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破面
おなまえは?
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私を背中に隠しながら苛立ちを全面に押し出すウルキオラに思わず目を見開く。
さっきまでは何を言っても “無” だったのに…よっぽど目の前のピンク色が嫌いらしい。
「(十刃同士でも仲の良し悪しがあるのか…。)」
「この方を連れていくならば藍染様の許可を取れ。」
「ウルキオラ、彼女の首のソレに関しては僕に一任されているんだよ。君こそ余計な口出しは無用だと思わないかい?」
「今日1日は俺がこの方の護衛を任されている。どうしてもお前の自宮に連れていくというのなら俺もついていこう。」
「不躾だなァ…。それとも、僕の事がそんなに信用出来ないのかい?」
そう言って再びニヤリと口角をつり上げるピンク色にウルキオラの殺気が更に上がる。
なんだかよく分からないが、ウルキオラ的には私をこの男と2人きりにはさせたくないらしい。
かといってこの険悪ムードの中で過ごすのは私も勘弁願いたいところだし…。
「あー…ウルキオラ、いいよ。」
「!」
「藍染様には私が望んでついていったって伝えておけば納得するし。」
「なるほど…お姫様は話の分かる方のようで安心しました。」
「名前様ーーー。」
「それに…ザエルアポロ、だっけ?」
「はい。」
「彼も科学者なら馬鹿じゃない。私に手を出してわざわざ藍染様の怒りを買うような真似はしないよ。」
“ねぇ?” と微笑み返してやればザエルアポロの眉がピクリと動く。
媚を売るタイプだけど、プライドも高いタイプか。
それなら終始無表情のウルキオラよりも扱いは簡単だろうし、情報収集する為にも色んな破面と出会っておくのは悪くない。
「…藍染様に許可を取りにいきます。」
「いいって。何かしてるんでしょ?」
「ですが…。」
「過保護だからさ、言ったら止められそうだし…それに、一応私も天才って呼ばれた死神だから。」
「!」
「自分の身くらい自分で守るよ。」
なんて言って、本当は首のコレのせいで霊圧も制限されているし斬魄刀もないから十刃相手なんて勝ち目はないだろうけど…。
このくらい言わないとウルキオラは行くことを許可してくれなそうだしな。
そう考えて未だ眉を寄せているウルキオラから離れてザエルアポロの傍に近寄る。
穏やかそうに見えてどこか落ち着かないその霊圧に、瀞霊廷のマッドサイエンティストを思い出してしまったのは不可抗力だと信じたい。
「じゃあ、行こうか?」
「はい。ご案内いたしますよ、お姫様。」
とりあえずウルキオラよりも口が軽そうなコイツから情報を聞き出せればいいな。
そんな事を思いながら、私はそのピンク色の後に続いて広い廊下を歩き始めた。
続
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