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共同戦線
おなまえは?
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私達が双極に着いた時にはルキアちゃんの処刑は中断され、一護と朽木白哉がその丘で刃を交えている最中だった。
その場にルキアちゃんの霊圧はない。
ならばと自身の霊圧探知範囲を広げてみれば、阿散井君の霊圧が彼女を連れてここから離れていっているのが分かった。
なぜそんな状況になっているかは謎だったが、状況としては悪い方ではないだろう。
「イッチーまた強くなってるね!」
「…みたいだね。」
「剣ちゃん喜ぶね!」
「あはは、確かに。」
走り続けてゼェゼェしている他の4人をよそにそんな会話をする私とやちるちゃん。
一護の霊圧がどこか不安定なのが気になるが、卍解を習得したのであろうソレに余計な手出しはしないと決めて遠目から見守る。
あちこちで起きている霊圧のぶつかり合いの中には総隊長や十四郎さん達の存在も感じるが、肝心の惣右介達の霊圧は感じなかった。
出来ることならこのまま見つからずに瀞霊廷を去れたらいいのに。
そんなご都合的な考えが浮かんでは消えた。
「名前さん黒崎くんはッ…?」
「…大丈夫、一護は強いから。」
「!……はい。」
“そうですよね。” と織姫ちゃんが呟いた瞬間、ぶつかっていた一護と朽木白哉の霊圧が一気に消える。
長かった戦いが一つ、決着した。
私を見て一護に駆け寄っても良いのか迷う織姫ちゃんにコクリと頷いて、走っていく彼女達を見送る。
卍解習得の早さと、朽木白哉を倒すその戦闘能力の高さはまさに規格外。
おそらく現世でソワソワしているであろう喜助さんを思い出して、さすがは喜助さんが認めた弟子だと頬を緩めてしまったのは不可抗力だ。
「!…なんだよ、名前さんもいたのかよ。」
「まぁね。」
「名前さんが迎えに来てくれなかったら僕達はここまでたどり着いてなかったよ。」
「は…?どういう意味だ?」
「それまでずっと、迷子になっていた。」
「迷子って…。」
チャド君の言葉に呆れたような表情をする一護の怪我をグルリと見てまわる。
大きい傷は気になるが、致命傷ではない。
軽く織姫ちゃんに治してもらったらすぐにでも阿散井君を追っていけそうだ。
「織姫ちゃん、とりあえずこれ以上出血しない程度に治してもらっていい?」
「あ、はい!分かりました!」
「こ、これからどうすんだ?」
「とりあえずルキアちゃん連れて逃げてる阿散井君を追って合流かな。」
「え、なんで恋次がルキアつれて逃げてるって名前さんが知ってんだよ?」
“会ったのか?” と首を傾げる一護にそんな訳ないだろうと言いながら、再び霊圧探知をしてみる。
まだ霊圧同士のぶつかり合いが続いている場所は避けていくべきだろう。
「(惣右介はルキアちゃんの処刑のタイミングを狙ってたはずだ。それなのに未だここに来てないってことは何かイレギュラーな事が起きてる…?)」
だとしたら彼が直接ルキアちゃんの元へ行く可能性だって出てくる。
阿散井君と惣右介では勝敗は目に見えているし、出来ることなら先に合流して私が時間稼ぎをしている間に逃がす。
「…終わりました!」
「おぉ…ありがとな井上!」
「いやいやお礼なんていいよ!!私なんて全然なんの役にも立ってないしッ…!」
「そんな事ねぇよ。井上のコレ、相当凄いぜ?」
「えッ…あ、ありがとうッ…。」
「…はい、そこまで。とりあえずルキアちゃん達と合流するために走るよ。」
何やら甘酸っぱいやり取りをする一護達にパンッ…と手を叩いてそう呟けば、全員がコクリと頷く。
それから走り出した彼らの1番後ろを走りながら、今後のことを考えて小さく息を漏らした。
「(嵐の前の静けさじゃなければいいけど…。)」
続
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