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共同戦線
おなまえは?
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ザザッ…と互いに距離を取る。
いつの間にか相手の後ろには3人の死神がいて、その内2人が白い羽織を着ていることに小さく舌打ち漏らしてしまった。
「…たかが旅禍の割には悪くねェ太刀筋だ。」
「お褒めに預かり光栄ですね、九番隊副隊長様。」
「!」
「副腕章、良くお似合いで。」
そう言ってニッコリと笑えば、気に触ったのか相手の眉がピクリと動く。
奥の3人は隊長が2人…それからサングラスの男の腕にも副腕章がついている。
はっきり言ってあまり形勢はよくない。
そう思って手の中にある刀を強く握り直せば、後ろから伸びてきた手が私の襟元を引っ張りそのまま後ろへと引き下がらせた。
「ちょ、何してーーーー。」
「テメェの出る幕じゃねェ。…コイツらの相手は俺達で十分だ。」
「そういう事。君たちは早く行きなよ。」
「!…ありがとう。」
私たちと死神達の間に立った斑目と綾瀬川にお礼を言って刀をしまう。
それからチラリと奥にいた見知った顔を睨みつけてから後ろにいた織姫ちゃん達の背中を押した。
「苗字、やちる連れてけ。」
「…更木隊長も残るつもりですか?」
「あァ…。アイツらと斬り合える機会なんてもう一生ねェだろうからな。」
「……わかりました。」
「剣ちゃん?」
「やちる、テメェはその馬鹿がまた勝手に消えねェように見張っとけ。」
「わかった!ちゃんとナマエちゃんのこと見張っておくから早く追いついてきてね!」
ぴょんっ…と更木隊長の背中から降りたやちるちゃんが笑顔で頷く。
なんだか目の前で見張るとか言われるのは癪だが、今は彼らにこの場をまかせる以外はない。
そう思ってもう一度お礼を呟けば、3人とも百年前と同じように口角を吊り上げて笑った。
「(斑目も綾瀬川も強い。更木隊長の強さも、私は嫌という程分かっている。)」
「名前さんッ…!良かったんですか!?相手は隊長2人と副隊長2人っすよ!?」
「大丈夫!あの3人は馬鹿だしアホだけど、実はめちゃくちゃ頼りになるから!!」
「…信頼している、という訳か。」
「あー…それは違うよチャド。信頼はしてない。けどアイツらの強さに関しては信用してる。」
“だから私達は急ごう!” と背中を押せば4人とも納得して走ってくれる。
少しだけ霊圧を探ってみたものの私たちを追ってくる気配はない。
それは私にとっても嬉しい誤算だった。
「(アイツは九番隊の席官だった東仙…おそらく惣右介の部下だろうけど更木隊長達相手ならそう簡単には抜け出せない…!)」
出来ることならばアイツには事が終わるまであの場にいてもらいたい。
その時が来るまで邪魔なものは少しでも減らしておきたいのが正直な感想だから。
「(ルキアちゃんの処刑を止めるッ…!今はそれ以外を考えないッ…!!)」
さっきよりも近づいてきた双極の丘を前に、私の心臓はいつもよりも早く脈打ち始めていた。