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自分のやるべきことを
おなまえは?
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すっかり傷だらけになって倒れ込んだ阿散井君の身体を回道で治していく。
血は出ているがどれも浅傷だから。
そう言ってある程度だけ治した彼を引きずって、治癒効果のある温泉の中へと突っ込んだ。
「名前。」
「!夜一さん、遅くなってすみませんでした。」
「いや、無事なら良い。」
「…一護の方は?」
「卍解の習得はそう簡単にはいかん。」
「処刑日が変更になったことは…?」
「彼奴から聞いたわ。まさか処刑日が早まるとは思わんかったが…。」
温泉の中で傷が痛いと叫ぶ阿散井君を横目に息を吐く夜一さんにコクリと頷く。
それから詳しく話すために夜一さんを連れて離れようとすれば、反対側から伸びてきた手が私の腕を掴みあげた。
「名前さんじゃねぇか!アンタ今までどこにいたんだよ心配してたんだぞッ…!?」
「あ、一護じゃん。久しぶり。」
「久しぶり、じゃねぇ!」
ゴンッ…と落ちてきた拳骨に思わず痛いと叫べば相手は心配かけた罰だと怒る。
どうやらいつの間にか消えた私を心配していてくれたみたいだが、いきなりの拳骨はやめていただきたい。
普通に痛いから。
「にしてもさぁ…まさかあの更木剣八に勝つとは思わなかったよ、一護。」
「あ、あれは勝ったとは言えねェよ。」
「謙遜しなくていいの。確かに更木は戦闘狂だし方向音痴だけどさ?紛れもない…護廷十三隊の隊長なんだから。」
「!お、おうッ…。なんか、名前さんに素直に褒められると照れんなッ…。」
そう言ってヘラリと笑う一護につられて私も笑う。
何日かぶりに見た2人の顔は、張り詰めていた私の気持ちを少しだけ緩めてくれた気がした。
「一護は休憩しておれ。儂は名前と話すことがある。戻ってきたら修行を再開するぞ。」
「お、おう…。」
「阿散井君も休んだらまた修行に戻りなよ。手合わせした感じだと、もうすぐな気がするから。」
「えッ…は、はいッ…!」
“あざす!!” と頭を下げる阿散井君にヒラヒラと手を振って夜一さんと共に少しだけ離れた場所へと移動する。
それから一護と別れた後に惣右介に会ったことや十四郎さんに事情を少しだけ話したことを伝えた。
夜一さんは相槌を打ちながら話を聞いてくれ、全てを話し終えた私の頭をガシガシと力づくで撫でた。
昔の修行場でのそれが少しだけ懐かしい気持ちを私の中に思い出させる。
だけど残された時間が僅かであることを思い出して、私はその緩みかけた頬を再び引き締めた。
「止めるなら、ルキアちゃんの処刑が始まるタイミングだと思います。十四郎さん達も恐らくそこを狙ってくると…。」
「そうじゃな…、一護の修行が間に合うかは正直分からん。最早 “賭け”じゃ。」
「…夜一さんはギリギリまで一護の修行を。私は雨竜くん達を助けに行ってきます。」
「1人で行くというのか…?」
「そう思っていたんですけど、少し思い当たる節があるので頼ってみます。」
「思い当たる節…?」
「はい。必ず彼ら全員を助け出して、上(双極)に連れて来ますよ。」
そう言って笑えば、夜一さんは少しだけ私以外の場所へと視線をそらす。
恐らく私が無茶をするのではないかと心配しているのだろう。
そんな夜一さんを見て、惣右介との約束については話さなくて良かったと私はその頬を少しだけ緩めた。
優しい彼女のことだ。
約束の事を話したら私を止めるだろう。
「(だからこそ、これ以上この人に心配をかけさせるわけにはいかない。)夜一さん、私を信じてください。」
「!…そうじゃな。」
“信じておるぞ。”
そう呟いた夜一さんにお礼を言って、私はその修行場を後にしました。
続
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