり気に入らない。
「相変わらず藍染隊長のこと大好きやねぇ。あぁ、それとも…名前さんの事やろうか?」
「…藍染先輩からの命令がなければ、俺は迷わずお前を殺してるよ。」
「ちょっとした冗談やのに。」
「冗談だとしても、だ。」
「なぁ、新太郎クン。」
「…まだ何かあるのか?」
「ホンマに、1ミリも、ないん?」
「は…?」
「名前さんのことを想う気持ち、ホンマにないって言いきれる?」
“…なんて、こないな話してたんバレたら藍染隊長に怒られてまうなァ。”
そう言って笑ったお前が、俺は大嫌いだ。
心の中でそう呟いて、俺はその場を後にした。
続
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