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まだ間に合うだろうか?
おなまえは?
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バチバチっ…と拒絶された手を見つめる。
目の前では百年も待ち焦がれた彼女がコチラを睨みつけ、その手には月の光を反射してキラリと光る斬魄刀が握られていた。
「…これは、どういうことかな?」
「……確かに、わざわざ瀞霊廷まで来たのは私が藍染惣右介って男をまだ愛してるからだよ。」
「……。」
「でも…目的は会うことじゃない。抱きしめてもらうことでも、愛を囁いてもらう為でもない。」
「名前…?」
「私は、藍染惣右介を止めるために来たの。」
百年ぶりに感じる彼女の霊圧に頬が緩む。
敵意や殺気、それからコチラを強く睨みつけている瞳すらも…自分にとっては愛おしいものでしかない。
それなのに、彼女は自分の腕の中に収まらない。
それがひどく不快だった。
「… 名前、君はどこまで知っているのかな?」
「…全部。」
「具体的に話をしよう。もしかしたら何か誤解があるのかもしれないだろう?」
「誤解なんてない。」
「何故そう言いきれるんだい?」
「っ…百年前、見たんだよ。アンタが平子さん達を虚化していた。それで後から来た喜助さん達にその罪を擦り付けた。」
あぁ、やっぱりか…と息を吐く。
あの日…君はあの場所に来ていたんだね。
知られたくなかった、全てを終えるまで。
君は平和な世界だけを見て、僕の隣でずっと笑っているだけでよかった。
…よかったのに。
「…信じたく、なかった。」
「……。」
「惣右介のこと、信じていたかったっ…。」
「……。」
「お願いだから惣右介、もう止めようよっ…。」
ゆらりと揺れた瞳が、僕の身体に縋り付く。
こんなにも全身で僕を愛していると訴えかけてくるのに、どうして理解してくれないのだろう。
苗字 名前は天才だ。
僕の唯一の理解者だ。
それなのに、どうして…。
「どうして…僕のことを解ってくれないんだい?」
「!」
「名前、愛してる。」
「な、に言ってーーー。」
「君を守るためなら何でもするさ。必要ならば犠牲だって厭わない。」
「惣右介っ…。」
「…残念だが、時間だ。」
「!?」
彼女の真後ろに降り立った人物が、その細い首元に手早く手刀を入れる。
本当なら連れていきたいところだが、今はまだその時ではない。
「…お邪魔でしたか?」
「いや…来てくれて助かったよ。さすがの私でも彼女を巻くことは難しいからね。」
「そうですか。」
名前。
君が私の考えを理解する事が出来るのはきっともっと先だろうね。
それでもいい。
私のことを恨んでもいい。憎んでもいい。
忘れられていなかった。
それだけで、私の気持ちは満たされる。
「…愛してるよ。」
「……。」
男の手刀で意識を手放した彼女の額に口付けを落とし、踵を返す。
彼女を抱える男はそれを見て見ぬふりをしてから彼女を連れてその場から消えた。
遠のいていく彼女達の霊圧に、自分の霊圧が僅かに揺れたのが解った。
続
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