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手のひらの上で踊る
おなまえは?
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隣で眠る愛しい恋人の髪を自分の指に絡ませれば、そのままスルリと手のひらから落ちていく。
まるで彼女自身だな、なんて思ったらその髪一本一本までも愛おしくなって…逃がすものかとその毛束に口付けを落とした。
「(まさか名前があのザエルアポロと手を組むとは思っていなかったけどね…。)」
正直、探りをいれる必要がなくなったことでコチラの手間が省けた。
本当はウルキオラから報告を受けた時点で彼女を自分の元へと呼び戻そうと思った。
が、彼女が自分自身の意思で動いたのは虚圏に来てからは初めてだったため敢えて見逃したのだ。
彼女を問い詰めるよりも、彼女と接触した破面側を攻めた方がよっぽど早く事情を把握出来るから。
そんな思惑通り、後から呼び出したザエルアポロ・グランツは私の問いに素直に言葉を並べ立てた。
「研究の手伝いをする代わりに、名前様のための黒腔(ガルガンタ)を開いてほしいと…。」
「黒腔を…?」
「あらら…コッチ来てから随分と大人しいからおかしい思ォたけど、やっぱり何年経っても名前さんは名前さんなんやねぇ。」
「この私から離れて… 名前が向かおうとしているのは尸魂界かな?それとも、現世の黒崎一護達の元かな?」
「行先まではお話になりませんでした。ですが藍染様がお望みであればこのザエルアポロ・グランツ、必ずや名前様の信頼を勝ち取り行先を聞き出してご覧にいれましょう。」
そう言ってこうべを垂れたザエルアポロに少しばかりの殺気を放つ。
名前の信頼を勝取る、なんて破面である彼ごときが出来るはずもないのに…。
つい感情が先走ってしまった、と口角を緩めれば隣にいたギンが呆れたように笑った。
「分かっとると思うけど藍染隊長は名前さんを傷つけたいわけやないんよ。せやから君は余計なことは言わん方がええわ。」
「!…大変失礼いたしました、藍染様。」
「いや…私の方こそすまない。ザエルアポロ、君には私も期待しているんだ。だから…分かっているね?」
「えぇ…お任せ下さい。必ずや、藍染様のそのご期待にそってみせます。」
あそこまで言ったのだ。
これでザエルアポロは名前との間に起きた事を全て私に報告するようになるだろう。
彼は野心家だが損得勘定も強い。
名前と手を組むよりも、手を組んだフリをして私に恩を売る方が良いと理解しているに違いない。
「(少しばかり可哀想だけど…これはまた僕を置いて逃げようとした君への罰だよ。)」
“もう二度と逃がさない。”
君と再会した時にそう決めたのだから。
→ To be continued.
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