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守りきれなかったもの
おなまえは?
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ズズズッ…とルキアちゃんの身体から引き抜かれる、霊具をつけた惣右介の手。
その中に見えた小さい塊が喜助さんのいう“崩玉”だということはすぐに理解出来た。
「驚いたな、こんなにも小さいものなのか。」
「惣右介ッ…!!」
「ダメだよ、名前。僕も…そして要達も、すぐにでも彼らにトドメをさせる。」
「ッ……。」
「動かない方が、彼らの為だ。」
そう言って微笑む惣右介の手の中で未だにルキアちゃんが苦しそうに顔を歪めている。
近くに転がる一護達には東仙の刀が突きつけられており、私が少しでも動けば彼らの命はすぐにでも奪われてしまうだろう。
それは七番隊の隊長がやられた一瞬にスキを見せてしまった私の落ち度だった。
「魂魄本体は無傷…さすがは浦原喜助の作った霊具というべきかな。」
「ルキアちゃんを離してッ…!彼女にはもう用はないでしょ!?」
「そうだね。彼女はもう用済みだ。…ギン。」
「はいはい。」
「まッ…約束が違う!!」
「違くないさ。私が助けると約束したのは旅禍の子達のことだよ。彼女は、旅禍じゃない。」
「!!」
“射殺せ、神鎗。”
市丸のその言葉に思わず地面を蹴る。
ルキアちゃんを助ける。
それは一護とした、大切な約束だった。
「ッ…ぁあ゙あ゙ッ…!!」
「!…あらら、ホンマ…命懸けやねぇ。」
「名前さんッ…!!」
伸びた市丸の斬魄刀が私の肩を貫く。
それでも伸び続けるソレを両手で掴み僅かばかり緩んだ速さの隙に、見覚えのある白が惣右介の手からルキアちゃんを助け出した。
「…妹は返してもらうぞ、藍染。」
「……ギン、名前を。」
「はいな。」
「動くな。」
「少しでも動けば即座にその首をはねる。」
グラリと揺れた身体が地面に近づく。
今の声は夜一さんだろうか?
そんなのんきなことを考えながら次にくる衝撃に備えて目を閉じれば、そんな私の身体を誰かがガシッと受け止めてくれた。
「無茶し過ぎですよ名前さんッ…!」
「…う、りゅう君ッ…?」
「もう、大丈夫です。」
「えッ…?」
「他の人達が、来てくれましたから。」
その言葉に視線を動かせば惣右介や市丸たちの周りに集まる隊長達が目に入る。
中にはコチラを見て息を吐く十四郎さんや春水さん、そしておそらくかなりご立腹な山本総隊長まで。
その全員が惣右介たち3人を取り囲み、自身の斬魄刀を構えていた。
「…終いじゃの、藍染。」
そう呟いた山本総隊長に惣右介の口元が緩んだ瞬間を私は見逃さなかった。